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「踏まれても踏まれても…似てるな…」
『…誰にですか?』
…この時。本当に思ったことをそのまま口に出して聞いただけなんだけれども。
うん。深い意味はなかったんだけれども。
誰かがいると思っていなかったんでしょうね。
鳴海先生、超驚いてました。敵襲にあったばりに。
だからって、
「どぅわっ!?ビックリした…っ。由香ちゃん、いつからそこに…」
『ちょうど、通りかかって…』
美形のお顔からどぅわって…どぅわって。
ちょっと聞きたくなかったです。
『これです』
…なんてツッコミは心のだけにしておいて。
手に持っていたジョウロを持ち上げると、鳴海先生は納得した顔をしてました。
…そうだ。
『あの…鳴海先生?』
「ん~?」
『その…修理に出したメガネって、直るまでどれくらい時間かかりますかね』
「…あぁ」
メガネが壊れてから、数日。
鳴海先生が修理に出してくれたんですけど…。
それ以来、その件についてなんの音沙汰もなく今に至るのですが。
ぶっちゃけ無くて、今物凄く困ってます。
あのメガネは、アリスを制御してくれるだけが役割じゃないんです。
平穏で目立たない生活を送るためにも、必要不可欠なんです…っ!
だってメガネかけて地味に生活してりゃ、目立たないんですから!
徹底しないと、安心出来ない…!
私の焦る気持ちとは裏腹に、鳴海先生はわざとらしい笑みを浮かべました。
「ごめんね~、由香ちゃんっ。そこまでは聞くの忘れてたっ」
『…えっ?』
「ごめんね!またお店の方に聞いておくからさっ」
そう言ってニコニコしている鳴海先生は、変な違和感があります。
…何だか、物凄く嫌な予感がして。
思わず念を押してしまいました。
『…本当、ですか?』
「…うんっ、勿論だって~」
『………!』
違和感の正体が、分かった気がします。
この人…嘘をついた。
きっとあのメガネは修理にすら出されていない。
そして、もう二度と返って来ない。…返すつもりが無い。
そう、直感で思いました。
そしてそれを、笑顔で上乗せして…誤魔化された。