一万だ記念!
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
*
その夜。イジメ確定な国語の授業の為に、普段真面目にやりもしない予習に没頭していた頃です。
(特に国語なんて、やったことすらないです。先生がアレですからね)
控えめに部屋のドアをノックする音が聞こえました。
「由香ちゃん?いるかな…?」
このマイナスイオンがにじみ出ている癒し系ボイスは。
『…飛田くん?』
「ごめんね、突然来ちゃって…。あのね、」
『ちょ、ちょっと待って下さい。ドア開けますから』
「あっ、ごめんね」
部屋の外に彼を立たせたまま会話が始まってしまいそうだったので。
あわててドアを開くと、その姿からもマイナスイオンが出ているんじゃなかろうかと思わせる飛田くんがいました。
ただその表情は、今は何故だか眉根が下がっております。
「あ…ごめん。勉強してたんだね」
『あー…いやいや、全然ですよ。あはははは』
まさか超下らない出来事のせいで、明日鳴海先生からイジメを受けちゃうんで必死に勉強してました、だなんて。
恥ずかしくて言えない。
『何だか飛田くん、さっきから謝ってばっかです』
「ご、ごめんね」
『あわ、やっ、別に、責めてるとか、そういうんじゃなくっ。あっ、えっと、そういえばっ。何か用事でしタカ!?』
「あ…。そうだね。あのね、えーっと、由香ちゃんは今日のハロウィンパーティーには行かないのかなって」
ヤバい。飛田くんを更にしょんぼり顔にさせてしまった事に慌てすぎました。
何だか一部分が片言になってしまった気が。
…まぁ飛田くんは特に気にしてないみたいだから。いいか。
そういえば、ハロウィンパーティーが寮の談話室であるんでしたっけ。…鳴海先生主催による。
明日のイジメによる恐怖で、すっかり頭から抜けてましたが。
『もう始まってるんですか?』
「うん。それで由香ちゃんがいないのに気付いて、声かけに来たんだけど…」
『なるほどです…』
折角のパーティーなんだから、楽しめばいいのに。クラスメイトの一人がいない事の方を気にしてしまうなんて。
流石、みんなに委員長と呼ばれて親しまれるだけあります。
中々出来ない心配りだと、私は思います。
…ん?
ちょっと今思ったんですが。
一度はハロウィンパーティー行くの断りましたが、今からでも参加すれば明日のイジメは帳消し=予習なんてやらなくていい!?
これは…いい…っ!
「勉強してたみたいだし…迷惑だったかな」
『いえ…グッジョブですよ…!』
「え?」
『いやっ、何でもないですっ。折角飛田くんが誘いに来てくれたから、是非とも行かせて下さい!』
「本当にっ?良かった!」
『じゃぁ、早速行きましょうか』
「うん!…えへへ」
『…?どうしたんですか?』
部屋を後にして、談話室へ向かおうとしたら。
何故だか、飛田くんのお顔は笑顔で緩んでました。
「由香ちゃんは、僕ことを委員長じゃくて、名前で呼んでくれるんだね」
『え?あぁ…。何というか、癖ですかね?』
名字呼びがポリシーなのです。
ほっしゃんさんのように、ちょっとお付き合いが長い方は愛称になるやもしれませんが。
それでも委員長は嬉しそうに、何処か照れくさそうに話を続けてくれました。
「学級委員長やるようになってから、皆が僕の事を委員長って呼ぶようになったんだ。それって皆が僕の事を委員長って認めてくれてる、良い証拠だと思うんだけど…。
それでもやっぱり、名前で呼ばれるのが嬉しい時もあるんだ」
『へぇ…。そういうものなんですか?』
「由香ちゃんに初めて呼ばれた時は、特に嬉しかったよ」
『んえ?わ、私、ですか?また何で…』
「能力別クラスも一緒なのに、あんまり話す機会なかったからさ。何となく…人を遠ざけてる感じもあったし。
だから嬉しかったし、よく覚えてるんだ。…ねぇ、由香ちゃん」
『は…っ、はいっ』
「ありがとね。…いつか二人でこうやってゆっくり話せる時間があったら、ずっと言おうと思ってたんだ」
そうしてにっこりと笑う飛田くんは、本当に嬉しそうで。
たったそれだけで、そんなに幸せそうにしてくれるなら…。
『そんなんで良かったら、いくらでも呼びますよ…』
「…じゃぁ、これからはもっと、沢山、一緒にお話ししようね!約束っ」
『はい。分かりました』
そうして指切りをした後の飛田くんは、何処か満足そうな表情をしていました。
今日の飛田くんは、いつもと違って積極的に見えます。…何処と無く。
そうこう話している内に、前方から賑やかな声が耳に入りました。
どうやら談話室に着いたようです。
飛田くんの笑顔がまた一つ浮かんだのを見たら、私も思わず笑ってしまいました。
ちょっと面倒くさいなと思ったハロウィンパーティーでしたが、飛田くんと一緒なら楽しそうです。何故か、そう思いました。
*
次の日。国語の授業にて。
「じゃぁ、この問1から問10の答えを…由香ちゃんにやってもらおうかなっ」
『多っ!?いかんせん多過ぎです鳴海先生…っ!』
「終わったら、34ページから40ページまで読んでね!」
『うわぁ!しっかりまだ根に持っていらっしゃる!』
まさかこんなオチがつくとは、予想だにしていませんでした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
委員長落ちendでした。
いつもより何で委員長が積極的(?)だったかと言うと、早瀬さんに好意を寄せてる(???)フラグが立ってたからなんだよー!
でもそれには一切気が付かない早瀬さんなのでした(笑)
お約束展開ですみません…ww
他キャラ落ちもいくつかご用意しているので、良かったら色んな選択肢で試してみて下さい!