旅は道連れ
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(紆余曲折の部分であったこと)
「私、ポケモンバトルって見るの初めて!あなたもそう?えっと、ユカだっけ?」
『はい。あの...ヒカリさん?ポケモン同士って、とりあえずバトルさせるのが普通なんですか』
「え、そこからなの?」
そこからなんです。誰のせいとは言いませんけど、サトシさんの勧めで受けたポケモン講座は全く身に付きませんでしたからね。
只今の現在地は少し移りまして。私こと早瀬由香は、研究所の裏庭にてポケモンバトルというものを見学中であります。バトルというだけあって、勿論競うのは勝ち負けであって。
その審判をかってでたタケシさんをはさんで、今現在二人のトレーナーが勝負に挑んでいます。一人はサトシさん。そしてもう一人。
『あの人は...』
「確かシンジって言ってたわよね。知り合いなの?」
『ここへ来る前に、サトシさんと少し話をしていたのを見かけた程度です、けど...』
そう。巨大ロボ相手にバトるという、とんでもない場面でヒカリさんと初対面を果たした少し前の出来事です。
もう少し詳しく言うなれば、紆余曲折といって省略した部分ですね。
ピカさん探しで先を急ぐ中、突然行く手を阻むようにして通りかかったんですよ。シンジさんが。
そして強い技だかを覚えているポケモンだけキープして、お眼鏡に叶わなかった子達はキャッチアンドリリースするのをわざわざ目の前で披露して下さいました。
サトシさんの考え方と真逆な辺り、多分彼に喧嘩を売ったんじゃないかと思うんですけど...。
「ふん...こんなものか」
『何というか...その。初対面も中々に衝撃的なお方でした』
「自分のポケモンなのに道具みたいに扱って...!ポケモンを何だと思ってるのかしら!」
そう憤慨するヒカリさんよりも。気が付けば、ポケモンの強さを品定めしているシンジさんから目が離せなくなっていました。
何故なら彼のポケモンに対する態度は、どうにも思い出したくない出来事をいちいち刺激してくるから。
使えないとか。いらないだとか。望む結果を出せなかった時の、冷たい目すらも。それら全てが自分に向けられていると、錯覚してしまいそうに...。
「ねぇ、ちょっと!あなた本当に大丈夫!?」
『...えっ。私、ですか』
「そうだよ!顔色真っ青じゃない!もしかして足がまだ痛むのっ?」
『これは...その、だいじょう、』
「いくらなんでも、大丈夫じゃないでしょ。流石に!」
「ユカ...?」
「気合いでもカバー出来ていないのによそ見とは、随分余裕だな!エレキッド!この隙に畳み掛けろ!」
「しま...っ!」
...否、既に錯覚していたみたいで。顔色に思い切り出てしまっていたようです。体も震えていました。
こんな事になるんだったら、研究所で待っていた方が良かったのかもしれません。情けない姿をさらしたせいで、どうやらサトシさんの足を引っ張ってしまったみたいですから。最悪、です。...でも、
「君。具合が悪いようだったら、私と一度研究所へ戻って休...」
『サトシさん!ポケモンバトルって、燃えるんですよね?』
「え?」
『このピンチをどう切り抜けるか、どう切り返すのか。ここからがあなたの言う、沢山のワクワクする事の一つですよね、きっと』
「ユカ...」
『サトシさんのバトル、見せてくれますか』
「...あぁ!勿論だ!行くぜ、ピカチュウ!」
「ピッカァ!」
今ここで、一足先に研究所へ戻ってしまったら。多分サトシさんは心配してしまって、全力を尽くせないだろうから。ナナ何とか博士(失敬)の声には気づかないふりをしました。
何より。彼の目から見る楽しいと思える出来事は、やっぱり隣で見ていなければ分からないと思ったから。
それにしてもおかしいですね。
さっきから審判をやってる人が、やっぱりリア充にしか...!と呟いて、細いその目からは滝のような涙が流れているように見えたのですが。肩もブルブル震えて...いえ。
何かもういちいち突っ込むのが面倒くさいので、全て幻覚ということにしてオールスルーしましょう。
