クロガネの街で
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(願望はまた後で)
「ついに来たぜクロガネシティ!」
森をやっとの思いで抜けた後のサトシさんの声は、いやに明るく聞こえました。開けた場所に出られた相乗効果なんでしょうか。
そういえば、学園内にもありましたね。やたら広い森が。正直もううんざりです。しばらく見たくない。
「シンオウで最初のジム戦ねっ。サトシ!」
「おぅ。絶対に勝ってバッジをゲットしてやるぜ!な、ピカチュウ!」
「ピカピカ」
『えっと...ジム戦で勝ってバッジを貰うって、コレクター的な何かですか?』
「ユカは知らないのか?街のジムリーダーに勝利すると貰えるバッジを一定以上集めるとだな」
『ふむふむ』
「早く行こうぜクロガネジム!」
『へっ、』
「リーグ挑戦権を獲得できるんだ。それでリーグというのが...」
『ちょっ、サトシさん!タケシさんが今後の展開に関わりそうな重要っぽい事を説明してくれてるのに、いきなり走り出すからちゃんと聞けなかったじゃないですか!っていうか、前ぶれなく引っ張らないで下さいよ!危な...!』
「後でちゃんと説明するから!くぅ~っ!楽しみだなぁーっ!」
『そうは言いますけど、場所は!?そのジムとやらが何処にあるのか、分かってるんですかサトシさん!...おいコラ話聞けやぁぁぁ...』
なるようになると言っていたいつかのサトシさんの言葉は、だてでは無かったようです。信じられないことに、クロガネシティのジムへ無事到着出来ました。
炭鉱地帯というのもあるのでしょうか。そこは西部劇にでも出てきそうな砂ぼこりの舞う殺伐とした印象を受けました。そしてジム自体は岩肌がむき出しの外観の建物で...。
「何か全体的に、かかってこーい!ってオーラが出てる感じ...」
『物凄いマッチョな方が出てきそうです』
「それ分かるかもー」
「お前達、それを偏見って言うんだぞ...」
タケシさんのたしなめ声はスルーされてしまうのが、割りと最近の通常運転だったりします。
女子二人の会話においては特に、です。
まぁこんな所で立ち尽くしていても、話は先に進まないので。いざ行こうとしたその時。中から誰か出てきたみたいです。
「シンジ!」
「何だお前か」
仲が良くなかろうが相性が悪かろうが、サトシさんにとってシンジさんは身近なトレーナーですからね。
ジム戦の結果が気になって詰め寄って行きましたけど、関係ないの一言で一蹴されてしまいました。
その態度にカチンときたのか、一悶着起きそうな流れになりそうだったけれど...また中から誰か出てたようです。
その人は落ち着いた感じの中肉中背の男性で...もしかして、ここのジムの人なんでしょうか。
『(マッチョとか偏見言ってすみませんでした。タケシさん)』
「(分かればよろしい)」
「おや。君もジム戦に来たのかい?」
「あ、はい!マサラタウンのサトシと言います。シンオウでは最初のジム戦になるんです。よろしくお願いします」
「おぉ。はるばるカントーからか。シンオウの伝道、岩ポケモンのジムへようこそ」
「岩ポケモンのジムなんですか!」
「...!」
『ひ...っ』
「え、ユカ?急にどうしたのよ」
ただでさえも目付きの悪いシンジさんの人相が、更に恐ろしくなったんですけど。思わず後ずさってしまいました。
今の会話でイラッとくる要素ってあったんですかね...シンジさん的には。
「もー、急に怯えた声出すから、チルットも怖がってるじゃないの、ユカ」
『あ...ご、ごめんなさい、チルさ...ひぇっ!?』
「チル!?」
「こらこら私の後ろに隠れない!っていうか、今度は何っ?」
『なな、何か、シンジさんがこっちをジッと見ているような気がして...』
「それだけでビックリし過ぎでしょ!?取って食べられる訳じゃないんだから、大丈夫だいじょーぶ!」
いえ。眼力の悪さ3割増しのまま、こちらを見られたら普通に怖かったですよ。ヒカリさん。
急に動いたせいでしょうか。頭の上が定位置になりつつあるチルさんを驚かせてしまったのは、悪かったですけど...。あまりにも怖すぎました。
どれだけ冷たい態度をとられようが、ジム戦お互いに頑張ろうとシンジさんに声を掛けるサトシさんが凄く大人に見えました。不屈の精神力、ぱないです。
「ジムリーダーのヒョウタはあいにく出掛けていてね。じきに戻ると思うが...」
『シンジさんはその方が戻ってくるまで、ポケモンセンターにいるって言ってましたよね。私達もそこへ行って、少し休憩...』
「あの、ヒョウタさんは今何処にいるんですか?」
『え、あの。サトシさん?』
「炭坑だよ」
「炭坑?」
『これは...この流れは』
「ユカ...ドンマイ」
「ニァニァ」
休みたい願望を全面に押し出し過ぎていたのか、エネさんからも慰めの声を掛けられてしまいました。
サトシさんの性格からして、その炭坑へこれから足を運ぶであろう展開はもう手に取るようにして分かります。
怖いとはいえ、シンジさんの後に付いていけば良かったとほんの少し後悔した今この頃。
屋根つきベッドでリラックス出来るのは、まだ先のことになりそうです。
