世は情け
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
(どう見ても、)
『いやいや、めでたしじゃないんですよ。タケシさんにずっと聞きそびれてた事があったんですけど』
「いやー、一人突っ込みに切れ味が増してるなーユカ」
『そうなんですよ、タケシさん。次から次へと今までの常識がいちいちひっくり返ってくれるんで...じゃなくてっ。話を進めさせて下さいよ!この、ボールなんですけど』
「...モンスターボールだな?」
『多分ミミロルさんが入ってると思うんですけど。多分』
「えっ、そうなの!?いつの間にゲットしてたんだ!おめでと~ユカっ!」
あなた達が氷漬けされてる間にですけどね。みなまでは言いませんけど、あの時ドジやって転んで良かったです。本当に。
でなきゃ私も巻き添えくらってたでしょうから。
「同じ新人トレーナーで、ゲットしたポケモンも同じだなんて。何だかお揃いがいっぱいで嬉しい!」
『いえ、その...』
「どうかしたの?」
『ミミロルさんは、急にこう、ぐねぐねっと姿を歪ませる技が出来たりするポケモンなんですか』
「ごめん、ちょっと言ってる意味が分かんない」
非常識満ちあふれるこの世界で、駄目だコイツ何とかしないと的な憐れみの眼差しを一身に受けました。解せぬ。
「つまりだ。バトル中、エネコが体当たりした瞬間にミミロルの姿が歪んだように見えたってことだな」
『非常に分かりやすい要約をありがとうございます。タケシさんはそう見えなかったですか?』
「ヒカリのバトルにも気を取られてたからな...ちょっとそこら辺は曖昧だな」
『そうですか...』
「あれこれ考えて心配するよりも、実際に出して確かめてみた方が絶対早いって!一回出してみろよ、ユカ」
『詰まる所はサトシさんの言う通りなんでしょうけど...何故か凄く嫌な予感しかしないので...はい。正直嫌です』
「だからって、ずっとボールの中のままじゃ可哀想だろ」
『それはまぁ...そうなんですけどー...』
「ほら、早くしろって!」
『あ!ちょっ、ちょっと、まだ、心の準備が...っ!』
何でこうも、サトシさんはせっかちなんでしょうか。
肩を叩かれた勢いで、押すつもりなんてサラサラ無かったモンスターボールのボタンを押す羽目になってしまいました。
...嫌な予感というのは、よく当たるもので。
その後あった展開ですか?何処かの木でひと休みしている鳥ポケモンが驚いて飛んでいってしまう程の、私こと早瀬の絶叫がこだましたとだけ記しておきます。理由は以下をしばらくご覧下さい。
「おいユカ、ちょっと落ち着けって!」
『だが断ります!何ですか、何なんですかこの物体!?』
「だから」
『ごめんなさい、やっぱ知ってました!あれですよね!某冒険RPGの序盤で出てくる敵が確かこんな感じですよね!?つまりは討伐対象!エネさん、たいあたり!』
「マジでユカの思考回路分かんねー!」
「そんな事言ってる場合かサトシ!エネコが本気で攻撃しようとしてるんだぞ!自分でゲットしたポケモンなのに...!」
「あわわ、どうしよう...っ!...そうだわ、ポッチャマ!ちょっと力を貸してくれる?」
「ポッチャマ!」
「クールダウン出来たかしら?」
『はい(物理的に)』
「役に立てて良かったね、ポッチャマ!」
「ポッチャァ!」
取り乱してしまった私は、水でもかぶって反省する羽目になりました。
言わずもがな、ヒカリさんのパートナーポケモンによって。
その物理的に冷えた頭で、足元の現実に目を向けて見ますが。それが受け入れられるかどうかは、また別問題です。
『こ、攻撃はしてこないんですか...この、モンスターは』
「ユカがゲットしたポケモンだからな」
『こっちから危害を加えなければ大丈夫という事ですか...?そもそも、色が変というか。プレイ自体はしたことないですけど、水色だったような...』
「だーっ!もう!!」
『うびぁ!?ちょっ、サトシさっ、何処に手ぇ突っ込んで...っ、わゎっ』
「さっきも言っただろ?現実逃避してないで、まずはポケモン図鑑を向けろって」
『はは、はい...っ』
「いや、だからって急に女の子のポケットに手を突っ込むのはどうなの...?」
「しかもポケモン図鑑持たせるだけで、後ろから抱きつくような格好にする必要性はあるのか...?」
さりげなく外野へと回った二人組の突っ込みの通り、サトシさんの行動は普通に衝撃的でした。
まぁ、だからこそ。二人の突っ込みは耳に入る余裕なんて無かったし、サトシさんの言われるがままになってしまったのですけれど。
手が重なるどころか、背中からすっぽりと覆ってくる体温に動揺しながらも、ポケモン図鑑は普通にお仕事を果たしてくれました。
―メタモン。変身ポケモン...―
『これがポケモンなのは...まぁ分かりました。辛うじて』
「何が不満なんだよ」
『どう見ても、普通に新人トレーナーには荷が重すぎやしませんか』
「気合いで何とかするぜ!」
『気合いだけではどうにもならない事があるっていうシンジさんの言葉を、今こそ心に刻む時じゃないですかね』
「なんでそこでシンジの名前が出てくるんだよ!」
『いや、だから...』
「今回ばかりは、悪いことしちゃったかな。私もたきつけるような事言っちゃったし...」
「どんなオチになろうが、あの二人はああなってた気もするがな」
