旅は道連れ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
(この世界で)
「おいサトシ!無茶はよせ!」
「待ってろよピカチュウ!今俺が助け出してやるからな!」
『ちょ...っ!あなたが待って下さい、サトシさん!』
紆余曲折ありましたが。ピカさんとの再会は、意外にも早く果たす事が出来ました。
最早ストーカーと称しても過言ではないであろう、悪の秘密結社。彼らがまたしても、ピカさんを捕獲しているという最悪のシチュエーション付きですが。しかも今度は、やたら目立つ規格外なメカに乗って。再三言わせて下さい。秘密結社が、です。
そして冒頭の展開に戻ります。何やってんですか、あの人...っ!特撮ヒーロー物にでも出てきそうな程に大きなメカに登るとか。落下でもした日には、果たして怪我だけですむ高さなのでしょうか。あれは。
その一方で、ラケット団だかと名乗った人達はサトシさんを振り落とそうとヤケになったせいで墓穴を掘りました。自分たちのロボに自ら大穴を開けました。それで動きが止まったのだけは、良かったのですが。
『...何かメカの状態、もしかしなくてもヤバくないですか...!』
「急げサトシ!爆発するぞ!」
「く...っ、この...っ!」
『...っ!サトシさん!』
「よせ!ユカ!爆発に巻き込まれるぞ!」
『だ、だって...っ!』
明らかに異常を来している状態の中、ピカさんの拘束は今だほどけそうにありません。
もし...もしも。今、ここで独り取り残されたら。私は...。
背筋が凍るような可能性から逃げたくて伸ばした腕は。その体ごと、多分タケシさんに押し倒されました。
それと同時に、真上から爆発音がしました。サトシさんと、ピカさんを残したまま。
その事実が恐ろしくて、しばらく震えが止まらなかったように思います。実際は短い時間だったのかもしれませんが、よく分かりません。絶望を感じる時というのは、永遠かと思える程に長いものだから。
『あ...やだ...っ!や...』
「ユカ...ユカ!」
『いやだ...!もう、』
「大丈夫だ、ユカ!サトシなら無事だったみたいだ」
『は...』
勿論ピカチュウも。というタケシさん言葉が辛うじて耳に入りました。
ゆるゆると視線を上げると、ボロボロだったけれど笑顔でピカチュウと抱き合ってるサトシさんの姿が目に入りました。...無事、だ。
『...サトシさ、』
「お、おい!?大丈夫かユカ!」
『...タケシさん。ちょっと穴を掘ってもらっていいですかね。私そこに飛び込むので』
一気に気が抜けたせいでしょうか。サトシさんの安否を間近で確認したくて歩こうとしたら、転びました。えぇ。特に突っかかるような物が、何も無い所で。恥以外の何物でもないですよ。恥ずかしくて起き上がりたくありません。
「ユカ?何でそんな所で寝っ転がってるんだよ」
「ピーカァ?」
『...サトシさん』
「うん?」
『あなた馬鹿なんですか!?』
「なっ、バカだとぉ!?」
『だってそうじゃないですか!後ろ見て下さいよ!変なメカ、木っ端微塵になってるの分かりますか!?あぁなってたかもしれないんですよ!?』
「だからってピカチュウを放ってはおけないだろ!」
『だからも何もへったくれも無いです!おまけに信じられない高さまで命綱無しで登っていくし!わ...わた、私...っ』
「お、おい...ユカ?泣いてるのか?」
下手したら、命に関わる危険な事をしでかしたのに。サトシさんは何事も無かったのように呑気に話し掛けてきたものだから。気持ちが爆発して、思わず怒鳴りつけてしまいました。
知り合って間もない人にこんなことするだなんて、普段の私では絶対に出来ない事の筈なのに。だって。今、この世界で。
『今...っ。今の、私にはっ。私が頼れるのは、サトシさんしかいないからっ。もしも、無事じゃなかったら...っ』
「ユカ...」
『こ、恐かっ...』
「悪かったよ...。そうだよな。俺、お前にこの世界で楽しいことを見せてやりたいって言ったのに。いきなり嫌な思いさせて、」
『そうですよ馬鹿!というか、サトシさんの身が危うかったのに、自分の心配をする自分に激しく自己嫌悪ですよ馬鹿ばかぁ!うわあぁん!』
「責めてるのか落ち込むのかどっちなんだよ!?ほんとユカって分かんねーなー」
私達のやり取りを見て、二人ってそういう関係!?とかリア充呪ってやるだとか耳に入ったような気がするのですが。
私のキャパの状態では、既にそんな外野に突っ込む余裕なんてありません。慎んで訂正させてもらうのは、別の機会になりそうです。
「とりあえず、いつまでもここにいる訳にもいかないし。ピカチュウの怪我の手当てもしなくちゃな。立てるか?ユカ」
『は...、い"っ!?』
「うわっ!?何で立った拍子に俺に飛び込んでくるんだよ!」
「リア充爆発しろ...サトシだけ」
「...その女の子、もしかしたら足を怪我してるんじゃない?さっきから歩き方がおかしいもの」
