act.11
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『*@§☆※△~っ!?!?』
「うんうん。文字化けしちゃってるけど、言いたい事は分かるよー早瀬さん。だからとりあえず落ち着こうか」
『℃√£$#ーっ!』
「あのね、早瀬さん。今かなり目立っちゃってるけど。いいの?」
『そもそもそれ随分前から手遅れだから!』
「…何で変な所で冷静なのかなぁ」
突然ですが、話はさかのぼりまして。
佐倉さんが仮入学した日。私は諸事情で居なかったのですが。
後からクラスの人から聞いた話によると、彼女、日向君を見た途端に変態痴漢男と叫んだそうじゃないですか。
日向君相手に何言っちゃってんですか。
悪目立ちにも程があるマジパネぇとか思ったものです。
そんな佐倉さんに、今、伝えたい事があります。
すみませんでした。
何というか…うん。
ホントすんません。マジで。そりゃ思わず叫びますよね…。
心の中で激しく謝罪をしていた所、ことの発端を作り出した日向君が、有り得ない台詞を吐き捨てました。
「ちっ…うるせぇ」
『ベア、たった今思い出しました。
男子の風上にも置けない、この日向棗っていう人を殺ったら帰っていいらしいですよ』
「ちょっとちょっと早瀬さん!ベアが本気にしちゃったらどうするのさーっ。」
『うっさい止めるな心読み君!
ベアのストレス解消と、私の憂さ晴らしの為に!』
「どさくさに紛れて何言ってるのー!?もー、だから一度落ち着いてってば…」
「由香」
『何ですか!元凶の日向く、ぐぇっ!?』
不覚にも、女子にあるまじき声を上げてしまいました。
いやだって。いきなり首を引っ張られたら、誰でもこうなりますって!
この人、さっきから女子を何だと思ってんですか!これは流石に怒りの鉄拳くらわしてやろうじゃないですか!
ベアが!
「…隠してんじゃねーよ」
『は…っ?』
意味が分からず、彼の視線をたどると。
私の誕生石と同じ色をしたネックレスを、指先で遊ばせていました。
以前鳴海先生にからかわれてから、何となく恥ずかしくなってしまいまして。
それ以来は服の下に隠して、目立たないようにしていたんですが…。
いつの間にか、引っ張り出されてました。
それがいつだったのかを具体的にしますと。
多分、さっきぐぇっとなった時だとは思うのですが…。本当、いつの間に。
日向君…手が早すぎて、もう色んな意味で怖いです。
ふと赤色の瞳と目が合えば、それは不服そうに歪んでいました。
『え、と…?』
「…鈍感」
『はっ?』
「バーカ」
『えぇっ?』
そう言ってネックレスを軽く弾くと、背を向けて一人でさっさと行ってしまいました。
「…棗君が誰かを名前で呼ぶの、ルカ君以外で初めて聞いたー」
『えっ?』
「にしても、自分があげた物をちゃんと見えるように付けろなんて…ねぇ?」
『それってつまりどういうことなんでしょうか、心読み君…』
「どうもこうも…付き合ってるんでしょ?二人」
『………誰と誰が?』
「え?だから早瀬さんと日向君が。さっきの日向君のすね方って、束縛が強い彼氏にありがちだよねー。何か意外~」
『…はいぃぃいったぁあー!?』