act.8
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*
『ぁ、あの…降ろして、欲しい、です…』
毛利レオがボディーガード達に土下座させている間も、お姫さま抱っこは継続中でございます。
流石に居心地が悪くなって控え目にお願いしてみました。
「ん?駄目。だって面白いんだよね」
『面白い…?』
「アンタにちょっかい出すと、黒猫が必死になるから」
「下手な事言うと、燃やすぞ…ってめぇ」
「ね?」
眉唾ものって、こういうことを言うんじゃないですかね。
どちらにせよ、悪趣味です。
「あ、そういえば」
『な…っなにっ、なに、す…!?』
突然、顎を掴まれて無理やり顔を上げさせられました。
悪趣味な人とはいえ、端正な顔が目の前にあるのは、ちょっと、あれです。
寿命が縮むんですが…っ。
「黒猫の人形にするとはいえ、お姫さまのアリスも一応聞いておかないとな」
『……っ』
「…お前のアリスは?」
「由香ちゃん…っ。言ったらあかん!耳塞いで…!」
「おい紫藤。こいつら押さえろ。また邪魔されたくないしな」
佐倉さんの声がやけに遠くて、毛利レオの声がやけに頭に響く。
くらくら、する。
止めて…やめて。
言いたくない。言いたくないの。
そう思うのに、私の口からは言葉が勝手にこぼれた。
『時、読み…』
「時読み?占いの類か?」
『寿命…終焉…』
「…?」
『死に…神。…そう。死神の、アリス。
私…。わたし、は。形あるものの、全ての終わりを。知ることが出来るの』