act.8
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♯4
気が付いたら、規則的な機械の音が聞こえた。
ピッピピッピうるさいな…
仕方なしに目を開けて起き上がってみると、そこは病室でした。
『…夢オチ?』
バシッ!
『いたぁー!?』
「何ふざけた事言ってんのよ!目ぇ覚めた!?」
怒りの鉄槌を食らわした正体は、正田さんでした。
それにしても私、最近色んな人に頭を叩かれ過ぎやしてませんか…っ。
「倉庫から出た途端、いきなり倒れて…っ!
心臓止まるかと思ったわよ!」
「パーマが一番早瀬さんの事心配してたよ~」
「黙りなさいよ心読み!」
「由香ちゃん心配したんだよーっ」
「無事で良かったーっ」
『え、え、…えっ?』
いつの間にか私、クラスメイト達に包囲されてるんですが。
ちょっと待って下さい、どういう状況でしたっけ?
というか、つい最近もそんな事思ったような。
何これデジャヴ?
「まぁまぁ、皆落ち着いてーっ」
『鳴海先生…っ』
「お疲れ様っ、由香ちゃん。
随分大変だった…いや。それよりも、大分混乱してるみたいね」
苦笑いを浮かべた鳴海先生が、現状を説明してくれました。
倉庫から脱出したあと。
それから間もなく、私ぶっ倒れたそうです。
原因は、極度の貧血。
お忘れかもしれませんが、皆さん。
私こと早瀬由香は、栄養失調で入院していたのです。
…そういえば、あの日はまだ点滴打ってませんでした。
「スミレちゃんは驚いたみたいだけど…。むしろ逃げ出すまで、由香ちゃんの体力が持って良かったというか…」
鳴海先生、ただひたすら苦笑。
何だかすんません。
「その後も、ちょっと一悶着あったんだけど…ね」
そう言って先生がチラッと視線を外した先には…。
『え…。佐倉さん?どうして…』
「大丈夫。薬で眠ってるだけだから。
棗君を助けに戻ったらしくてね」
『!』
「とりあえずその頃には、僕らも君たちの位置が特定できて…」
『あ、あのっ、先生…っ!』
「ん?」
『日向君、は…』
鳴海先生は一瞬キョトンとした顔をして、またすぐにいつもの笑みを浮かべました。
「はいっ、由香ちゃん。これ、棗君から預かって来たよ」
『え…。これ、あの時日向君に預けた髪飾り…』
「棗君も無事だよ。しばらく絶対安静は続くけどね」
『そ…ですか』
何で鳴海先生伝いで戻って来たんでしょうか、これ。
やっぱり私のアリスが嫌で、もう顔合わせたくないのかな。
…ネガティブ降臨しそうです。
「…心配してたみたいだよ。棗君」
『はい…?』
「髪飾りを預かったら、アイツはポカやらかすに決まってるって。
だから俺の代わりに早く返しに行けって、僕に頼んだんだ」
前言撤回。
大分辛そうではあったけど、それだけ減らず口叩けるなら大丈夫でしょうコンチキショー。
「…アリスを使ったのかい?」
『……はい』
「そっか…。由香ちゃん、頑張ったんだね」
ポンポン、と。
鳴海先生は頭を優しく撫でてくれました。
先生は、知ってるから。
私のアリスも。思いも。
だからその言葉には、凄く重みがあって。
「わっ!どうしたの由香ちゃん、いきなり抱きついてきて…ん?」
『うぅ…っ。だ、だっで…っ』
「…全くもう、泣かないのー由香ちゃんっ」
だって、大勢クラスの人達が集まってる前で、泣き顔晒すとか恥ずかしすぎます。
鳴海先生は私を突き放すわけでもなく。
泣きやむまでずっと抱きとめていてくれました。
鳴海先生に隠れてしまっていたから気付かなかったけれど。
クラスのみんなも、そんな私を優しい目で見守ってくれていたそうです。
気が付いたら、規則的な機械の音が聞こえた。
ピッピピッピうるさいな…
仕方なしに目を開けて起き上がってみると、そこは病室でした。
『…夢オチ?』
バシッ!
