act.2
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ひとしきり笑い倒されて落ち着いた頃。
「早瀬ってさ」
『はい?』
「結構、面白い奴なんだな」
『はい…?』
それ、誉めてるのかけなしてるのかな…。
実に、微妙。
「泣き止んだね」
『!そ、その説は大変ご迷惑を…』
ってか、醜態を! しかも色々と、かなりの!
うあぁぁぁ恥!駄目だ顔熱い!おまけに変な汗が…っ!
「スッキリした?」
『ぅあ、ひゃいっ』
「…ははっ」
トドメに私噛むし!
私、噛むし!
うぅ…いっそ死にたい。
死んで生まれ変わりたい。
『そ、そんなに笑わなくても』
「あははっ。ごめん」
『絶対ごめんなんて思ってないですよそれー…』
「だって早瀬って、そんなに表情出すような感じしなかったからさ」
何だか、新鮮で。
何て笑顔で言われたら。
怒りたいのに怒れない気持ちになっちゃうじゃないですかもう。
あれですか。
乃木君のアリスって、動物だけじゃなく人にもきくんですか。
(今井さんによって彼のアリスは既にだだモレ)
(何気にあれはレア写真だと思う…)
「…あのさ」
『はいー…?』
「迷惑じゃ、ないから」
『え…?』
乃木君の顔を見てみれば。
さっきとは違った笑顔を浮かべていました。
困ったような…悲しそうな。
それはまるで、私と重なった誰かを見ているように感じました。
「辛い筈なのに、平気なフリするよりも。大丈夫って、強がるよりも。そうやって言ってくれる方が嬉しいって、俺は思うから」
『………え、と…』
「…な、何言ってんだろう。ぼ、ぉ、俺」
私以外の誰かに伝えたい言葉だったとしても、私に向けて言ったことには変わりないです。
つまりどういうことかと言いますと。
何これ超照れます。
乃木君を直視出来ません…っ。
そんな雰囲気が伝わったのか、照れが乃木君にも伝染してしまって。
非常にこそばゆい空気が生まれました。
な、何だこれ、何だコレ!?余計に恥ずかしい…っ!
『そ、そのっ、ありがと、ございます。はい!』
「…あと、さ」
『ふぁっ、はい!?』
「敬語」
『はい?』
「別に、いらないから。だって同い年だし」
『ぇ、えと、その。はいっ』
「……」
『……あ』
ねぇ、お前今の話ちゃんと聞いてました?って思ってる!これ絶対に!
ちょっと冷や汗かいたら、ひまわり色の目が綺麗に三日月の形になって、
「じゃぁ、徐々にで」
『…っ』
女の子顔負けの、とびきりの笑顔を見せてくれました。
…私は生まれてからこの十年間、人間として生きていました。
でも、実は動物だったのかもしれません。そして彼のフェロモンにやられたで、間違いない筈です。
だってそうじゃなきゃ、何で私の心臓は、今こんなにドキドキしてるんですか…!?
色々とキャパがオーバーしそうな私は、乃木君の笑顔に必死にうなづくので精一杯なのでした…。