クロガネの街で
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(一方的な約束)
シンジさんのジム戦が終わり、次は自分の番だ!とサトシさんは意気込んでいましたけれど。
ヒョウタさんから、激しいバトルでポケモン達が疲れてしまっているから1日休ませて欲しいという申し出がありました。
なのでサトシさんのジム戦はまた明日。今度こそ休めるきゃっほーとか思いながら、ジムの扉をくぐった先には。予想外の方が待ち受けていました。えぇ。予想外の展開とともに。
「おい。ユカ」
『へ...っ。シンジさん?こんな所でどうし、』
「手持ちが3匹揃ったようだな」
『え?えぇと、はい。そうですけど...。それがどうし...あ』
「約束だ。俺とバトルしろ」
コトブキシティからここへ辿り着くまでの道のりが長すぎて、すっかり頭から抜け落ちていたのですが。
そういえばシンジさんとコトブキシティで会った時、3匹揃ったらバトルをしろと確かに言われました。かなり一方的でしたけど。
頭の上からは、もぞもぞとチルさんが動く気配が。...成る程です。さっき私の方をじっと見ていたのは、それを確認していたんですね。
「ちょっと待てよ!一体何の事だよ、ユカ」
「お前には関係ないだろ」
「なにぃ!?」
「っていうか、シンジってば何でユカの名前はしっかり覚えてるのよ!ついさっき、何度も会ってる私の事を誰だとか言ってたくせに~っ!」
『あ...ヒカリさん、それはその。コトブキシティで偶然会って、』
「え、それってコンテストバトルでって事?」
『いえ、そうじゃなくて。シンジさんが公園で特訓...?をしていて。その時、少し話す機会があったので、』
「ユカ、初耳だぞそれ。何で言ってくれなかったんだよ!」
『え、えぇっ?何でサトシさん、そこで急に怒るんですか?だって別に知らない人じゃなかったですし...』
「大体、それいつの事なんだよ」
『そ、その。サトシさんがポケモンセンターに行ってる時、ですけど...なな、何でそんな怖い顔するんですか...!』
「おーい、お前達ちょっと1回落ち着けー」
軽く集団パニックになりそうな所を、年長者のタケシさんが慣れた様子でおさめてくれました。やたら多い兄弟の中で一番上のお兄さんだと言っていたので、なだめるのは慣れっこなんでしょう。
それにしても、サトシさんがどうしてここまで怒るのかがいまいち理解できないのですが。シンジさんと会った直前には、ロクデナシ団(男)にも遭遇していただなんて言ったらどうなってしまうんでしょうか...うん。黙っておこう。
「シンジ。1つ確認したいんだが。ユカとのバトルは、もしかして今からするつもりなのか?」
「そうだ」
「ジム戦の後なんだ。せめてポケモン達をジョーイさんの所で...」
「むしろコイツにとってはいいハンデだろ」
「ポケモンを何だと思ってるんだよ!ポケモンはお前の道具なんかじゃない!」
「だったらユカ。この前と同じようにお前がキズグスリを使って手当てをしろ。この前と同じように...な」
「シンジ...お前...っ!」
今だに軽く混乱している私を見かねてか、タケシさんが間に入ってくれました...けど。
正反対な彼らは、お互い許せない部分があるだろうと予測したタケシさんの言葉通り、物凄いギスギスとした空気を醸し出して下さいました。
サトシさんが急に怒った理由は、多分そういう訳...ですよね?
