act.6
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*
『日向君…っ待って下さい…!ま…っ』
待ってって言ってるじゃないですかちきしょーめ!
前を走る日向君の姿は、全く追いつけないかと思えば、決して見失うような速さではなくって。
まるでもて遊ばれてるみたいで、イライラするんですがこれ!
「…何だよ」
『はぁはぁ…っ。き…っ。聞こえてるなら、っはぁ、最初からっ、止まって下さい…ぜぃ』
「これぐらいで息上がるなんて情けねー奴」
セントラルの外れまで意味もなく走らされて、息が上がらない方がおかしいです日向君!
いや、それよりも。
『っあの、任務に、行くんですかっ』
「は?」
『その…逃げるみたいに、走ったものですから…つい』
心配で、と続けようとしたら、デコピンされました。
ま、またデコピンですか…。
『あの、普通に痛いんですが…』
「普通じゃなくしてやろうか」
『すみませんでした!』
「…ったく。余計な心配すんな。別に任務じゃねーよ」
…今日は。
そう小さく呟いた声を、私は聞き逃しませんでした。
任務かどうか、私は聞いてどうするつもりだったんでしょうか。
私に出来ることなんて、無いに等しいのに。
自己嫌悪でしょんぼりしていたら、今度は頭を叩かれました。
しかも、何か堅いもので…っ。
『ななっ、何す…っ』
「ん」
『…はい?』
「やる」
そう言って差し出されたのは、長方形の箱のようなものでした。
(さっきのはこれで叩かれたに違いない)
特に深く考えずに開けてみると。
『…ネックレス?』
「…貸しはつくらねぇ」
『それって、この前部屋に泊めた事ですか?』
「………」
沈黙は肯定と受け取りました。
り、律儀な人だな…。
いやそうじゃなくて!
『ぅ、受け取れませんって!そんな、たまたま怪我してる所を見つけて、拾って』
「拾って?」
『ぅあ、いや、ちがっ!部屋に入れてっ、泊めただけなのに、いた!?』
ま、またデコピンしましたよこの人!
あれか!?
私の前髪がパッツンになった当て付けですか!気にしてるのに!
「人様に恥かかせる気か?いい度胸だ…」
『ありがたく承りました!!』
…怖い!(泣)
結局。
勢いに押されて受け取ってしまいましたけど、本当に良かったんですかね。
『…あ。このネックレスに埋め込まれた石、私の誕生石と同じ色…』
「………」
日向君、まさかわざわざこの色の石を?
…いやいや、まさかね。考え過ぎってもんですよ。
第一、私の誕生日なんて知ってるわけないじゃないですか。
「…。貸せ」
『はい?』
「付けてやる」
『へぁっ?あ、どうも…って!ちょっ、ちょちょちょ!』
「…うるせーぞお前」
だったら、向かい合わせでネックレス付けないで下さいぃぃ!!
端から見れば、抱き締められてると勘違いする位に近いんですが…っ!
というか恥ずかしい!時々首筋に当たる、日向君の手が何だか非常に…っ。
…うわ。日向君の髪って日に当たると赤くてキレイな色…っ。サラサラだし。
肌も、こんなに近くで見ても透き通るように白い。
香水か何か付けてるんですかね?いい匂いも…って。
変態か、私は!!
『ああああの!』
「…何だよジッとしてろ」
『ややや、やっぱり、その、じ、自分で、付け…っ』
「さっきからうるせーぞてめぇ!口塞がれてーのか!」
『ひあぁぁっ!ごめんなさいごめんなさい超ごめんなさぃぃぃ!!』
「…何やってるの?」
『え』