『いたぁー!?』
「何ふざけた事言ってんのよ!目ぇ覚めた!?」
怒りの鉄槌を食らわした正体は、正田さんでした。
それにしても私、最近色んな人に頭を叩かれ過ぎやしてませんか…っ。
「倉庫から出た途端、いきなり倒れて…っ!
心臓止まるかと思ったわよ!」
「パーマが一番早瀬さんの事心配してたよ~」
「黙りなさいよ心読み!」
「由香ちゃん心配したんだよーっ」
「無事で良かったーっ」
『え、え、…えっ?』
いつの間にか私、クラスメイト達に包囲されてるんですが。
ちょっと待って下さい、どういう状況でしたっけ?
というか、つい最近もそんな事思ったような。
何これデジャヴ?
「まぁまぁ、皆落ち着いてーっ」
『鳴海先生…っ』
「お疲れ様っ、由香ちゃん。
随分大変だった…いや。それよりも、大分混乱してるみたいね」
苦笑いを浮かべた鳴海先生が、現状を説明してくれました。
倉庫から脱出したあと。
それから間もなく、私ぶっ倒れたそうです。
原因は、極度の貧血。
お忘れかもしれませんが、皆さん。
私こと早瀬由香は、栄養失調で入院していたのです。
…そういえば、あの日はまだ点滴打ってませんでした。
「スミレちゃんは驚いたみたいだけど…。むしろ逃げ出すまで、由香ちゃんの体力が持って良かったというか…」
鳴海先生、ただひたすら苦笑。
何だかすんません。
「その後も、ちょっと一悶着あったんだけど…ね」
そう言って先生がチラッと視線を外した先には…。
『え…。佐倉さん?どうして…』
「大丈夫。薬で眠ってるだけだから。
棗君を助けに戻ったらしくてね」
『!』
「とりあえずその頃には、僕らも君たちの位置が特定できて…」
『あ、あのっ、先生…っ!』
「ん?」
『日向君、は…』
鳴海先生は一瞬キョトンとした顔をして、またすぐにいつもの笑みを浮かべました。
「はいっ、由香ちゃん。これ、棗君から預かって来たよ」
『え…。これ、あの時日向君に預けた髪飾り…』
「棗君も無事だよ。しばらく絶対安静は続くけどね」
『そ…ですか』
何で鳴海先生伝いで戻って来たんでしょうか、これ。
やっぱり私のアリスが嫌で、もう顔合わせたくないのかな。
…ネガティブ降臨しそうです。
「…心配してたみたいだよ。棗君」
『はい…?』
「髪飾りを預かったら、アイツはポカやらかすに決まってるって。
だから俺の代わりに早く返しに行けって、僕に頼んだんだ」
前言撤回。
大分辛そうではあったけど、それだけ減らず口叩けるなら大丈夫でしょうコンチキショー。
「…アリスを使ったのかい?」
『……はい』
「そっか…。由香ちゃん、頑張ったんだね」
ポンポン、と。
鳴海先生は頭を優しく撫でてくれました。
先生は、知ってるから。
私のアリスも。思いも。
だからその言葉には、凄く重みがあって。
「わっ!どうしたの由香ちゃん、いきなり抱きついてきて…ん?」
『うぅ…っ。だ、だっで…っ』
「…全くもう、泣かないのー由香ちゃんっ」
だって、大勢クラスの人達が集まってる前で、泣き顔晒すとか恥ずかしすぎます。
鳴海先生は私を突き放すわけでもなく。
泣きやむまでずっと抱きとめていてくれました。
鳴海先生に隠れてしまっていたから気付かなかったけれど。
クラスのみんなも、そんな私を優しい目で見守ってくれていたそうです。