act.9
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場が少し落ち着いた後、安藤先輩と結局薄幸美少年様の病室に居座ってます。…何故か。
とりあえず、初対面の先輩と軽く自己紹介です。ないすちゅーみーちゅー。
ぬいぐるみの作り主は、園生かなめ先輩と言うそうです。
園生先輩は私の顔をじっと見て、ふと思い出したように言いました。
「あぁ…何処かで見たことあると思ったんだ。
アリス新聞で見たよ。君のこと」
『え"…っ!?』
「あー、誘拐事件の話な。学園じゃ結構デカいニュースになってるんだよ。
誘拐されかけたお前ら、今や時の人だぜー?」
どうしよう私永遠に退院したくない。
忘れられそうなので何度も言うんですけど、私こと早瀬は。
目立つのが、とても、大嫌いなんです…っ!
「まぁそんな事よりもさぁ」
安藤先輩は、私にとっての一大事をそんな事呼ばわりしやがりました。
許すまじです。一言物申してやる!
そう思っていたのに、次の安藤先輩の言葉で、頭が真っ白になってしまいました。
「早く由香戻ってこいよなーっ。文化祭の衣装作り、行き詰まってんだよー。何とかしてー」
『はい?衣装作り?』
「そう。衣装作り」
『何のですか?』
「だから文化祭の!何だかんだ言って、由香結局引き受けてくれたじゃんかよーっ」
どうしよう退院したくない理由がこんな短時間で二つも出来た。
あぁあぁぁ、文化祭の事なんて、頭から完璧にすっぽ抜けてました…っ!
「へぇーっ、今年は特力も文化祭やるんだ?」
「そーなんだよかなめっ。今衣装とか大道具作りで大忙し!
あ、ちなみに衣装の原案作ったのはコイツ。な、由香!」
「そうなんだ。凄いんだね。由香ちゃんは」
『あは…はは…いやー…園生先輩のぬいぐるみには遠く及ばず…はは…っ』
「だ、大丈夫?由香ちゃん。どうかした?」
「心配すんなってかなめ。どーせ由香の事だから、誘拐事件の事で、文化祭自体を記憶から抹消しちまったんだろ…」
『ぅぁ…っうぅ、ぐっ』
「あんまり苛めちゃだめだよ翼…」
安藤先輩の容赦ない追い討ちが、いちいち私の心にぐさぐさと突き刺さります。
最近私の周りの人たちはみんな、心無い事を言う鬼ばかり…。
園生先輩助けて。