act.5
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*
『はい、お茶ですっ』
「……」
『因みに緑茶です。日本人は緑茶なんです』
「…はぁ?」
『ついでに怪我した足は、今どうなってますかね?』
「おい、堂々とセクハラすんな」
『中等部の先輩にパワハラ受けた私を見捨てた人に言われたくありません』
「………」
お前まだそんな事覚えてたのかよ。
絶対そう心の中で思ってるような、それはそれはとても嫌そうな顔をされました。
何さ。
女子の恨みは怖いんだぜ!
『良かった…。見た目が派手なだっただけで、もう血は止まってますね』
「…じゃ、部屋戻る」
『その格好でですか?』
因みにその格好とはどういった格好かというと。
Tシャツにハーフパンツといった、至ってシンプルな格好なんだけれども。
まぁ、あれです。そもそも私の服を貸した訳ですから。
当然、体格の差でピチピチな状態であります。
「…お前、俺の制服は」
『あぁ、制服ですか?泥やら何やらで汚れてたんで。日向君がシャワー浴びてる間に、共同洗濯機に突っ込んできました』
「…今すぐ取ってこい」
『回し始めたら、ちょうど使用時間外になっちゃって。取りに行けるのは朝になります』
「ちっ…。もういい、このまま帰る」
『今日管理人のタカハシさんに見つかったら大ヒンシュクものですよ』
「…は?」
『部屋に監禁しなきゃいけない罰則者が出たんで、その見張りで仕事が進まないってカリカリしてましたもん。
…まぁこんな夜中に出歩いてるの見つかって、明け方まで説教くらいたかったら止めませんけど』
ビシッ!
日向君の持つ湯呑みが、とても不吉な音を立てました。
ああ言えばこう言う。
のらりくらりとかわされて、まぁ普通苛立ちますよね。
うん。でもしょうがないです。
全部事実だし。
『今日は、泊まっていって下さい。私の部屋に』
「……は?」
『だって、その足じゃ、外から伝って帰るのも難しいでしょう?』
「……お前」
苛立ってると思っていたら、今度は心底呆れたような顔されました。
「そのネジがぶっ飛ぶぐらいに緩んだ緊張感を何とかしろ」
『はい?』
「…言ってる意味すら分かんねーか」
緊張感切れてんだな…そうか。
そう最後に付け足して、次には哀れまれた顔されたんですけど!
何なんですかこの人次から次へと!
怒りのあまりにプルプルしてしまい、一言物申そうとしたら、
「寝る」
『えっ』
そう言って私のベッドに潜り込んで、狭いやらなにやら文句を言いたい放題言って。
日向君はさっさと眠りにつかれました。
くそぅ。そもそも部屋に入れたのは私だから、文句なんて言えやしない…!
『はぁ…』
ため息を吐いても、現状が変わるわけでもなく。
虚しい気持ちが増しただけという残念な結果に、思わずまたため息を吐いてしまうのでした…。