「ついに来たぜクロガネシティ!」
森をやっとの思いで抜けた後のサトシさんの声は、いやに明るく聞こえました。開けた場所に出られた相乗効果なんでしょうか。
そういえば、学園内にもありましたね。やたら広い森が。正直もううんざりです。しばらく見たくない。
「シンオウで最初のジム戦ねっ。サトシ!」
「おぅ。絶対に勝ってバッジをゲットしてやるぜ!な、ピカチュウ!」
「ピカピカ」
『えっと...ジム戦で勝ってバッジを貰うって、コレクター的な何かですか?』
「ユカは知らないのか?街のジムリーダーに勝利すると貰えるバッジを一定以上集めるとだな」
『ふむふむ』
「早く行こうぜクロガネジム!」
『へっ、』
「リーグ挑戦権を獲得できるんだ。それでリーグというのが...」
『ちょっ、サトシさん!タケシさんが今後の展開に関わりそうな重要っぽい事を説明してくれてるのに、いきなり走り出すからちゃんと聞けなかったじゃないですか!っていうか、前ぶれなく引っ張らないで下さいよ!危な...!』
「後でちゃんと説明するから!くぅ~っ!楽しみだなぁーっ!」
『そうは言いますけど、場所は!?そのジムとやらが何処にあるのか、分かってるんですかサトシさん!...おいコラ話聞けやぁぁぁ...』
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なるようになると言っていたいつかのサトシさんの言葉は、だてでは無かったようです。信じられないことに、クロガネシティのジムへ無事到着出来ました。
炭鉱地帯というのもあるのでしょうか。そこは西部劇にでも出てきそうな砂ぼこりの舞う殺伐とした印象を受けました。そしてジム自体は岩肌がむき出しの外観の建物で...。
「何か全体的に、かかってこーい!ってオーラが出てる感じ...」
『物凄いマッチョな方が出てきそうです』
「それ分かるかもー」
「お前達、それを偏見って言うんだぞ...」
タケシさんのたしなめ声はスルーされてしまうのが、割りと最近の通常運転だったりします。
女子二人の会話においては特に、です。
まぁこんな所で立ち尽くしていても、話は先に進まないので。いざ行こうとしたその時。中から誰か出てきたみたいです。
「シンジ!」
「何だお前か」
仲が良くなかろうが相性が悪かろうが、サトシさんにとってシンジさんは身近なトレーナーですからね。
ジム戦の結果が気になって詰め寄って行きましたけど、関係ないの一言で一蹴されてしまいました。
その態度にカチンときたのか、一悶着起きそうな流れになりそうだったけれど...また中から誰か出てたようです。
その人は落ち着いた感じの中肉中背の男性で...もしかして、ここのジムの人なんでしょうか。
『(マッチョとか偏見言ってすみませんでした。タケシさん)』
「(分かればよろしい)」
「おや。君もジム戦に来たのかい?」
「あ、はい!マサラタウンのサトシと言います。シンオウでは最初のジム戦になるんです。よろしくお願いします」
「おぉ。はるばるカントーからか。シンオウの伝道、岩ポケモンのジムへようこそ」
「岩ポケモンのジムなんですか!」
「...!」
『ひ...っ』
「え、ユカ?急にどうしたのよ」
ただでさえも目付きの悪いシンジさんの人相が、更に恐ろしくなったんですけど。思わず後ずさってしまいました。
今の会話でイラッとくる要素ってあったんですかね...シンジさん的には。
「もー、急に怯えた声出すから、チルットも怖がってるじゃないの、ユカ」
『あ...ご、ごめんなさい、チルさ...ひぇっ!?』
「チル!?」
「こらこら私の後ろに隠れない!っていうか、今度は何っ?」
『なな、何か、シンジさんがこっちをジッと見ているような気がして...』
「それだけでビックリし過ぎでしょ!?取って食べられる訳じゃないんだから、大丈夫だいじょーぶ!」
いえ。眼力の悪さ3割増しのまま、こちらを見られたら普通に怖かったですよ。ヒカリさん。
急に動いたせいでしょうか。頭の上が定位置になりつつあるチルさんを驚かせてしまったのは、悪かったですけど...。あまりにも怖すぎました。
どれだけ冷たい態度をとられようが、ジム戦お互いに頑張ろうとシンジさんに声を掛けるサトシさんが凄く大人に見えました。不屈の精神力、ぱないです。
「ジムリーダーのヒョウタはあいにく出掛けていてね。じきに戻ると思うが...」
『シンジさんはその方が戻ってくるまで、ポケモンセンターにいるって言ってましたよね。私達もそこへ行って、少し休憩...』
「あの、ヒョウタさんは今何処にいるんですか?」
『え、あの。サトシさん?』
「炭坑だよ」
「炭坑?」
『これは...この流れは』
「ユカ...ドンマイ」
「ニァニァ」
休みたい願望を全面に押し出し過ぎていたのか、エネさんからも慰めの声を掛けられてしまいました。
サトシさんの性格からして、その炭坑へこれから足を運ぶであろう展開はもう手に取るようにして分かります。
怖いとはいえ、シンジさんの後に付いていけば良かったとほんの少し後悔した今この頃。
屋根つきベッドでリラックス出来るのは、まだ先のことになりそうです。