act.3
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*
『………』
「おーい、いつまでそうしてるんだよー」
「何だか、かえって悪いことしちゃったかな?」
「でもめっちゃ可愛くなったやん!」
「(由香ちゃん…)」
さっきから外野がうにゃうにゃと何やら言ってますけど、今の私には関係ないです。
眼鏡を失った今、顔を隠す前髪が最後の砦だったのに…っ!
結局何が始まったかと言うと。
無惨にも切り落とされたんですよ。
最後の砦の前髪を!(しかもパッツン…パッツンって!)
前髪だけには至らず、普段後ろにひとまとめにしている髪の束は、今は結い上げられて器用にお団子の形になってしまいました。
…鳴海先生からもらった髪飾りのオプション付き。
…。
死ぬ!
今なら恥ずかしさで、死ねる!!
「ったく、しょうがない奴だなー…」
誰のせいだと…っ
この、影野郎!
…とは言えるはずもなく。
側にあったクッションに顔を埋めて、唸ってるしか無かったのです。私には。
「いつまでもクッションとちゅーしてねぇで。ほら、行くぞ」
『行くって…何処へ』
「保健室。大丈夫だと思うけど、頭ぶつけちまったし」
『…一人で行けま』
「はいはいさっさと行くぞーっ」
『んなっ』
人の話を最後まで聞かない挙げ句に、なんたる暴挙ですかこの人!
由香ちゃーんまた後でなーっ。
底なしに明るい声をBGMにして、私は安藤先輩によってズルズル引きずられて行くのでした…。