「ユカ!」
『うぁっはい!な、何ですか、サトシさん...』
「手当てとかどうとかって何の話だよ!」
『え、えと...それは、』
「何度も言うが、お前には関係ないだろ。今はユカとバトルをすると言ってる。早く来い」
「ユカ、あんな奴の言う事なんか...!」
「サトシ、お前は本当に落ち着け。それでもってユカ。話はよく見えないが、シンジとバトルをする約束をしたのか?」
『手持ちがある程度揃ったら、という口約束を...その。一方的に』
「...成る程。どうする?ユカだけの問題じゃないんだから、ちゃんと考えて決めた方がいいと思うぞ」
タケシさんにそう言われてハッとしました。シンジさんとのバトルの話が出た時は、それに流されるような形になってしまったけれど。
確かに私だけの問題では、ないですよね。
『あ、あの...シンジさん。チルさ...。この子は、3匹目として最近ゲットしたばかりなんです、けど。少し訳ありなので、バトルをさせるにはまだ...』
「そう言い訳をして逃げるつもりか」
「話ちゃんと聞いてたのかよ、シンジ!バトルをさせるにはまだ早いって言ってるんだぞ!」
『あのサトシさん。代わりに最後まで代弁してくれたのは嬉しいんですけど。今シンジさんと話してるのは私...』
「俺の手持ちは、殆どがジム戦で体力を消耗した状態で戦うと言っているんだ。ハンデまで付けてやってるのに、相当な腰抜けのようだな?」
「なにぃ!?今の言葉、取り消せ!」
『サトシさん、ちゃう。それあなたに言ってるんじゃないですから。あの、だから、私を置いて話を進めないで...』
「手負いの相手とバトルをするのに怖じ気づく奴を腰抜けと言って、何が悪い」
「そこまで言うんだったら受けて立つぜ!」
『おいこらちょっと待て』
落ち着くどころかヒートアップしていくサトシさんに、思わず怒りのチョップをくらわせてしまったのですが。
効果はいまひとつ...どころか、むしろ逆効果で、怒りの矛先が私に向かってしまいました。
「いきなり何するんだよ、ユカ!」
『サトシさん、あなたマジで1回落ち着いて下さいよ!?簡単に売られた喧嘩買おうとしないで下さい!』
「あんな事言われて黙っていられるかよ!」
『だからってこの場合、実際に受けて立つのは私になっちゃうんですけど!?』
「そうだな。取り消すつもりはないぞ」
『ほらぁー!どうしてくれるんですかサトシさん!』
「元はと言えば、俺がちょっと離れた隙にお前がシンジに捕まるのが悪いんじゃないか!」
『つかま...っ!?人聞きの悪...いや。元からそう...いやいや!だからって何でここまで怒るんですか!』
「(タケシ、これは...あれかな。ヤキモチ的な面倒くさい感じだったりするのかな)」
「(それだとまだ可愛げがあるんだけどなぁ...むしろ束縛系も入ってないか?)」
『ちょっと、タケシさんにヒカリさん!何でこのタイミングで外野へ回るんですか!助けて下さいよ!』
「あー...とりあえず、二人とも。ジムの目の前で騒いだら迷惑だし、場所を移し...」
「君たち、何をやっているだい...?」
ヒカリさんの仲裁も虚しく、先程シンジさんとバトルされていたヒョウタさんが無事に召喚されてしまいました。
普通に考えたらそうですよね。自分の家の前で騒いでいたら誰だって様子ぐらい見に来ますよね...。
しかも事情を説明したら、今日はもうジム戦やらないから良かったらバトルフィールド使うかい的にとんとん拍子に話が進むという。逃げ道は最早何処にもないようです。泣きたい。
シンジさんのジム戦が終わり、次は自分の番だ!とサトシさんは意気込んでいましたけれど。
ヒョウタさんから、激しいバトルでポケモン達が疲れてしまっているから1日休ませて欲しいという申し出がありました。
なのでサトシさんのジム戦はまた明日。今度こそ休めるきゃっほーとか思いながら、ジムの扉をくぐった先には。予想外の方が待ち受けていました。えぇ。予想外の展開とともに。
「おい。ユカ」
『へ...っ。シンジさん?こんな所でどうし、』
「手持ちが3匹揃ったようだな」
『え?えぇと、はい。そうですけど...。それがどうし...あ』
「約束だ。俺とバトルしろ」
コトブキシティからここへ辿り着くまでの道のりが長すぎて、すっかり頭から抜け落ちていたのですが。
そういえばシンジさんとコトブキシティで会った時、3匹揃ったらバトルをしろと確かに言われました。かなり一方的でしたけど。
頭の上からは、もぞもぞとチルさんが動く気配が。...成る程です。さっき私の方をじっと見ていたのは、それを確認していたんですね。
「ちょっと待てよ!一体何の事だよ、ユカ」
「お前には関係ないだろ」
「なにぃ!?」
「っていうか、シンジってば何でユカの名前はしっかり覚えてるのよ!ついさっき、何度も会ってる私の事を誰だとか言ってたくせに~っ!」
『あ...ヒカリさん、それはその。コトブキシティで偶然会って、』
「え、それってコンテストバトルでって事?」
『いえ、そうじゃなくて。シンジさんが公園で特訓...?をしていて。その時、少し話す機会があったので、』
「ユカ、初耳だぞそれ。何で言ってくれなかったんだよ!」
『え、えぇっ?何でサトシさん、そこで急に怒るんですか?だって別に知らない人じゃなかったですし...』
「大体、それいつの事なんだよ」
『そ、その。サトシさんがポケモンセンターに行ってる時、ですけど...なな、何でそんな怖い顔するんですか...!』
「おーい、お前達ちょっと1回落ち着けー」
軽く集団パニックになりそうな所を、年長者のタケシさんが慣れた様子でおさめてくれました。やたら多い兄弟の中で一番上のお兄さんだと言っていたので、なだめるのは慣れっこなんでしょう。
それにしても、サトシさんがどうしてここまで怒るのかがいまいち理解できないのですが。シンジさんと会った直前には、ロクデナシ団(男)にも遭遇していただなんて言ったらどうなってしまうんでしょうか...うん。黙っておこう。
「シンジ。1つ確認したいんだが。ユカとのバトルは、もしかして今からするつもりなのか?」
「そうだ」
「ジム戦の後なんだ。せめてポケモン達をジョーイさんの所で...」
「むしろコイツにとってはいいハンデだろ」
「ポケモンを何だと思ってるんだよ!ポケモンはお前の道具なんかじゃない!」
「だったらユカ。この前と同じようにお前がキズグスリを使って手当てをしろ。この前と同じように...な」
「シンジ...お前...っ!」
今だに軽く混乱している私を見かねてか、タケシさんが間に入ってくれました...けど。
正反対な彼らは、お互い許せない部分があるだろうと予測したタケシさんの言葉通り、物凄いギスギスとした空気を醸し出して下さいました。
サトシさんが急に怒った理由は、多分そういう訳...ですよね?
