act.8
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『待って下さい、日向君』
「何だよ…時間がねぇって言って…」
『これ、持って。お守り、です』
そう言って持たせたのは、鳴海先生がくれた髪飾り。
…アリス制御アイテム。
ずっと私を守ってくれていた物。
そう。
鳴海先生は、きっと知ってたんだ。
私が自分のアリスをどれ程怖がっていたかという思いを。
だからこそ無断でメガネの制御アイテムを使っていても、黙っていてくれたんだと思う。
『………。
日向君はこんな所で、死んだりしません…絶対に』
「………」
『絶対にです。だから…』
アリスを使ってこんな事を宣言する私を、日向君はどう思ってるでしょうか。
やっぱり、気持ち悪いですかね。
そう思われようが、日向君に全部を諦めてしまうような顔させたくない。
今はその気持ちの方が、上だった。
『必ず、戻って来て下さい。約束です』
「何勝手に…」
『戻ってきたら、お守り返しに来て下さい。それ、貸すだけですから』
自分勝手だとか、どう思われたっていい。
どうか、どうか無事に戻ってきて。
「…行けっ!」
後ろ髪を引かれる思いではあったけれど。
足手まといであることは、痛いほど分かっているから。
佐倉さん達と一緒に、脱出に向けて私は走り出した。