新たな道連れとともに
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(それが何処でも、いつの世でも)
「それにしても深い森よね」
「あちこちで鳥ポケモンの鳴き声が聞こえてくるな」
「二人とも、あんまり周りに気を取られ過ぎるなよ。こんな所で迷子にでもなったら相当大変だぞ」
タケシさんの忠告に、背中のリュックを背負い直しました。
コトブキの街を後にしてからそれなりに時間が経つのですが。まだ森を抜けられない辺り、ヒカリさんの言う通り相当広い所なのでしょう。
私こと早瀬は、今まで学園内だけで日常生活がおさまっていた身ですから。あまり旅路が長いと、体力が持つか少し不安ですね。このまま何事もなく行ければいいのですが...。
まぁ、そんな順調という名のフラグなんて。私の下に立ったことなんて無いに等しく。それは、突然起こりました。
「ニァ」
「ピカ?」
「ん?どうしたんだよ、二人とも...何だ?前が騒がしい気が...うわぁぁ!?」
「きゃあぁぁっ!?何よこれーっ!
」
「これは...チルットの群れだ!皆、伏せろ!まだこっちの方へ突っ込んで...」
『あいたっ!?』
突風が起きたのかと勘違いしてしまいそうな程に、猛スピードで何かが通過していく中。
しゃがむのが遅れたせいなのか、何かが頭にモロに激突しました。痛いです。はい。大事です。痛い。凄く。
「ユカ!?大丈夫か!」
『な、何とか、だいじょう...へっ?ななっ、うやあぁぁぁっ!?』
「ニァ!ニァーっ!」
「これ、もしかしてチルットの群れがユカに向かって威嚇してるの?でも、どうして...」
「何にせよ、このままだとマズいぞ...!」
猛スピードの何かと激突しそうな(いえ、したけれど)恐怖感を味わったのも束の間、チルットとかいうポケモンに集団で威嚇されました。
中には頭を突っついてくる輩もいるので、たまったもんじゃありません。どうやらエネさんが牽制してくれているようですが...。指示をする余裕なんてありません。手で頭をガードするので精一杯です。
「ピカチュウ!十万ボルトでユカの周りのチルット達を追い払うんだ!」
『効果は抜群!?容赦ないですよサトシさん!あいたたた』
「容赦してないのはあっちだろ!?」
「今言うのも何だが、飛行タイプには電気技が有利なのを覚えたユカに感心した」
『本当に何で敢えて今言うんですかねぇタケシさん!?何でもいい...いえ!やっぱ良くないんで!私への被害が最小限で済みそうな方法でとにかく助けて下さぁああ!』
被害者、加害者共に頭を冷やす結果になりました。物理的に。
いや、うん...まぁ。ロクデナシ団をいつも空の彼方へ吹き飛ばす、ピカさんの電撃を万が一くらってしまうよりかは安全ではありましたよね。唐突なイチャモン集団は、取りあえず撤退してくれたようですし。
役に立てたのが嬉しかったのか、満足げに胸を反らせているペンギンポケモン...ポッさまを見ていると溢れ出るこのやるせない気持ちは...そうですね。
助けてもらっておいてあれですけど。ぶっちゃけ言いますと、もっと上手くやって欲しかったですね。全身びしょ濡れになってしまって寒いです。
「ピィカァ?」
「ニァー」
『ちょっ、急に何ですか二人とも!頭をペタペタ触ろうとしないで下さいっ。さっきの事といい、私の頭部には別に面白いものなんて何も...!』
「チル...ッ」
『......』
「今...」
「うん...ポケモンの鳴き声が」
「あぁ...しかも聞こえたのが、」
それぞれに三人がポツポツと喋った後、私へと自然に視線が集まりました。え、誰が誰の台詞かイマイチ分からない?それはご想像にお任せします。
私の頭部には、面白いものなんて何もない。そう断言したかったのですが。
もう一度真上から聞こえた鳴き声に、気のせいにするのも華麗にスルーも出来ないことを悟りました。
―チルット わたどりポケモン 綿の様な翼を持つ...―
初めて見るポケモンには、ポケモン図鑑をかざすのが基本だとサトシさんから教わりましたけど。
まさか自分(頭部)に向ける日が来るとは思いにもよりませんでした。何でそんなことやってるのって。
多分この子が激突してきた物体の正体だと思われるのですが。出てこないんですよ。何故か。私鳥の巣じゃないんですけど。
「相当怯えてるな...さっきのチルットの群れに追いかけられてたのか?」
「でも同じ仲間なのよ?どうしてこんな...」
「...そのポケモン、もしかして」
上から順にサトシさん、ヒカリさんとそれぞれに疑問の声が上がる中。タケシさんが切り出した話はこうでした。
「標準より大幅に小さいんじゃないか?」
「確かにユカの頭に隠れる事が出来るぐらいだから、それなりに小さいんだろうけど...」
「でも、まだそこまで大きくなってないだけじゃないか?」
「サトシの言う通り、俺も一度はそう考えたんだがな。でも本当にそうなら、少なくとも群れの中では守られるべき存在の筈だ。それであそこまで威嚇されてしまうのは普通じゃない」
『...まさか』
「あまり考えたくは無いが」
「何だよタケシもユカも。ハッキリ言えって!」
『......』
「そのポケモン...チルットは。何らかの理由で大きくなれなかったんだろう。外見が他のポケモンと異なってしまったせいで、おそらく同じ群れから...」
迫害されている。
その一言は、不穏な空気の中で大きく響いたように思います。
頭の中に隠れたポケモンは、今だに姿を見せようとしません。ただ弱々しい鳴き声を一声上げるだけでした。
「それにしても深い森よね」
「あちこちで鳥ポケモンの鳴き声が聞こえてくるな」
「二人とも、あんまり周りに気を取られ過ぎるなよ。こんな所で迷子にでもなったら相当大変だぞ」
タケシさんの忠告に、背中のリュックを背負い直しました。
コトブキの街を後にしてからそれなりに時間が経つのですが。まだ森を抜けられない辺り、ヒカリさんの言う通り相当広い所なのでしょう。
私こと早瀬は、今まで学園内だけで日常生活がおさまっていた身ですから。あまり旅路が長いと、体力が持つか少し不安ですね。このまま何事もなく行ければいいのですが...。
まぁ、そんな順調という名のフラグなんて。私の下に立ったことなんて無いに等しく。それは、突然起こりました。
「ニァ」
「ピカ?」
「ん?どうしたんだよ、二人とも...何だ?前が騒がしい気が...うわぁぁ!?」
「きゃあぁぁっ!?何よこれーっ!
