act.8
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「…へぇ。成る程ね。
だから腕にアクセサリーを、制御アイテム付けてるってわけか」
『………』
止めて。
これ以上は、言いたくない。
私を見ないで。
怖い。
だから目立たないようにして避けてたのに。
人と関わるの。
死神って初めて呼ばれた時の。
あの時みたいな目でまた見られたら。
私…。
『も…やめ、て。止めてくださ…。ぅ…ぅっ、ひっく…』
「…げ」
「あーあ…。レオ様が女の子泣かせちゃった…」
*
「ちっ…。おい、パーマ。今なら結界ゆるいままだ。アリス利かせろ。
…この近くに何がある?」
「え…ちょっとまって」
こいつの王子は黒猫だろ何とかしろ。
偉いふざけた台詞を残して、毛利レオは奥に引っ込んでしまいましたが。
今は、どうでもいい話。
これまで細心の注意を払って、アリスを悟られないようにしてきたのに。
どうしよう…どうしよう。
こんな形で暴露する羽目になるなんて。
怖い。
怖くて、日向君達の顔が、見れない。
「おい…おい。…ちっ」
『っ!?いたっ』
「てめー人の話聞いてたのかよ」
…蹴られました。日向君に。
体力削られて、辛そうではあるけど。
私を見る目は、いつもと、変わらない調子で。
「あそこにドアが見えるだろ。俺が合図したら、あそこに」
『怖くないんですか』
「…あ?」
『私のアリス。…怖く、ないんですか』
あまりにもいつも通りだったから。
気づいたら、聞いてました。
『いたっ』
「てめぇの今の顔の方がよっぽど怖えよ」
『日向、君…』
すっかり恒例じみてしまった、でこピン一発食らわされました。
涙が、溢れた。
いつもと、何も変わらなくて。
「どんなアリス持ってようと、由香ちゃんは由香ちゃん、やろ?」
『佐倉さん…』
「今はここから逃げるのが先決よ。泣くなら後にしなさいよ。
…その時、話ならいくらでも聞いてあげるから」
『正田、さ…』
駄目です。無理です。
涙腺が決壊して、涙が止まりません。
アリスを知られてしまったら、全部終わりだと思ってたのに。
日向君たちの言葉は、優しくて。あったかくて。
なのに、どうしてですか。
「時間がねぇ。…そろそろ行くぞ」
どうして日向君は、死を覚悟した顔をしているの。