act.11
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「あれー?早瀬さん?」
『え"…っ』
聞き慣れた声が聞こえて、ギクリとしました。
これだけ人が溢れかえっているんだから、逆に知っている人には遭遇しないだろうとたかをくってたのに…!
そんなささやかな願いは、たった今見事に打ち砕かれてしまったようです。
「やっぱり早瀬さんだー」
『こ、こここ心読み君…っ』
「あははー、へそ出しルックー。何でなんでー?」
『あぁぁぁぁ…』
あえて気にしないようにしていたところを真っ先に突っ込まれました…っ。
心読み君と一緒に行動していたのか、キツネ目君と日向君にもガン見されてしまい羞恥心MAXです。
思わず手に持っていたプラカードで、身を隠してしまったという心情を、察してくれる方いませんか!?
当然いませんね!うわぁ、私可哀想!
「今更それで隠しても、色々手遅れでしょ。早瀬さん」
『ごもっともです…』
「というか、そのプラカード何なにー?
えーと…。高等部体育館にて、特力系RPG"アラジンと魔法のランプ"が今、ちょー大人気!ゲームクリア出来たら、ランプの魔人がアナタのお願いを3つまで叶えちゃうぞ☆
1PLAY300円ポッキリ!
……」
『……』
「ポッキリって…アンタ」
『…はは』
呆れて突っ込む気力さえ湧きませんよね。このお粗末すぎる、宣伝プラカード。よく分かります。
台詞だけだと心読み君かどうか分からないくらいに、キャラ構成では大切な言葉使いも思わず崩壊しちゃいますよね。
ところでこのプラカード作った安藤先輩、ちょっといいですか。
何でアナタの恥を私が代わりにかかなきゃならないの。
『ひょんな事から私、特力の出し物の宣伝やってるんだ…ベアと一緒に。
超自信作らしいから、一回遊びに来てほしいぞっ。
(訳:客連れてくれば多分もう外回りしなくてもいいから、私のために来いやコラ)』
「僕的にはひょんな事の内容の方が気になるけど。
そして超似合わない、ブリっ子な台詞の心の内では何考えてるのかも気になる所だけど。
まぁいいよー、行くよ。ルカ君もそこにいるっぽいしね」
『乃木君?』
はて。宣伝に行く前は、見掛けませんでしたけどねぇ。
心読み君によれば、そこの木に止まってる小鳥たちが乃木君の噂をしていたそうで。
…。
動物の心も読めるんですかアナタ。
『じゃぁ、ついでに一緒に行、』
ぐにっ
…きましょうか。
そう続けようとしたんですが。
体に違和感があったせいで、不自然に途切れてしまいました。
何で変な効果音付きだったのかというと。
違和感があった具体的な場所が、む、胸だったからであって。
そんでもって、ちょうどそこに。私じゃない、手が。ある、気が…。
そう。
視力に異常が無ければ、日向君の、手が。
…。
………えっ?
「…着痩せするタイプか」
『!?!?ひ……っ!』
―しばらくお待ち下さい―