旅は道連れ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
(親は何でも知っている)
「ありがとう、ママ!服ぴったりだよ!」
「本当は直接渡したかったんだけど...」
この世界では、電話をする時はどうやらテレビ越しなのが常識のようです。
只今私こと早瀬の保護者(自称)は、自分の保護者と通話中であります。あれ、何かややこしい言い回しになってしまいましたね。ごめんなさい。
とりあえず謝っておけば大抵の事は許されると思ってます。反省の色?いやぁ、すみません。ないですねぇ。だってまた同じ事やりそうですし。
それはさておき。
私の保護者と主張しているお方のことなのですが。巨大ロボの爆発に巻き込まれて無事ではあったものの、流石に無傷ではなかったんですよね。これが。
服なんか所々破けてしまっていて、これは私の靴を新調するよりも先にそっちを何とかした方がいいのでは...?
そう思った矢先にここの研究所に届いたのが、サトシさんの洋服や帽子といった旅の装備品一式でした。
例え離れていても、自分の子供の事なんてお見通しなんでしょうね。それが多分オヤというものなのでしょう。
でも実は何処かで見ていたんじゃないかと、流石に疑いたくなりました。その理由は。
『あ、あの...私も、ありがとうございました。サトシさんのママさん。私の靴まで用意してもらって...』
「いいのよ。長旅だから、ユカちゃんが履いてた靴だと大変じゃないかって気がかりだったの」
「本当は俺がユカの靴選ぶつもりだったのにな...」
「あらあらサトシったら。これじゃぁ近い内に、ユカちゃんには私の事をお義母さんて呼んでもらう事になりそうねぇ~」
『誤解ですから!?何かこの人、ポケモンマスター目指してる筈なのに、私の保護者になるとか急に言い出して!』
「サトシは一人で暴走しちゃうがあるでしょう?ちょっと心配だったけど。うふふ。仲良くやれてるみたいで良かったわ!」
『あの、親子ともに私の訴えを聞いてくれてます...?』
親も親なら子も子です。間違いなく同じ遺伝を受け継いでいますね、これは。聞けよ人の話。
「まぁ冗談半分なのは置いておいて」
『残り半分が何なのかは、あえて突っ込まないでもいいですか...』
「ママもユカも、何の話してるのか分かんないんだけど」
『その疑問は残りの半分ごと捨て置きましょうか』
「何でだよ!?」
「冗談半分が本当の事になったとしても、まだ先の話だからよ。ね?ユカちゃん」
『私それに対して何と返せばいいんですか、サトシさんのママさん...』
「サトシさんのママさん、かぁ。ねぇユカちゃん。あなたの事情はよく分からないけど、そんなに他人行儀にならないでもいいのよ。何かあったり、疲れた時は帰ってきてもいいの。私はいつでもここにいるんだから。勿論サトシも」
「うん、ママ!それとユカの事なら任せてよ。俺が必ず守るからさ!」
「あらあら、うふふ」
事故であろうが何であろうが。この世界へ来てしまったからには、もう後戻りは出来ないと思っていました。
元の場所へ戻るには、とにかく進むしかないと。でも...。
『ありがとう...ございます...』
「お礼はユカちゃんが私の事を、お義母さんって呼んでもらうでどうかしら?」
『そんな本気が入り混じった目で見ないで下さいよ!?そもそも私一人に限定しなくとも、ちょっと後方から生暖かく私達を見守っているサトシさんの花嫁候補がほら。二人もいますから!』
「あはは...。えっと、どうも初めまして。ヒカリです」
「ちょっと待てユカ。あと一人の花嫁候補って、もしかして俺の事を言ってるのか...?」
『いやだって。タケシさんとサトシさんは、別れてもまた何度も巡り合う程の縁なんですから、』
「あら?タケシ君が画面から消えちゃったわね~。どうしたのかしら」
糸が切れたように床へ崩れ落ちましたからね。
流石に冗談が過ぎましたかね。サトシさん辺りにフォローをお願いしておきましょう。
...帰ってもいい場所があるのとないのでは、心の余裕が変わるものなんですね。サトシさんのママさんに言われて、初めて気が付きました。
やっぱりオヤという存在は、偉大ですね。本当に...子供にとっては、切り離せない存在...。
これ以上余計な事を考えないように、今だ楽しげに話している声を聞きながら、私はそっと目を伏せました。今にも思い出してしまいそうな過去から、抗うように。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あ、あれあれおかしいな。そんなつもりなかったのに、ちょっとシリアスになってしまいました...。
早瀬さんは、自分の親とは絶縁と言っても過言ではない状態で学園に入学しました。色々と思う所があったのかもしれません。
「ありがとう、ママ!服ぴったりだよ!」
「本当は直接渡したかったんだけど...」
この世界では、電話をする時はどうやらテレビ越しなのが常識のようです。
只今私こと早瀬の保護者(自称)は、自分の保護者と通話中であります。あれ、何かややこしい言い回しになってしまいましたね。ごめんなさい。
とりあえず謝っておけば大抵の事は許されると思ってます。反省の色?いやぁ、すみません。ないですねぇ。だってまた同じ事やりそうですし。
それはさておき。
私の保護者と主張しているお方のことなのですが。巨大ロボの爆発に巻き込まれて無事ではあったものの、流石に無傷ではなかったんですよね。これが。
服なんか所々破けてしまっていて、これは私の靴を新調するよりも先にそっちを何とかした方がいいのでは...?
