act.11
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♯1
文化祭当日。
私を覚醒へと促したのは、遮光カーテンをものともしない、攻撃的な太陽の光でした。
『んん…っ。よく寝た…』
文化祭準備の怒濤とも言えるラストスパートで、最近は睡眠時間削られてたんですよね…。
久々に清々眠れた気がします。
カーテンを開ければ、太陽はすっかり空に昇っていて…。
そして思いました。
『今、何時…?』
『佐倉さん、急いでっ。開会式始まっちゃってますよ!』
「ちょっ、待ってぇな、由香ちゃん!朝ご飯食べながらだと走りにくいねん…!」
只今私こと早瀬由香は、佐倉さんと一緒に、文化祭の開会式が行われる中等部グラウンドへ猛ダッシュ中です。
何で佐倉さんと一緒なのかって…。
初等部の教室で、偶然にも出会ったからです。
ぶっちゃけ、あれです。今日は中等部グラウンドに集合って、すっかり忘れていたんです。
誰だおっちょこちょいその2って思った奴前に出ろ。
それにしても。
遅刻確定にも関わらず、朝飯を食べるなんて良い度胸です。佐倉さん。
置いて行ってやろうかとちらっと思ったんですが。
既に始まっているであろう開会式に、一人遅刻して行くような目立つマネはしたくないです。
一人より二人。旅は道連れ世は情け…。
二人一緒に遅刻すれば、少しは悪目立ちしなくなる…筈。
いかにして目立たない方法に思考を飛ばしていると、後ろからぎゃっという短い悲鳴が聞こえました。
『佐倉さん!?』
「あぁーっ!イタいぃーっ」
『だ、大丈夫、ですか?膝、ケガしちゃったんで』
「うぅぅーっ」
『佐倉さん、とりあえず落ち着いて…っ』
遅刻確定の上に、転んでしまって。
佐倉さんの不安やら焦る気持ちが爆発してしまったようです。
火が付いたみたいに泣き出してしまいました。
何とかなだめようとしても、聞く耳を持ってくれません。
どうしたら泣き止んでくれるのか、途方に暮れていた時。
不意に、男の人の声が降ってきました。
「どうしたの?…初等部の子だね。転んだの?」
文化祭当日。
私を覚醒へと促したのは、遮光カーテンをものともしない、攻撃的な太陽の光でした。
『んん…っ。よく寝た…』
文化祭準備の怒濤とも言えるラストスパートで、最近は睡眠時間削られてたんですよね…。
久々に清々眠れた気がします。
カーテンを開ければ、太陽はすっかり空に昇っていて…。
そして思いました。
『今、何時…?』
*
『佐倉さん、急いでっ。開会式始まっちゃってますよ!』
「ちょっ、待ってぇな、由香ちゃん!朝ご飯食べながらだと走りにくいねん…!」
只今私こと早瀬由香は、佐倉さんと一緒に、文化祭の開会式が行われる中等部グラウンドへ猛ダッシュ中です。
何で佐倉さんと一緒なのかって…。
初等部の教室で、偶然にも出会ったからです。
ぶっちゃけ、あれです。今日は中等部グラウンドに集合って、すっかり忘れていたんです。
誰だおっちょこちょいその2って思った奴前に出ろ。
それにしても。
遅刻確定にも関わらず、朝飯を食べるなんて良い度胸です。佐倉さん。
置いて行ってやろうかとちらっと思ったんですが。
既に始まっているであろう開会式に、一人遅刻して行くような目立つマネはしたくないです。
一人より二人。旅は道連れ世は情け…。
二人一緒に遅刻すれば、少しは悪目立ちしなくなる…筈。
いかにして目立たない方法に思考を飛ばしていると、後ろからぎゃっという短い悲鳴が聞こえました。
『佐倉さん!?』
「あぁーっ!イタいぃーっ」
『だ、大丈夫、ですか?膝、ケガしちゃったんで』
「うぅぅーっ」
『佐倉さん、とりあえず落ち着いて…っ』
遅刻確定の上に、転んでしまって。
佐倉さんの不安やら焦る気持ちが爆発してしまったようです。
火が付いたみたいに泣き出してしまいました。
何とかなだめようとしても、聞く耳を持ってくれません。
どうしたら泣き止んでくれるのか、途方に暮れていた時。
不意に、男の人の声が降ってきました。
「どうしたの?…初等部の子だね。転んだの?」