「え!?そうなのか、ユカ!」
『え"!?えーと...そのー...』
今だ地面に伏せている私を見かねてか、サトシさんが手を貸してくれたのはいいのですが。立ち上がる事に華麗に失敗した私は、サトシさんの胸に飛び込んでしまいました。
え、合間に恐ろしい発言が聞こえた気がする?私知りません。空耳じゃないですか?知らないと言ったら知らないのです。
そんな私を見て突っ込みを入れたのは、ピカさんを保護してくれたという女の子。
メカ相手にバトるとか、とんでもないタイミングで出会ったのでお互い自己紹介すら出来ていないのですが。そんな彼女が、口頭一番に暴露されたくない事をさらりと投下してくれました。
『いや、これはその、分類するのであれば怪我の類いでは決してないので、本当、お気になさらず、』
「ユカ。ちょっと靴脱いで」
『いやあの、だから』
「ユカ!」
『...ハイ』
「...うわ、あなた酷い靴擦れじゃない!血が...っ!」
「なぁ、ユカ」
『は、はい』
「この状態でずっと付いて来てたのか」
『え、えぇと。それは...その...』
「...」
『...サトシさ、』
「タケシ!ユカの応急処置、頼んでもいいか!」
「あ、あぁ!分かった!」
サトシさんに強く言われてしまい、もう誤魔化す事が出来なくなってしまいました。
シゲルさん(正確にはそのお姉さん)から、色々とお下がりの洋服はいただけたものの。流石にその中に靴は含まれていませんでした。出来れば靴は何処かで替えたいなぁと思っていたら、そんな呑気なことを言ってられない展開になってしまったので。学校指定のブーツでここまで断行したら、こんな結果になってしまいました。
まぁ長距離には不向きの靴なので、当たり前と言ったらそれまでなのですが。
ピカさんが居なくなってしまった中、その事を伝えるのは気が引けてしまって言えなかったのです。そう、伝えてしまったら。きっとサトシさんは責任を感じてしまうでしょう。
けれどみなまで言わずとも多分伝わってしまうと思います。そんな中で、私は一体何を言ったらいいのでしょうか。
『あ、あの...』
「よし。簡単な手当てだけど、とりあえずこれでいいだろう」
「サンキュー、タケシ。じゃぁ、」
『ふわっ!?』
「早く行こうぜ」
『あぁの、サトシさん!?そんな、わざわざおぶってもらわなくっても、手当てしてもらいましたから!歩けま...っ』
「いいから」
『サトシさん...』
ごめんなさい。その言葉は、何故かつっかえて言えませんでした。
「おいサトシ!無茶はよせ!」
「待ってろよピカチュウ!今俺が助け出してやるからな!」
『ちょ...っ!あなたが待って下さい、サトシさん!』
紆余曲折ありましたが。ピカさんとの再会は、意外にも早く果たす事が出来ました。
最早ストーカーと称しても過言ではないであろう、悪の秘密結社。彼らがまたしても、ピカさんを捕獲しているという最悪のシチュエーション付きですが。しかも今度は、やたら目立つ規格外なメカに乗って。再三言わせて下さい。秘密結社が、です。
そして冒頭の展開に戻ります。何やってんですか、あの人...っ!特撮ヒーロー物にでも出てきそうな程に大きなメカに登るとか。落下でもした日には、果たして怪我だけですむ高さなのでしょうか。あれは。
その一方で、ラケット団だかと名乗った人達はサトシさんを振り落とそうとヤケになったせいで墓穴を掘りました。自分たちのロボに自ら大穴を開けました。それで動きが止まったのだけは、良かったのですが。
『...何かメカの状態、もしかしなくてもヤバくないですか...!』
「急げサトシ!爆発するぞ!」
「く...っ、この...っ!」
『...っ!サトシさん!』
「よせ!ユカ!爆発に巻き込まれるぞ!」
『だ、だって...っ!』
明らかに異常を来している状態の中、ピカさんの拘束は今だほどけそうにありません。
もし...もしも。今、ここで独り取り残されたら。私は...。
背筋が凍るような可能性から逃げたくて伸ばした腕は。その体ごと、多分タケシさんに押し倒されました。
それと同時に、真上から爆発音がしました。サトシさんと、ピカさんを残したまま。
その事実が恐ろしくて、しばらく震えが止まらなかったように思います。実際は短い時間だったのかもしれませんが、よく分かりません。絶望を感じる時というのは、永遠かと思える程に長いものだから。
『あ...やだ...っ!や...』
「ユカ...ユカ!」
『いやだ...!もう、』
「大丈夫だ、ユカ!サトシなら無事だったみたいだ」
『は...』
勿論ピカチュウも。というタケシさん言葉が辛うじて耳に入りました。
ゆるゆると視線を上げると、ボロボロだったけれど笑顔でピカチュウと抱き合ってるサトシさんの姿が目に入りました。...無事、だ。
『...サトシさ、』
「お、おい!?大丈夫かユカ!」
『...タケシさん。ちょっと穴を掘ってもらっていいですかね。私そこに飛び込むので』
