「あ、林檎ちゃんだー。おはよー」

「おはよ、心読み君。何朝っぱらから由香ちゃん苛めてるの」

「えー。だって最近##NAME1##さんの事おちょくれなかったからさ～」

「駄目駄目！光る原石ちゃんなのに、そうやって傷付けるような事しちゃったらさぁ…！」

「ごめん、ちょっと言ってる意味分かんないや」

『…うひぁ！？』

「え！？突然どうしたの由香ちゃん…」

『とと、と、時宮さん！？いいいつからそこに…っ』



うっわ、凄い時差だって心読み君があざけ笑ってましたけどスルーします。

ちょっと時宮さん本人には聞かれたくない話題が満載だったので、予想外展開に思わず頭の中が真っ白になってしまいました…！



「ん？ついさっきだよ。
心読み君が由香ちゃんの事おちょくってる辺りから」

『そ、そですか…。…って、残酷だと感じる程の暇潰し発言はおちょくりだったの心読み君！？』

「まぁまぁ、おかげで僕の今日の笑顔は三割増しで良い笑顔だよー」

『うわぁ、私可哀想！』

「いやいや、これおちょくってるの確実に続行中だから。もういいにしてあげなよ、心読み君」

「ちぇー、林檎ちゃんがそう言うならいいにするよー。…今日は」

「…心読み君？」

「冗談だよ、じょーだーん」



そうしてあっという間に心読み君を大人しくさせてくれた時宮さんは、何と言うかもう…。
頼れるお姉ちゃんって感じです！素敵！

私が一人で感動に浸っていると、心読み君が何かに気が付いたようです。



「あれ？日誌持ってるって事は、今日は林檎ちゃんが日直なんだ」

「そうだよー。もう一人日直やるはずの子はお休みらしいけどね」

『…！』

「まぁ別に、一人でもいいんだけ…」

『とっ、時宮さんっ！その…っ。えとっ、わ、わたっ』

「綿菓子？」

『ちょっ、心読み君黙ってて…！
いちいち突っ込んでたら、展開がぐだぐたでこんなに長ったらしい羽目になってしまって…って、違ぁーう！』

「(よく分からないけど)分かったから、一度落ち着いて由香ちゃん…っ」

『うぁっ、すす、すみませ…っ。
あぁのですねっ、良かったら、日直…っ。その。迷惑でなければ…！そのっ』

「…もしかして、一緒にやってくれるの？」

『はっ、はいっ！』



私上げた声は、思ったより大きな声になってしまって。
時宮さんはそれに驚いたのか、目を丸くさせていました。

でもすぐにその目を優しく細めて…。



「…ははっ」

『？』

「ううん。じゃぁ、折角だからお願いしちゃおうかな」



ふわり、と添えるような笑顔を浮かべてくれました。
何だかそれで幸せな気持ちになって、私も思わずニコニコです。

横から心読み君が、意外な所でライバル登場かもねー。とぼやいていたのは、また別のお話。