」
「これは...チルットの群れだ!皆、伏せろ!まだこっちの方へ突っ込んで...」
『あいたっ!?』
突風が起きたのかと勘違いしてしまいそうな程に、猛スピードで何かが通過していく中。
しゃがむのが遅れたせいなのか、何かが頭にモロに激突しました。痛いです。はい。大事です。痛い。凄く。
「ユカ!?大丈夫か!」
『な、何とか、だいじょう...へっ?ななっ、うやあぁぁぁっ!?』
「ニァ!ニァーっ!」
「これ、もしかしてチルットの群れがユカに向かって威嚇してるの?でも、どうして...」
「何にせよ、このままだとマズいぞ...!」
猛スピードの何かと激突しそうな(いえ、したけれど)恐怖感を味わったのも束の間、チルットとかいうポケモンに集団で威嚇されました。
中には頭を突っついてくる輩もいるので、たまったもんじゃありません。どうやらエネさんが牽制してくれているようですが...。指示をする余裕なんてありません。手で頭をガードするので精一杯です。
「ピカチュウ!十万ボルトでユカの周りのチルット達を追い払うんだ!」
『効果は抜群!?容赦ないですよサトシさん!あいたたた』
「容赦してないのはあっちだろ!?」
「今言うのも何だが、飛行タイプには電気技が有利なのを覚えたユカに感心した」
『本当に何で敢えて今言うんですかねぇタケシさん!?何でもいい...いえ!やっぱ良くないんで!私への被害が最小限で済みそうな方法でとにかく助けて下さぁああ!』
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被害者、加害者共に頭を冷やす結果になりました。物理的に。
いや、うん...まぁ。ロクデナシ団をいつも空の彼方へ吹き飛ばす、ピカさんの電撃を万が一くらってしまうよりかは安全ではありましたよね。唐突なイチャモン集団は、取りあえず撤退してくれたようですし。
役に立てたのが嬉しかったのか、満足げに胸を反らせているペンギンポケモン...ポッさまを見ていると溢れ出るこのやるせない気持ちは...そうですね。
助けてもらっておいてあれですけど。ぶっちゃけ言いますと、もっと上手くやって欲しかったですね。全身びしょ濡れになってしまって寒いです。
「ピィカァ?」
「ニァー」
『ちょっ、急に何ですか二人とも!頭をペタペタ触ろうとしないで下さいっ。さっきの事といい、私の頭部には別に面白いものなんて何も...!』
「チル...ッ」
『......』
「今...」
「うん...ポケモンの鳴き声が」
「あぁ...しかも聞こえたのが、」
それぞれに三人がポツポツと喋った後、私へと自然に視線が集まりました。え、誰が誰の台詞かイマイチ分からない?それはご想像にお任せします。
私の頭部には、面白いものなんて何もない。そう断言したかったのですが。
もう一度真上から聞こえた鳴き声に、気のせいにするのも華麗にスルーも出来ないことを悟りました。
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―チルット わたどりポケモン 綿の様な翼を持つ...―
初めて見るポケモンには、ポケモン図鑑をかざすのが基本だとサトシさんから教わりましたけど。
まさか自分(頭部)に向ける日が来るとは思いにもよりませんでした。何でそんなことやってるのって。
多分この子が激突してきた物体の正体だと思われるのですが。出てこないんですよ。何故か。私鳥の巣じゃないんですけど。
「相当怯えてるな...さっきのチルットの群れに追いかけられてたのか?」
「でも同じ仲間なのよ?どうしてこんな...」
「...そのポケモン、もしかして」
上から順にサトシさん、ヒカリさんとそれぞれに疑問の声が上がる中。タケシさんが切り出した話はこうでした。
「標準より大幅に小さいんじゃないか?」
「確かにユカの頭に隠れる事が出来るぐらいだから、それなりに小さいんだろうけど...」
「でも、まだそこまで大きくなってないだけじゃないか?」
「サトシの言う通り、俺も一度はそう考えたんだがな。でも本当にそうなら、少なくとも群れの中では守られるべき存在の筈だ。それであそこまで威嚇されてしまうのは普通じゃない」
『...まさか』
「あまり考えたくは無いが」
「何だよタケシもユカも。ハッキリ言えって!」
『......』
「そのポケモン...チルットは。何らかの理由で大きくなれなかったんだろう。外見が他のポケモンと異なってしまったせいで、おそらく同じ群れから...」
迫害されている。
その一言は、不穏な空気の中で大きく響いたように思います。
頭の中に隠れたポケモンは、今だに姿を見せようとしません。ただ弱々しい鳴き声を一声上げるだけでした。