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「随分...」
『へっ?何か言いましたか?』
「!?い、いや!その...」
苗を移すのに熱中していたおかげか、いいペースで作業が進んでいた頃。
岬先生が何かを呟いたので、思わず手を止めてしまいました。
何か間違えちゃったんでしょうか、私。
そう思って先生の方に向き直ると、あることに気が付きました。
『あれ?岬先生。さっきも同じ苗持ってたような...。まさか、ずっと同じの持ってたんですか?』
「い、いや、これは、その...っ」
『もしかして...』
「...っ!」
『ちょっと疲れちゃいましたか?随分苗植え終わったから、休憩しましょうか?』
どうやら察するに、同じ苗を持ったままぼんやりしてしまったようです。
これだけの大きさの温室の植物の面倒を見た上、教師というお仕事もしなきゃならないんですから。
そりゃぁ、疲れますよね。
あぁ、素晴らしいです。素行が真面目な方だと、こんな気配りが出来る余裕があるんですね。私。
普段目の当たりにしている担任教師がアレですから。
何て安心しきっていたら、岬先生は何やらとんでも爆弾発言を投下なされました。
「別に、早瀬の事をやましい気持ちで見ていたんじゃないからな!」
『...はぁ!?』
「...あ。い、いや!決して、絶対に、変な意味では...っ!」
え、突然何言い出しちゃってるんですかこの人。下手したら、今のご時世じゃ訴えられそうな事を。
え、え。そもそもこの人本当に岬先生ですか?なにこれドッペル?
『え...と。その...非常に聞くのが恐ろしいんですけど...。変な意味じゃないならどういう...』
「いや...。それは、その。教師という立場として言うのは、似つかわしくないかと...っ!
しかしだな、早瀬っ。本当の本当に、変な意味では...はっ!」
『・・・・・・』
教師としての立場うんぬん以前に。
ぶっちゃけ成人男性として、果たしていかがなものでしょう。その発言。
岬先生が好きな女子は沢山いますからね。あえて言うのは控えさせてもらいました。
ただ、これでもかという眼差しを送らせていただきました。
渋々と重い口を開く岬先生。目にものを言うとはこの事です。
「...この温室で、初めて早瀬に接して」
『は、はい...?』
「その時は、ごく普通の生徒だと意識しなかったんだ。...でも」
『...?』
「......。いや。やっぱり、これ以上は...!」
『い、いやいやいや...。流石にここまで来たら言って下さいよ』
「しかし...っ!」
『でないと、もれなく疑惑の眼差しが向けられ続けるわけですが』
「...っ!か...っか、」
『...か?』
あまりにもまどろっこしかったので、悪いとは思ったんですが少し脅してみたら効果抜群でした。
それは困ると思ったのか、続きを言おうとしているんですが。か、しか言ってくれません。
うーん。あと一押し、ですかね?
『あの...岬先生?か、って一体何です...』
「~っ!可愛くなったと、思ったんだ!」
『......は、』
それまで植物達が和気あいあいとしていて、少し賑やかだった温室なんですが。
突然上げた岬先生の大声によって、シンとしてしまいました。
痛いぐらいの沈黙の中、いたたまれなくなってしまったんでしょうか。
まくし立てるように言葉が続きます。
「少しの間見なかっただけでっ。随分、見違えたと!そうやって段々と、あの夜の時のような成長した早瀬に近づいて、見る度に綺麗になっていくんだろうと、思って...っ!」
『......』
「......」
『......え』
「~~っ!少し、外へ出る!水をくみに!」
もうこれでもかという程に、乱暴に温室のドアが開いて岬先生は逃げ去ってしまいました。
...。
ドア、開けっ放しです。そんなんだと、また植物が某金髪教師に誘拐され...いや、じゃなくて。です。
...えーと。結局今のは、どういうことか整理しても?
さっき岬先生がぼんやりしていたのって、つまり。
疲れていたとか、そういうのではなく。それは全くの勘違いで。
...私をずっと見ていたって、事?
それでガリバー飴で大人になった私の姿を想像してしまったから、やましいとか、何とか言って...。
『...いやでも。もう少し言い方ってものがあるでしょう...っ』
あんなストレートに、か、可愛いだとか、綺麗だとか...っ。
...あぁ。だから教師として似つかわしくないだとか、何とか言ってたんですね。
そ、そんなこと考えながら私を見てたとか...っ。
『...うああぁぁぁー...っ』
何故か頭の中で、男は狼なのよと始まる某歌手の歌が頭の中で流れ出すんですが...っ!
や、やめてくれ...!何だか色々台無しだ!
脳内で止まない曲を振り切るみたいに、頭を振り回しても効果がある訳もなく。
取り残された私を見た植物達が、不審者を発見したかのようにざわめいていますが。気にする余裕はありません。
だって、熱い。
体の至る所、全身が心臓になってしまったかのようにドキドキする音が激しくて。
顔なんて、鏡を見なくたってどうなってるか分かります。両手でほっぺた触るとこれだけ熱いんです。
きっと茹でたてのタコみたいに真っ赤になっているに違いないです。
何とか落ち着きたいのに、頭の中ではSOSとサビの部分までもが流れ出す始末。
極めつけは、さっきの岬先生の言葉がリピートエンドレスで止まる気配がありません。
結局。水汲みに随分長い時間をかけた岬先生が戻ってくるまで、私は一人温室でのたうち回っているのでした...。
ところで、私何か忘れてやいませんかね?
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きっと誰かが突っ込むまで、早瀬さんはハロウィンパーティーの事を決して思い出す事はないでしょう(笑)
そんな訳で、岬先生ENDでしたー。
書いてから気付いたんですが、こんな展開って実は改造計画本編で既出...だと...!?
でもでも、岬先生が照れながらも直接可愛いって言わせたかったんですよぅ←
したらまさかの年下主人公に追い詰められて暴走w
おまけに、岬先生のキャラが見事に迷子になったというミステイク。でもずっと絡みたかった岬先生とのお話が書けたので良しとする←
段々と色んなキャラとのお話しが完成してきました。
まだもう少し別のキャラとのお話を書くつもりなので、良かったらお付き合い下さい!