act.2
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ピシッ!
…そんな効果音が聞こえそうなくらいに、固まってしまいました。私。
えぇ。心身ともに。
「(早瀬さんていちいち面白いな)…ん?」
明るい雰囲気のHR中、教室の扉が静かに開きました。
扉を開いた主が入ってきた途端、空気は一変。確実に重くなりました。
彼の圧倒的な雰囲気に、みんな静かにざわめいてました。
怖がるみたいに。
…日向棗君の事を。
『(実際、怖いですけどね…。特に、お面を付けてる今の日向君は)』
というか、一身にクラス中の視線浴びてよく平気でいられるものです。
もしそんな目に遭ったら…私…。
…(想像中)
…き、気持ち悪くなってきた…。
「はーいっ。みんなが揃ったところでお話がありまーすっ」
重くなった空気を華麗にスルーした鳴海先生が、やけにハイなテンションでHRを再開しました。
(まぁ。ある程度のスルースキルないと、ここの教師なんて勤まらないよね…きっと)
(鳴海先生の隣に立ってる、幸薄そうな副担任がその結果を示してるわ)
「…さっきから何気に失礼な事考えてやしない?早瀬さん」
『それはきっと気のせいだよ。心読み君』
「えー、新入生の蜜柑ちゃんについてですが、ここでの生活を指導する係。パートナーを選びたいと思います」
こういう時。
先生と目合わせないように、私の場合はひたすら自分の机を見つめます。
目が合ったら最後!と思うのは私だけですかね?
「立候補する人、いませんねー?だってすごい面倒臭いもんねっ。
はいっ。ではこっちで勝手に決めたので発表しま~すっ」
じゃぁ選びたいと思いますとか最初に言うなよ。
…というか、何だかいやに露骨だな。
感じた疑問に首を傾げていたら、佐倉さんのパートナーが発表されたようです。
「蜜柑ちゃんのパートナーは、日向棗君ですっ!」
…あ。面白い。
みんなポカンと口開けて呆けた同じ顔してる。
次にはみんな、それぞれの最大限の驚き方でまぁ騒ぐ騒ぐ。
…収集つくんでしょうか?これ。
『み、耳が…。耳が、キーンって』
「ビックリしてないのっ?早瀬さん!」
『…驚くタイミング逃した』
「トロそうだもんね…。早瀬さんって」
いくら友達だからって失礼ですよ。心読み君。
…佐倉蜜柑さん、ねぇ。
目立つ人だなぁ…。
…。
関わらない方が吉だな。うん。
この判断は、神野先生の授業の時に正しかったんだと思い知らされる事になる。
『(私の目立たない平穏な生活の為も、絶対関わるもんか…!)』
「(あー…。早瀬さん、またしょーもない事考えてるんだろうな…)」
そう固く決意したんだけれども。
そう遠くない未来に、彼女によって災難に巻き込まれるなんて。
まだ知る由もない。