act.11
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♯2
『………』
「だからこの世の終わりみたいな顔すんなって、由香!
黙ってて悪かったよ!ほらっ、このとーりっ」
「良かれと思ってやったけど…逆に悪いことしちゃったかな?」
「(由香ちゃん…)」
こんな展開、以前にもあったような気もしますが。
今の私には、聞く耳持てません。
…アリス祭開会式後。
私こと早瀬由香は、特力系の出し物が行われる体育館にて…ただただ、呆然と立ち尽くしていました。
そんな私を見て、安藤先輩やら原田先輩がフォロー入れて、ほっしゃんさんが心配そうに見守る中。
アラビアンなセットの奥から、佐倉さんの声がしました。
「美咲せんぱーい!ウチも衣装に着替えてきた…で?」
『…っ!』
「えーっ!?由香ちゃんもアラビア衣装着とるーっ!」
『ぁ…あうぅ…っ。こここれは』
「何でー!?可愛いーっ!」
『はわわわわ』
佐倉さんが物凄い勢いで詰め寄ってきて、私のキャパはもう大崩落です…。
…そうなんです。
私こと早瀬由香は今、何故か特力系のアラビア衣装を着ています。
潜在系である筈なのに。そう。
潜在系の筈なのに。
…大事な事なので二度言いました。
おかしいですって。絶対おかしいですってこれ。
だって私がここに来たのって、そもそも
「ギャー!?何でベアもここにお」
「「『あ』」」
どうして佐倉さんの言葉が不自然に途切れたかって?
いやいやいや…ちょっとここは察してあげて下さい。そして出来ればいたわってあげて。
佐倉さん、かなり綺麗にぶっ飛ばされましたから。
「うぁーんっ!翼先輩ぃ~っ!」
「おー。運悪く流れ弾に当たっちまったなー、蜜柑」
「とんだ流れ弾やーっ!」
安藤先輩に抱きついて泣き出す佐倉さんの後ろでは。
佐倉さんを蹴っ飛ばした小動物。もとい、仁王立ちでふんぞり返っているベアがいました。
彼(?)も同じく、アラビア衣装を着用中であります。
…園生かなめ先輩の代わりに、ベアが特力の出し物に出る。
そもそも私が今この場にいるのって、その約束を果たす為なんです。
ベアがアラビア衣装をお召しになられ、この場に来ていただくまでには、涙ぐましい壮絶な努力の日々があったのですが…。
まぁ、その話は機会がありましたらその時にでも。
「そう泣くなって蜜柑!ベアは由香が見るからさ!」
『え。何ですかそれ、聞いてない…』
「あのな、由香…」
安藤先輩が呆れ顔で、こう言いました。
ベアを野放しにしたら、どうなるか分かってんの?…と。
…。
真理だ。
安藤先輩の言葉は、妙に説得力がありました。
園生先輩の為とはいえ、突然こんな理不尽な事に巻き込まれて。
さっきの佐倉さんのような被害者が出ないとは…確かに言い切れないです。
『…まさか私がこの衣装着せられたのって、ベアのお付き役だからという…?』
「お、察しがいいじゃん由香。ご名答~」
「何言ってんだよ翼。そもそもアンタが、由香ちゃんにこの衣装着せたら絶対可愛いとか言い出して作ったんじゃ…」
「ばっか、お前!何でバラすんだよ美咲…っ!」
安藤先輩。
思い出すのもおぞましい程に忙しかった文化祭準備の中、あなたは一体何をしていたんですか。
…まぁ。ベアのお付きなら、アラビア衣装を着ないと逆に目立ちますよね。
周りもみんなその衣装ですし。
そもそも、ベアをこの場に連れて来たのは私だし…。
…仕方ないです。ここは、腹をくくりましょうか。潔く。
『………』
「だからこの世の終わりみたいな顔すんなって、由香!
黙ってて悪かったよ!ほらっ、このとーりっ」
「良かれと思ってやったけど…逆に悪いことしちゃったかな?」
「(由香ちゃん…)」
こんな展開、以前にもあったような気もしますが。
今の私には、聞く耳持てません。
…アリス祭開会式後。
私こと早瀬由香は、特力系の出し物が行われる体育館にて…ただただ、呆然と立ち尽くしていました。
そんな私を見て、安藤先輩やら原田先輩がフォロー入れて、ほっしゃんさんが心配そうに見守る中。
アラビアンなセットの奥から、佐倉さんの声がしました。
「美咲せんぱーい!ウチも衣装に着替えてきた…で?」
『…っ!』
「えーっ!?由香ちゃんもアラビア衣装着とるーっ!」
『ぁ…あうぅ…っ。こここれは』
「何でー!?可愛いーっ!」
『はわわわわ』
佐倉さんが物凄い勢いで詰め寄ってきて、私のキャパはもう大崩落です…。
…そうなんです。
私こと早瀬由香は今、何故か特力系のアラビア衣装を着ています。
潜在系である筈なのに。そう。
潜在系の筈なのに。
…大事な事なので二度言いました。
おかしいですって。絶対おかしいですってこれ。
だって私がここに来たのって、そもそも
「ギャー!?何でベアもここにお」
「「『あ』」」
どうして佐倉さんの言葉が不自然に途切れたかって?
いやいやいや…ちょっとここは察してあげて下さい。そして出来ればいたわってあげて。
佐倉さん、かなり綺麗にぶっ飛ばされましたから。
「うぁーんっ!翼先輩ぃ~っ!」
「おー。運悪く流れ弾に当たっちまったなー、蜜柑」
「とんだ流れ弾やーっ!」
安藤先輩に抱きついて泣き出す佐倉さんの後ろでは。
佐倉さんを蹴っ飛ばした小動物。もとい、仁王立ちでふんぞり返っているベアがいました。
彼(?)も同じく、アラビア衣装を着用中であります。
…園生かなめ先輩の代わりに、ベアが特力の出し物に出る。
そもそも私が今この場にいるのって、その約束を果たす為なんです。
ベアがアラビア衣装をお召しになられ、この場に来ていただくまでには、涙ぐましい壮絶な努力の日々があったのですが…。
まぁ、その話は機会がありましたらその時にでも。
「そう泣くなって蜜柑!ベアは由香が見るからさ!」
『え。何ですかそれ、聞いてない…』
「あのな、由香…」
安藤先輩が呆れ顔で、こう言いました。
ベアを野放しにしたら、どうなるか分かってんの?…と。
…。
真理だ。
安藤先輩の言葉は、妙に説得力がありました。
園生先輩の為とはいえ、突然こんな理不尽な事に巻き込まれて。
さっきの佐倉さんのような被害者が出ないとは…確かに言い切れないです。
『…まさか私がこの衣装着せられたのって、ベアのお付き役だからという…?』
「お、察しがいいじゃん由香。ご名答~」
「何言ってんだよ翼。そもそもアンタが、由香ちゃんにこの衣装着せたら絶対可愛いとか言い出して作ったんじゃ…」
「ばっか、お前!何でバラすんだよ美咲…っ!」
安藤先輩。
思い出すのもおぞましい程に忙しかった文化祭準備の中、あなたは一体何をしていたんですか。
…まぁ。ベアのお付きなら、アラビア衣装を着ないと逆に目立ちますよね。
周りもみんなその衣装ですし。
そもそも、ベアをこの場に連れて来たのは私だし…。
…仕方ないです。ここは、腹をくくりましょうか。潔く。