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無くした物を探しだして、どれ位時間がたったでしょうか。
ただ闇雲に探しても意味がないだろうと気が付いたのは、つい先程のこと。
寮の談話室で動き回っていたから、何かの拍子で落としたのかも...。そう思って来てみたら。
こちらも中々の修羅場が待っていらっしゃいました。
「あの...っ。鳴海先生、私...っ」
「うん」
「ずっと、先生の事が好きでした...っ」
「...うん」
いざ談話室へ入ろうとしたら、間違っても入っていけない空気になってました。
告白しているのは、初等部の子でしょうか。多分。
こんな時間に初等部の寮にいるわけですから...。
流石に中を覗く勇気はありません。
誰かが出てきても見つからないように、柱の影に隠れてはみたものの...。
この先はどうしよう。中に入れないんじゃ探せない。
しかもこれ、成り行きとはいえ立ち聞きなんじゃ...。
一人で悶々と悩んでいたら、鳴海先生の声が静かに響きました。
「...ごめんね」
「...っ。私が子供だからですか!?」
「そうじゃないよ。僕にはね、」
「左手に指輪はめてるけど、恋人がいる訳じゃないんですよねっ?だったら...っ!」
「...好きな人が、いるんだ」
私は、恋というものをまだしたことないですけど。
あの人のことが好きだと話し合うクラスの女の子達は、みんなキラキラしていたので。恋って楽しいものなのかな、という印象がありました。
でも鳴海先生のその言葉は、何処か悲しげでした。
「これは、その人の為の指輪で。でも...」
「もう、会えないんですか?」
「...そう、だね。そんなところかな。忘れられないんだ。だから、ごめん」
「...分かりました」
「ありがとう」
しばらくすると、談話室から誰か出ていった気配がしました。隠れていて良かったです...。
足音は一つだったから、まだどちらかが残っているわけですよね。
中々探し始めることが出来なくて弱りました...。
どうしたものかと途方に暮れかけていた、その時です。
「いつまでそんな所にいるの?由香ちゃん」
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