いつかの形象
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「うわあぁ!?」
『痛あっ!?』
「うわっ、野田先生!?と...由香ちゃん!?」
糸目先生(失礼。だって面識ないので名前を知らない)がどうして、ギャグみたいな格好で倒れてたのか分かったような気がします。
吐き捨てられました。
それはもう雑な感じで。何に吐き捨てられたかと言われると、よく分かりません。敢えて言うのであれば、糸目先生のアリス関連の何かだと思います。
「何処に消えたのかと思ったら...野田先生のアリスに巻き込まれていたのか」
『...岬、先生?』
「?なんだ」
『と...鳴海先生』
「全くもう~だから部屋から出ちゃ駄目だよって言ったのに!」
『ほ...っ本物だぁ...っ!』
「う~ん、大分刺激的な体験をしてきちゃった感じかなっ?」
鳴海先生のふざけたカマ口調で、不安を覚えた事は数知れないけれど。安心したのは、初めてかもしれません。
あの意味が分からない強制イベントの時間旅行から戻ってこれたんですね、私...っ!
感動し過ぎて、うっかり敬語がはがれてしまいました。
そう、心の底からホッとしたのも束の間。
「...ところで。この高等部生徒は一体誰なんでしょうか。何故教員用の寮に?」
『...鳴海先生』
「そもそも由香ちゃん、何で部屋から出ちゃったの~っ」
『だ、だって、外から骨が折れるような鈍い音が聞こえたら誰だって...!』
「おい、鳴海、早瀬。気持ちは分かるが少し落ち着...早瀬!?」
糸目先生から、そののほほんとした容姿にそぐわない手痛い突っ込みを受けてしまいました。
思わず鳴海先生に助けを求めましたが、とっさの言い訳が思い付かないのか流石に困った様子です。そんな私達を見かねて、岬先生が間に入ってくれたのですが。
その仲裁の声は、最後まで続きませんでした。
何故なら一難去ってないのに、更なる難関がやってきたからなのです。何が起こったかというと。
「段々、縮んで...いや、元の姿に戻ってきてないか?」
「あ、服がずり落ち、」
『うひゃあぁぁぁ!?』
「みっ、みみ見てないぞ!俺は見てないからな早瀬!取り合えず、これを羽織って...っ!」
「...まさかこの生徒、使用が禁止されているガリバー飴を」
「ちょーっと野田っちせーんせ!アッチで仲良くお話でもしましょうかねぇ?ふ・た・り・でっ」
『も...っもう、フェロモンなんてうんざりだあぁぁ!』
「落ち着け早瀬ーっ!」
...以上、このようなカオス展開が待ち受けていました。
元サヤと言うには...ちょっと。ちょっと、色々と無理がありますよ。これ。
病院へ行って更に大事になる前に、元の姿に戻れたとはいえ。
鳴海先生のアリスで糸目先生を口止めしてくれたとはいえ...これ以上の追求は止めておきましょう。
フェロモン対象が同姓って誰得なんですか。思い出すのもおぞましい。
ひと騒動があったおかげで、私の記憶からは謎の懐かしい声の主の事はすっかり忘れ去られてしまっていたのでした...。