そう思った矢先にここの研究所に届いたのが、サトシさんの洋服や帽子といった旅の装備品一式でした。
例え離れていても、自分の子供の事なんてお見通しなんでしょうね。それが多分オヤというものなのでしょう。
でも実は何処かで見ていたんじゃないかと、流石に疑いたくなりました。その理由は。
『あ、あの...私も、ありがとうございました。サトシさんのママさん。私の靴まで用意してもらって...』
「いいのよ。長旅だから、ユカちゃんが履いてた靴だと大変じゃないかって気がかりだったの」
「本当は俺がユカの靴選ぶつもりだったのにな...」
「あらあらサトシったら。これじゃぁ近い内に、ユカちゃんには私の事をお義母さんて呼んでもらう事になりそうねぇ~」
『誤解ですから!?何かこの人、ポケモンマスター目指してる筈なのに、私の保護者になるとか急に言い出して!』
「サトシは一人で暴走しちゃうがあるでしょう?ちょっと心配だったけど。うふふ。仲良くやれてるみたいで良かったわ!」
『あの、親子ともに私の訴えを聞いてくれてます...?』
親も親なら子も子です。間違いなく同じ遺伝を受け継いでいますね、これは。聞けよ人の話。
「まぁ冗談半分なのは置いておいて」
『残り半分が何なのかは、あえて突っ込まないでもいいですか...』
「ママもユカも、何の話してるのか分かんないんだけど」
『その疑問は残りの半分ごと捨て置きましょうか』
「何でだよ!?」
「冗談半分が本当の事になったとしても、まだ先の話だからよ。ね?ユカちゃん」
『私それに対して何と返せばいいんですか、サトシさんのママさん...』
「サトシさんのママさん、かぁ。ねぇユカちゃん。あなたの事情はよく分からないけど、そんなに他人行儀にならないでもいいのよ。何かあったり、疲れた時は帰ってきてもいいの。私はいつでもここにいるんだから。勿論サトシも」
「うん、ママ!それとユカの事なら任せてよ。俺が必ず守るからさ!」
「あらあら、うふふ」
事故であろうが何であろうが。この世界へ来てしまったからには、もう後戻りは出来ないと思っていました。
元の場所へ戻るには、とにかく進むしかないと。でも...。
『ありがとう...ございます...』
「お礼はユカちゃんが私の事を、お義母さんって呼んでもらうでどうかしら?」
『そんな本気が入り混じった目で見ないで下さいよ!?そもそも私一人に限定しなくとも、ちょっと後方から生暖かく私達を見守っているサトシさんの花嫁候補がほら。二人もいますから!』
「あはは...。えっと、どうも初めまして。ヒカリです」
「ちょっと待てユカ。あと一人の花嫁候補って、もしかして俺の事を言ってるのか...?」
『いやだって。タケシさんとサトシさんは、別れてもまた何度も巡り合う程の縁なんですから、』
「あら?タケシ君が画面から消えちゃったわね~。どうしたのかしら」
糸が切れたように床へ崩れ落ちましたからね。
流石に冗談が過ぎましたかね。サトシさん辺りにフォローをお願いしておきましょう。
...帰ってもいい場所があるのとないのでは、心の余裕が変わるものなんですね。サトシさんのママさんに言われて、初めて気が付きました。
やっぱりオヤという存在は、偉大ですね。本当に...子供にとっては、切り離せない存在...。
これ以上余計な事を考えないように、今だ楽しげに話している声を聞きながら、私はそっと目を伏せました。今にも思い出してしまいそうな過去から、抗うように。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あ、あれあれおかしいな。そんなつもりなかったのに、ちょっとシリアスになってしまいました...。
早瀬さんは、自分の親とは絶縁と言っても過言ではない状態で学園に入学しました。色々と思う所があったのかもしれません。