「うんだから素直に謝れないっていうか」
「ポチャ...」
『いやいや、めでたしじゃないんですよ。タケシさんにずっと聞きそびれてた事があったんですけど』
「いやー、一人突っ込みに切れ味が増してるなーユカ」
『そうなんですよ、タケシさん。次から次へと今までの常識がいちいちひっくり返ってくれるんで...じゃなくてっ。話を進めさせて下さいよ!この、ボールなんですけど』
「...モンスターボールだな?」
『多分ミミロルさんが入ってると思うんですけど。多分』
「えっ、そうなの!?いつの間にゲットしてたんだ!おめでと~ユカっ!」
あなた達が氷漬けされてる間にですけどね。みなまでは言いませんけど、あの時ドジやって転んで良かったです。本当に。
でなきゃ私も巻き添えくらってたでしょうから。
「同じ新人トレーナーで、ゲットしたポケモンも同じだなんて。何だかお揃いがいっぱいで嬉しい!」
『いえ、その...』
「どうかしたの?」
『ミミロルさんは、急にこう、ぐねぐねっと姿を歪ませる技が出来たりするポケモンなんですか』
「ごめん、ちょっと言ってる意味が分かんない」
非常識満ちあふれるこの世界で、駄目だコイツ何とかしないと的な憐れみの眼差しを一身に受けました。解せぬ。
*
「つまりだ。バトル中、エネコが体当たりした瞬間にミミロルの姿が歪んだように見えたってことだな」
『非常に分かりやすい要約をありがとうございます。タケシさんはそう見えなかったですか?』
「ヒカリのバトルにも気を取られてたからな...ちょっとそこら辺は曖昧だな」
『そうですか...』
「あれこれ考えて心配するよりも、実際に出して確かめてみた方が絶対早いって!一回出してみろよ、ユカ」
『詰まる所はサトシさんの言う通りなんでしょうけど...何故か凄く嫌な予感しかしないので...はい。正直嫌です』
「だからって、ずっとボールの中のままじゃ可哀想だろ」
『それはまぁ...そうなんですけどー...』
「ほら、早くしろって!」
『あ!ちょっ、ちょっと、まだ、心の準備が...っ!』
何でこうも、サトシさんはせっかちなんでしょうか。
肩を叩かれた勢いで、押すつもりなんてサラサラ無かったモンスターボールのボタンを押す羽目になってしまいました。
...嫌な予感というのは、よく当たるもので。
その後あった展開ですか?何処かの木でひと休みしている鳥ポケモンが驚いて飛んでいってしまう程の、私こと早瀬の絶叫がこだましたとだけ記しておきます。理由は以下をしばらくご覧下さい。
「おいユカ、ちょっと落ち着けって!」
『だが断ります!何ですか、何なんですかこの物体!?』
「だから」
『ごめんなさい、やっぱ知ってました!あれですよね!某冒険RPGの序盤で出てくる敵が確かこんな感じですよね!?つまりは討伐対象!エネさん、たいあたり!』
「マジでユカの思考回路分かんねー!」
「そんな事言ってる場合かサトシ!エネコが本気で攻撃しようとしてるんだぞ!自分でゲットしたポケモンなのに...!」
「あわわ、どうしよう...っ!...そうだわ、ポッチャマ!ちょっと力を貸してくれる?」
「ポッチャマ!」
*
「クールダウン出来たかしら?」
『はい(物理的に)』
「役に立てて良かったね、ポッチャマ!」
「ポッチャァ!」
取り乱してしまった私は、水でもかぶって反省する羽目になりました。
言わずもがな、ヒカリさんのパートナーポケモンによって。
その物理的に冷えた頭で、足元の現実に目を向けて見ますが。それが受け入れられるかどうかは、また別問題です。
『こ、攻撃はしてこないんですか...この、モンスターは』
「ユカがゲットしたポケモンだからな」
『こっちから危害を加えなければ大丈夫という事ですか...?そもそも、色が変というか。プレイ自体はしたことないですけど、水色だったような...』
「だーっ!もう!!」
『うびぁ!?ちょっ、サトシさっ、何処に手ぇ突っ込んで...っ、わゎっ』
「さっきも言っただろ?現実逃避してないで、まずはポケモン図鑑を向けろって」
『はは、はい...っ』
「いや、だからって急に女の子のポケットに手を突っ込むのはどうなの...?」
「しかもポケモン図鑑持たせるだけで、後ろから抱きつくような格好にする必要性はあるのか...?」
さりげなく外野へと回った二人組の突っ込みの通り、サトシさんの行動は普通に衝撃的でした。
まぁ、だからこそ。二人の突っ込みは耳に入る余裕なんて無かったし、サトシさんの言われるがままになってしまったのですけれど。
手が重なるどころか、背中からすっぽりと覆ってくる体温に動揺しながらも、ポケモン図鑑は普通にお仕事を果たしてくれました。
―メタモン。変身ポケモン...―
*
『これがポケモンなのは...まぁ分かりました。辛うじて』
「何が不満なんだよ」
『どう見ても、普通に新人トレーナーには荷が重すぎやしませんか』
「気合いで何とかするぜ!」
『気合いだけではどうにもならない事があるっていうシンジさんの言葉を、今こそ心に刻む時じゃないですかね』
「なんでそこでシンジの名前が出てくるんだよ!」
『いや、だから...』
*
「今回ばかりは、悪いことしちゃったかな。私もたきつけるような事言っちゃったし...」
「どんなオチになろうが、あの二人はああなってた気もするがな」
「うんだから素直に謝れないっていうか」
「ポチャ...」