今はサトシさんのワクワクすることに目を向けましょうかね。
体の震えは、いつの間にか止まっていました。
「私、ポケモンバトルって見るの初めて!あなたもそう?えっと、ユカだっけ?」
『はい。あの...ヒカリさん?ポケモン同士って、とりあえずバトルさせるのが普通なんですか』
「え、そこからなの?」
そこからなんです。誰のせいとは言いませんけど、サトシさんの勧めで受けたポケモン講座は全く身に付きませんでしたからね。
只今の現在地は少し移りまして。私こと早瀬由香は、研究所の裏庭にてポケモンバトルというものを見学中であります。バトルというだけあって、勿論競うのは勝ち負けであって。
その審判をかってでたタケシさんをはさんで、今現在二人のトレーナーが勝負に挑んでいます。一人はサトシさん。そしてもう一人。
『あの人は...』
「確かシンジって言ってたわよね。知り合いなの?」
『ここへ来る前に、サトシさんと少し話をしていたのを見かけた程度です、けど...』
そう。巨大ロボ相手にバトるという、とんでもない場面でヒカリさんと初対面を果たした少し前の出来事です。
もう少し詳しく言うなれば、紆余曲折といって省略した部分ですね。
ピカさん探しで先を急ぐ中、突然行く手を阻むようにして通りかかったんですよ。シンジさんが。
そして強い技だかを覚えているポケモンだけキープして、お眼鏡に叶わなかった子達はキャッチアンドリリースするのをわざわざ目の前で披露して下さいました。
サトシさんの考え方と真逆な辺り、多分彼に喧嘩を売ったんじゃないかと思うんですけど...。
「ふん...こんなものか」
『何というか...その。初対面も中々に衝撃的なお方でした』
「自分のポケモンなのに道具みたいに扱って...!ポケモンを何だと思ってるのかしら!」
そう憤慨するヒカリさんよりも。気が付けば、ポケモンの強さを品定めしているシンジさんから目が離せなくなっていました。
何故なら彼のポケモンに対する態度は、どうにも思い出したくない出来事をいちいち刺激してくるから。
使えないとか。いらないだとか。望む結果を出せなかった時の、冷たい目すらも。それら全てが自分に向けられていると、錯覚してしまいそうに...。
「ねぇ、ちょっと!あなた本当に大丈夫!?」
『...えっ。私、ですか』
「そうだよ!顔色真っ青じゃない!もしかして足がまだ痛むのっ?」
『これは...その、だいじょう、』
「いくらなんでも、大丈夫じゃないでしょ。流石に!」
「ユカ...?」
「気合いでもカバー出来ていないのによそ見とは、随分余裕だな!エレキッド!この隙に畳み掛けろ!」
「しま...っ!」
...否、既に錯覚していたみたいで。顔色に思い切り出てしまっていたようです。体も震えていました。
こんな事になるんだったら、研究所で待っていた方が良かったのかもしれません。情けない姿をさらしたせいで、どうやらサトシさんの足を引っ張ってしまったみたいですから。最悪、です。...でも、
「君。具合が悪いようだったら、私と一度研究所へ戻って休...」
『サトシさん!ポケモンバトルって、燃えるんですよね?』
「え?」
『このピンチをどう切り抜けるか、どう切り返すのか。ここからがあなたの言う、沢山のワクワクする事の一つですよね、きっと』
「ユカ...」
『サトシさんのバトル、見せてくれますか』
「...あぁ!勿論だ!行くぜ、ピカチュウ!」
「ピッカァ!」
今ここで、一足先に研究所へ戻ってしまったら。多分サトシさんは心配してしまって、全力を尽くせないだろうから。ナナ何とか博士(失敬)の声には気づかないふりをしました。
何より。彼の目から見る楽しいと思える出来事は、やっぱり隣で見ていなければ分からないと思ったから。
それにしてもおかしいですね。
さっきから審判をやってる人が、やっぱりリア充にしか...!と呟いて、細いその目からは滝のような涙が流れているように見えたのですが。肩もブルブル震えて...いえ。
何かもういちいち突っ込むのが面倒くさいので、全て幻覚ということにしてオールスルーしましょう。
今はサトシさんのワクワクすることに目を向けましょうかね。
体の震えは、いつの間にか止まっていました。