それってつまり
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「あんちゃんって、ほんま絵が上手やなぁ!」
教室でのとある休み時間。机に向かっていると、いつの間にか近くで見ていたのか。ツインテールをゆらゆら揺らした元気いっぱいなクラスメイトから声を掛けられた。
「あんたは黙って見てられないの。邪魔してるんじゃないわよ、馬鹿蜜柑」
「あいたっ!だって蛍ー、何回見ても凄いんやもん!あんちゃんの絵!」
「確かに細かい所までよく描けてる絵よね。やっぱり、絵に関係するアリスだとレベルが違うのかしら」
『元々は下手だったんだよ。今もそんなに上手ってわけでもないけど‥‥。正確に描けると、アリスが上手く発揮出来るから頑張って練習したの』
視線を落とした先には、つい今さっきまで描いていたスケッチ。
そう。私は、絵に関連する能力の持ち主。
より具体的に、正確に描く程その絵の出来事を実現させる事が出来る‥‥周りと比べると、少し地味なアリス。
「前のも凄かったよ~!こう、あんちゃんがサラサラ~ってあっという間に何や絵を描いたと思ったら、ビューンって飛んでて!」
「蜜柑、語彙力。あんたが空飛んでみたいって騒いだから、あんがその我が儘に付き合ってあげたやつね」
『飛べる能力のアリスの子に直接頼んだ方が早いから、時間はかかっちゃったけど‥‥』
「それでも絵に描ければ、何でも実現出来ちゃうのが凄いやん!」
空を飛んだ時の事を思い出しているのもあってか、大興奮で喜んでくれるのも嬉しいんだけど。
そこまで上達出来た自分も、少し誇らしくて嬉しい。元々は下手‥‥というか、苦手だったから。
思わず頬が緩んで油断していたら。スケッチブックをじっと眺めていた蛍ちゃんから、鋭い突っ込み‥‥もとい。彼女からの、尋問が始まってしまった。
「それにしても。あんがこれ程に上達したのって、最近のように思うのだけれど」
『え。‥‥っと、そ、そうかなー?よく分からないけど』
「あからさまにとぼけたって無駄よ。どうしてそれをって、思い切り顔に書いてある」
『う‥‥っ。うん!そうだねっ。確かに言われてみたらそんな気がしてきた!』
「白々しいわよ、あん。ここまで頑張って練習した理由‥‥何かあるんでしょ」
「そーなんか?あんちゃん」
『それは‥‥』
「「それは?」」
『‥‥秘密です』
この場ではどうしてもその理由を話せなくて。我ながら思わせ振りな事を言ってしまったせいで、二人からはかなりのブーイング。
声のトーンがヒートアップしてしまったせいか、あからさまな舌打ちの音が真後ろから聞こえた。
『あ‥‥ごめんなさい、日向君。うるさかったかな』
「そうよそうよ!何よ、あんったら。日向君の前だからっていい子ぶっちゃって!」
「あんちゃんは元からええ子やもん!」
「っていうか、佐倉さんの声が一番うるさいのよ!もう少し周りの事考えなさいよ」
「何やて!?」
「パーマも中々ウザいよー。発言が」
「あんたは黙ってなさいよ、心読み!」
自分の席の真後ろが日向君と、とても近い場所のせいなんだろうけど。
日向君ファンクラブ会長?の、正田さんからは何かと目をつけられてしまっている気がする。いや‥‥気がする、ではなく。絶対に。
そして彼女のうるさいという言い分は、確かに分かるのだけれど。今の状態って‥‥これ、悪化してないかな。
次は舌打ちじゃなくて、何か物騒な物‥‥もとい、火が飛んできたりしないよね。
オロオロしていたら、そんな事態になる前に仲裁に入ってくれる声があったけれど。その声が聞こえた瞬間、心臓の辺りがぎゅっとなる感覚がして。
「休み時間なんだから。別に何したっていいだろ、正田」
「その通りだわ、ルカ君!私ったら、日向君があん達の事煩わしく感じてるんじゃないかと思って~、つい言いすぎちゃったみたい!」
「調子がいいなぁパーマは」
「何かごめんね、あん」
『え!?どうして流架君が謝るの?そんな、全然大丈夫だよっ』
その声の主に話しかけられた上に、名前まで呼ばれて。動揺して上ずった声を、上手くごまかす事が出来たかな。
蛍ちゃんは勘が良いから。今の態度で、何となく結びつけちゃったかもしれない。
