act.5
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*
『…あれ。しまった』
いまだにぼんやりする頭で何となく進んでいた歩みが、ピタリと止まる。
ちょっと困った出来事に気付いてしまいました。
…うん。
ここ何処だ。
いつの間にか周りが森なんですが。
困った出来事に遭遇してもやっぱり働かない頭で、どうしたもんかなーって考えてたら。
ポンと誰かに肩を叩かれました。
「よっ!元気か由香?」
『ん…ぁ、安藤先輩~…』
「……由香」
『?』
目を合わせた、刹那。
ビシッ!
『ったぁー!?』
安藤先輩に会って、10秒もたってないんじゃないでしょうか。
出会い頭に何故かチョップくらいました。
ぁ、頭が。ついでに目も一気に覚めた…っ
『なっ、なにっ。なにす…!』
「…ったく。あれから姿見ねーから、元気なのかと思ったらこれかよ」
『はい…っ?』
「泣いただろ。どーせ、またひとりで」
『!』
…あ。
そういえばあの時…能力別授業の帰りに、安藤先輩は。
「俺言ったよな?どうしても泣きたくなったら…って」
『ぅ…。ご、ごめん、なさい』
いたたまれなくなって、思わずうつむいてしまいました。
そんな私を見た先輩は、ため息をひとつ吐いて、私の頭をクシャっと撫でてくれました。
『ぅわわっ』
「あんま心配かけさせんなって!」
『せ、先輩っ。ぁ、頭グチャグチャになる…っふわっ』
「へーんーじーは?」
『ゎっ、わっかりましたっ。分かりましたってば!』
ならよろしい。
そう言って手を離してくれた時には、既に。
安藤先輩によって作られた、新しい髪型が出来上がってしまいました。
(な、直るのかこれ…っ)
「もう少し進んだ先にベアの小屋があるから、そこで目冷やしてけよ」
『…そんなに酷いですか私』
「そこまで酷くないと思ってるお前の気が知れない。…んじゃ、そうと決まったら行くぞ」