一気に気が抜けたせいでしょうか。サトシさんの安否を間近で確認したくて歩こうとしたら、転びました。えぇ。特に突っかかるような物が、何も無い所で。恥以外の何物でもないですよ。恥ずかしくて起き上がりたくありません。
「ユカ?何でそんな所で寝っ転がってるんだよ」
「ピーカァ?」
『...サトシさん』
「うん?」
『あなた馬鹿なんですか!?』
「なっ、バカだとぉ!?」
『だってそうじゃないですか!後ろ見て下さいよ!変なメカ、木っ端微塵になってるの分かりますか!?あぁなってたかもしれないんですよ!?』
「だからってピカチュウを放ってはおけないだろ!」
『だからも何もへったくれも無いです!おまけに信じられない高さまで命綱無しで登っていくし!わ...わた、私...っ』
「お、おい...ユカ?泣いてるのか?」
下手したら、命に関わる危険な事をしでかしたのに。サトシさんは何事も無かったのように呑気に話し掛けてきたものだから。気持ちが爆発して、思わず怒鳴りつけてしまいました。
知り合って間もない人にこんなことするだなんて、普段の私では絶対に出来ない事の筈なのに。だって。今、この世界で。
『今...っ。今の、私にはっ。私が頼れるのは、サトシさんしかいないからっ。もしも、無事じゃなかったら...っ』
「ユカ...」
『こ、恐かっ...』
「悪かったよ...。そうだよな。俺、お前にこの世界で楽しいことを見せてやりたいって言ったのに。いきなり嫌な思いさせて、」
『そうですよ馬鹿!というか、サトシさんの身が危うかったのに、自分の心配をする自分に激しく自己嫌悪ですよ馬鹿ばかぁ!うわあぁん!』
「責めてるのか落ち込むのかどっちなんだよ!?ほんとユカって分かんねーなー」
私達のやり取りを見て、二人ってそういう関係!?とかリア充呪ってやるだとか耳に入ったような気がするのですが。
私のキャパの状態では、既にそんな外野に突っ込む余裕なんてありません。慎んで訂正させてもらうのは、別の機会になりそうです。
「とりあえず、いつまでもここにいる訳にもいかないし。ピカチュウの怪我の手当てもしなくちゃな。立てるか?ユカ」
『は...、い"っ!?』
「うわっ!?何で立った拍子に俺に飛び込んでくるんだよ!」
「リア充爆発しろ...サトシだけ」
「...その女の子、もしかしたら足を怪我してるんじゃない?さっきから歩き方がおかしいもの」
「え!?そうなのか、ユカ!」
『え"!?えーと...そのー...』
今だ地面に伏せている私を見かねてか、サトシさんが手を貸してくれたのはいいのですが。立ち上がる事に華麗に失敗した私は、サトシさんの胸に飛び込んでしまいました。
え、合間に恐ろしい発言が聞こえた気がする?私知りません。空耳じゃないですか?知らないと言ったら知らないのです。
そんな私を見て突っ込みを入れたのは、ピカさんを保護してくれたという女の子。
メカ相手にバトるとか、とんでもないタイミングで出会ったのでお互い自己紹介すら出来ていないのですが。そんな彼女が、口頭一番に暴露されたくない事をさらりと投下してくれました。
『いや、これはその、分類するのであれば怪我の類いでは決してないので、本当、お気になさらず、』
「ユカ。ちょっと靴脱いで」
『いやあの、だから』
「ユカ!」
『...ハイ』
「...うわ、あなた酷い靴擦れじゃない!血が...っ!」
「なぁ、ユカ」
『は、はい』
「この状態でずっと付いて来てたのか」
『え、えぇと。それは...その...』
「...」
『...サトシさ、』
「タケシ!ユカの応急処置、頼んでもいいか!」
「あ、あぁ!分かった!」
サトシさんに強く言われてしまい、もう誤魔化す事が出来なくなってしまいました。
シゲルさん(正確にはそのお姉さん)から、色々とお下がりの洋服はいただけたものの。流石にその中に靴は含まれていませんでした。出来れば靴は何処かで替えたいなぁと思っていたら、そんな呑気なことを言ってられない展開になってしまったので。学校指定のブーツでここまで断行したら、こんな結果になってしまいました。
まぁ長距離には不向きの靴なので、当たり前と言ったらそれまでなのですが。
ピカさんが居なくなってしまった中、その事を伝えるのは気が引けてしまって言えなかったのです。そう、伝えてしまったら。きっとサトシさんは責任を感じてしまうでしょう。
けれどみなまで言わずとも多分伝わってしまうと思います。そんな中で、私は一体何を言ったらいいのでしょうか。
『あ、あの...』
「よし。簡単な手当てだけど、とりあえずこれでいいだろう」
「サンキュー、タケシ。じゃぁ、」
『ふわっ!?』
「早く行こうぜ」
『あぁの、サトシさん!?そんな、わざわざおぶってもらわなくっても、手当てしてもらいましたから!歩けま...っ』
「いいから」
『サトシさん...』
ごめんなさい。その言葉は、何故かつっかえて言えませんでした。