乃木流架君。私が好きでもない絵を練習するきっかけにもなった人で‥‥今、気になってる人でもあるって事を。
教室でのとある休み時間。机に向かっていると、いつの間にか近くで見ていたのか。ツインテールをゆらゆら揺らした元気いっぱいなクラスメイトから声を掛けられた。
「あんたは黙って見てられないの。邪魔してるんじゃないわよ、馬鹿蜜柑」
「あいたっ!だって蛍ー、何回見ても凄いんやもん!あんちゃんの絵!」
「確かに細かい所までよく描けてる絵よね。やっぱり、絵に関係するアリスだとレベルが違うのかしら」
『元々は下手だったんだよ。今もそんなに上手ってわけでもないけど‥‥。正確に描けると、アリスが上手く発揮出来るから頑張って練習したの』
視線を落とした先には、つい今さっきまで描いていたスケッチ。
そう。私は、絵に関連する能力の持ち主。
より具体的に、正確に描く程その絵の出来事を実現させる事が出来る‥‥周りと比べると、少し地味なアリス。
「前のも凄かったよ~!こう、あんちゃんがサラサラ~ってあっという間に何や絵を描いたと思ったら、ビューンって飛んでて!」
「蜜柑、語彙力。あんたが空飛んでみたいって騒いだから、あんがその我が儘に付き合ってあげたやつね」
『飛べる能力のアリスの子に直接頼んだ方が早いから、時間はかかっちゃったけど‥‥』
「それでも絵に描ければ、何でも実現出来ちゃうのが凄いやん!」
空を飛んだ時の事を思い出しているのもあってか、大興奮で喜んでくれるのも嬉しいんだけど。
そこまで上達出来た自分も、少し誇らしくて嬉しい。元々は下手‥‥というか、苦手だったから。
思わず頬が緩んで油断していたら。スケッチブックをじっと眺めていた蛍ちゃんから、鋭い突っ込み‥‥もとい。彼女からの、尋問が始まってしまった。
「それにしても。あんがこれ程に上達したのって、最近のように思うのだけれど」
『え。‥‥っと、そ、そうかなー?よく分からないけど』
「あからさまにとぼけたって無駄よ。どうしてそれをって、思い切り顔に書いてある」
『う‥‥っ。うん!そうだねっ。確かに言われてみたらそんな気がしてきた!』
「白々しいわよ、あん。ここまで頑張って練習した理由‥‥何かあるんでしょ」
「そーなんか?あんちゃん」
『それは‥‥』
「「それは?」」
『‥‥秘密です』
この場ではどうしてもその理由を話せなくて。我ながら思わせ振りな事を言ってしまったせいで、二人からはかなりのブーイング。
声のトーンがヒートアップしてしまったせいか、あからさまな舌打ちの音が真後ろから聞こえた。
『あ‥‥ごめんなさい、日向君。うるさかったかな』
「そうよそうよ!何よ、あんったら。日向君の前だからっていい子ぶっちゃって!」
「あんちゃんは元からええ子やもん!」
「っていうか、佐倉さんの声が一番うるさいのよ!もう少し周りの事考えなさいよ」
「何やて!?」
「パーマも中々ウザいよー。発言が」
「あんたは黙ってなさいよ、心読み!」
自分の席の真後ろが日向君と、とても近い場所のせいなんだろうけど。
日向君ファンクラブ会長?の、正田さんからは何かと目をつけられてしまっている気がする。いや‥‥気がする、ではなく。絶対に。
そして彼女のうるさいという言い分は、確かに分かるのだけれど。今の状態って‥‥これ、悪化してないかな。
次は舌打ちじゃなくて、何か物騒な物‥‥もとい、火が飛んできたりしないよね。
オロオロしていたら、そんな事態になる前に仲裁に入ってくれる声があったけれど。その声が聞こえた瞬間、心臓の辺りがぎゅっとなる感覚がして。
「休み時間なんだから。別に何したっていいだろ、正田」
「その通りだわ、ルカ君!私ったら、日向君があん達の事煩わしく感じてるんじゃないかと思って~、つい言いすぎちゃったみたい!」
「調子がいいなぁパーマは」
「何かごめんね、あん」
『え!?どうして流架君が謝るの?そんな、全然大丈夫だよっ』
その声の主に話しかけられた上に、名前まで呼ばれて。動揺して上ずった声を、上手くごまかす事が出来たかな。
蛍ちゃんは勘が良いから。今の態度で、何となく結びつけちゃったかもしれない。
乃木流架君。私が好きでもない絵を練習するきっかけにもなった人で‥‥今、気になってる人でもあるって事を。