act.3
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
♯1
『し、信じられない…っ。忘れてた…!』
只今早瀬由香は、能力別クラスに向けて奔走中です。
いつものように花だんの水やりをして、暖かい陽気にうっかりウトウトしてしまったら。
忘れてたんですよ。
今日は能力別授業があったのを!
『遅刻なんてしたら、間違いなく目立ち者ですこれ…っ』
…急げ!馬車馬がごとく!
目の前に見えた曲がり角へ、電光石火のように飛び込んだとき…。
お約束というか何というか。
…やらかしました。
「!?」
『ふにぁっ!?』
交通事故に遭った時って。
自分が出していたスピードが、自分に返ってくるらしいですよ。
つまり何が言いたいかって。
自分、吹っ飛ばされました。
角を曲がったら、誰かにぶつかって。
馬車馬だか電光石火だかと例えたスピードが、モロに自分にはね返ってきました。
派手に尻餅をついた時、カラン!と乾いた音が鳴りました。
…何これ仮面?
特に深く考えずに拾うと、怒気を含んだ声が聞こえました。
「…返せ。それは私の物だ」
『へぁっ!?ぁあのっ、ご、ごめんなさ…』
い。まで言うのを忘れて、思わず息をのんでしまいました。
だって。
真っ黒な服を着た、真っ黒な髪の毛をしたその人は、一瞬女の人と見間違えちゃう位に、とても端正な顔をしていて。
『美人…』
「…私の話を聞いていたか?仮面を返しなさい」
『綺麗なのに、仮面で隠しちゃうなんてもったいな…』
「仏の顔も三度までということわざを知っているか」
『すみませんちゃんと聞いてます聞こえてます私の不注意で大変申し訳ございませんでした!』
ノンブレスでマッハで謝罪した後(よく私噛まなかったな)、
献上するように、美人さんに仮面を差し出しました。
衝撃が走る位に美人だったものだから、つい本音をだだモレしてしまった…早瀬、一生の不覚です。
「…お前」
『はっ、はいっ』
「初等部生徒だな」
『ははは、はいっ』
ヤバい…不況を買ってしまったのか?
放課後は呼び出しくらってしまうんですか!?
被害妄想を繰り広げていると、仮面付けた美人さんから出た言葉は、全く違うものでした。
「日向棗を探している。この辺りで見なかったか」
『日向君?…あ』
…何気に目をそらした先に、その人探している張本人と目が合ってしまったんですが。
何故か、私が関わりたくない人トップ10入りを果たしている、佐倉さんを捕獲している。
「…どうした」
『日向君なら、』
あなたの後方で隠れんぼしてますと言おうとしたら。
視線で殺されるんじゃないのってぐらいに恐ろしい殺気を放たれました。
誰にって、日向君に。
…え、何これ言うなってこと?言うなって事!?
怖いんですけどマジで!
『ひゅひゅ、ひゅーが君なら、ささっき!すれっすれ違ったかな!?』
「…そうか。分かった」
美人さんは、不自然な私の態度をクールにスルーして、去っていきました…。
み、ミッションクリア…?
たった数分で、マラソンランナー並みの量の汗かいたんですけど…っ。
脱力してたら、日向君が私の近くまでいつの間にか来て、
「…一応、空気は読めるみたいだな。お前」
『は、はぁ…』
危うく死ぬ所でした。視線で。
…でもそれよりも死にそうな人が。
『ぁ、あの…日向君?』
「何だよ」
『…それ…その口を塞いでる手。そろそろ離さないと、佐倉さんがどうにかなっちゃうと思います』
「…あぁ」
『(死なれても困るけど、離したら離したで面倒くさそうだな…佐倉さん)』
…この時。日向も全く同じ事を考えていたなんて、知る由もない。
『し、信じられない…っ。忘れてた…!』
只今早瀬由香は、能力別クラスに向けて奔走中です。
いつものように花だんの水やりをして、暖かい陽気にうっかりウトウトしてしまったら。
忘れてたんですよ。
今日は能力別授業があったのを!
『遅刻なんてしたら、間違いなく目立ち者ですこれ…っ』
…急げ!馬車馬がごとく!
目の前に見えた曲がり角へ、電光石火のように飛び込んだとき…。
お約束というか何というか。
…やらかしました。
「!?」
『ふにぁっ!?』
交通事故に遭った時って。
自分が出していたスピードが、自分に返ってくるらしいですよ。
つまり何が言いたいかって。
自分、吹っ飛ばされました。
角を曲がったら、誰かにぶつかって。
馬車馬だか電光石火だかと例えたスピードが、モロに自分にはね返ってきました。
派手に尻餅をついた時、カラン!と乾いた音が鳴りました。
…何これ仮面?
特に深く考えずに拾うと、怒気を含んだ声が聞こえました。
「…返せ。それは私の物だ」
『へぁっ!?ぁあのっ、ご、ごめんなさ…』
い。まで言うのを忘れて、思わず息をのんでしまいました。
だって。
真っ黒な服を着た、真っ黒な髪の毛をしたその人は、一瞬女の人と見間違えちゃう位に、とても端正な顔をしていて。
『美人…』
「…私の話を聞いていたか?仮面を返しなさい」
『綺麗なのに、仮面で隠しちゃうなんてもったいな…』
「仏の顔も三度までということわざを知っているか」
『すみませんちゃんと聞いてます聞こえてます私の不注意で大変申し訳ございませんでした!』
ノンブレスでマッハで謝罪した後(よく私噛まなかったな)、
献上するように、美人さんに仮面を差し出しました。
衝撃が走る位に美人だったものだから、つい本音をだだモレしてしまった…早瀬、一生の不覚です。
「…お前」
『はっ、はいっ』
「初等部生徒だな」
『ははは、はいっ』
ヤバい…不況を買ってしまったのか?
放課後は呼び出しくらってしまうんですか!?
被害妄想を繰り広げていると、仮面付けた美人さんから出た言葉は、全く違うものでした。
「日向棗を探している。この辺りで見なかったか」
『日向君?…あ』
…何気に目をそらした先に、その人探している張本人と目が合ってしまったんですが。
何故か、私が関わりたくない人トップ10入りを果たしている、佐倉さんを捕獲している。
「…どうした」
『日向君なら、』
あなたの後方で隠れんぼしてますと言おうとしたら。
視線で殺されるんじゃないのってぐらいに恐ろしい殺気を放たれました。
誰にって、日向君に。
…え、何これ言うなってこと?言うなって事!?
怖いんですけどマジで!
『ひゅひゅ、ひゅーが君なら、ささっき!すれっすれ違ったかな!?』
「…そうか。分かった」
美人さんは、不自然な私の態度をクールにスルーして、去っていきました…。
み、ミッションクリア…?
たった数分で、マラソンランナー並みの量の汗かいたんですけど…っ。
脱力してたら、日向君が私の近くまでいつの間にか来て、
「…一応、空気は読めるみたいだな。お前」
『は、はぁ…』
危うく死ぬ所でした。視線で。
…でもそれよりも死にそうな人が。
『ぁ、あの…日向君?』
「何だよ」
『…それ…その口を塞いでる手。そろそろ離さないと、佐倉さんがどうにかなっちゃうと思います』
「…あぁ」
『(死なれても困るけど、離したら離したで面倒くさそうだな…佐倉さん)』
…この時。日向も全く同じ事を考えていたなんて、知る由もない。