「ユカ!」
『うぁっはい!な、何ですか、サトシさん...』
「手当てとかどうとかって何の話だよ!」
『え、えと...それは、』
「何度も言うが、お前には関係ないだろ。今はユカとバトルをすると言ってる。早く来い」
「ユカ、あんな奴の言う事なんか...!」
「サトシ、お前は本当に落ち着け。それでもってユカ。話はよく見えないが、シンジとバトルをする約束をしたのか?」
『手持ちがある程度揃ったら、という口約束を...その。一方的に』
「...成る程。どうする?ユカだけの問題じゃないんだから、ちゃんと考えて決めた方がいいと思うぞ」
タケシさんにそう言われてハッとしました。シンジさんとのバトルの話が出た時は、それに流されるような形になってしまったけれど。
確かに私だけの問題では、ないですよね。
『あ、あの...シンジさん。チルさ...。この子は、3匹目として最近ゲットしたばかりなんです、けど。少し訳ありなので、バトルをさせるにはまだ...』
「そう言い訳をして逃げるつもりか」
「話ちゃんと聞いてたのかよ、シンジ!バトルをさせるにはまだ早いって言ってるんだぞ!」
『あのサトシさん。代わりに最後まで代弁してくれたのは嬉しいんですけど。今シンジさんと話してるのは私...』
「俺の手持ちは、殆どがジム戦で体力を消耗した状態で戦うと言っているんだ。ハンデまで付けてやってるのに、相当な腰抜けのようだな?」
「なにぃ!?今の言葉、取り消せ!」
『サトシさん、ちゃう。それあなたに言ってるんじゃないですから。あの、だから、私を置いて話を進めないで...』
「手負いの相手とバトルをするのに怖じ気づく奴を腰抜けと言って、何が悪い」
「そこまで言うんだったら受けて立つぜ!」
『おいこらちょっと待て』
落ち着くどころかヒートアップしていくサトシさんに、思わず怒りのチョップをくらわせてしまったのですが。
効果はいまひとつ...どころか、むしろ逆効果で、怒りの矛先が私に向かってしまいました。
「いきなり何するんだよ、ユカ!」
『サトシさん、あなたマジで1回落ち着いて下さいよ!?簡単に売られた喧嘩買おうとしないで下さい!』
「あんな事言われて黙っていられるかよ!」
『だからってこの場合、実際に受けて立つのは私になっちゃうんですけど!?』
「そうだな。取り消すつもりはないぞ」
『ほらぁー!どうしてくれるんですかサトシさん!』
「元はと言えば、俺がちょっと離れた隙にお前がシンジに捕まるのが悪いんじゃないか!」
『つかま...っ!?人聞きの悪...いや。元からそう...いやいや!だからって何でここまで怒るんですか!』
「(タケシ、これは...あれかな。ヤキモチ的な面倒くさい感じだったりするのかな)」
「(それだとまだ可愛げがあるんだけどなぁ...むしろ束縛系も入ってないか?)」
『ちょっと、タケシさんにヒカリさん!何でこのタイミングで外野へ回るんですか!助けて下さいよ!』
「あー...とりあえず、二人とも。ジムの目の前で騒いだら迷惑だし、場所を移し...」
「君たち、何をやっているだい...?」
ヒカリさんの仲裁も虚しく、先程シンジさんとバトルされていたヒョウタさんが無事に召喚されてしまいました。
普通に考えたらそうですよね。自分の家の前で騒いでいたら誰だって様子ぐらい見に来ますよね...。
しかも事情を説明したら、今日はもうジム戦やらないから良かったらバトルフィールド使うかい的にとんとん拍子に話が進むという。逃げ道は最早何処にもないようです。泣きたい。