act.10
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手に柔らかい感触がして、驚いて顔を上げてみれば。
乃木君が、私の手を握っていました。そして男女問わずに胸きゅんさせるあの笑顔を浮かべて…。
「これなら、少しは暖かいでしょ」
『う…ん』
赤面、倍の更に倍になって。再来です。
…本当に、どうしてなんでしょうか。
前にも手を繋いだことはあった筈なのに。
男の子として見てるんだって言われた後のこの状況は、恥ずかしくてたまらないです。
手つなぎがまるで、何故だか恋人同士、みたいに見えてしまって…。
…。
うあぁあぁぁーっ!?
何考えてるんですか!何考えてんですか早瀬由香!?
だ、駄目だ駄目だこれ以上考えないようにしよう。
思考がショートして、わけわかめな事口走る前にシャットアウトです…っ。
「…帰ろうか。じゃないと、また誰かさんのお腹が鳴り出すからね」
『うぐ…っ』
「あはは」
…本当に恥ずかしい時って、言葉が出ないのかもしれないです。怖いときと同じで。
だって顔は上げられ無いくらいに熱くて。
心臓は相手に聞こえそうなくらいにうるさいのに。
今だかつてないくらいに恥ずかしいのに。
言いたいことは、何一つ言えなかったんです。
『(緊張して手が汗ばんでるの、気付かれそう…っ)』
冷え込んだ夜にもかかわらず。
乃木君の手がやけに熱いと気が付いたのは、もう少し後の事でした。