act.22
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(遠いあの日のお話)
友達というものは。今より小さかった頃の私にとっては、つくるのがとても難しかった。
打ち解けたと思えば、引っ越しの繰り返し。
お兄ちゃんは何も言わなかったけど。険しい顔をしていたのを何度も見たことがある。
転々と場所を変えて生活するのが大変だったのは、きっと私だけじゃなかった。だってお父さんも疲れた顔をしていたから。
二人とも上手く隠していたけれど、分かってしまうんだ。辛い時、人はうつ向くものだから。家族の中で、一番小さかった私は。
その顔が、見えてしまったから。
それらが悲しくて、苦しくて。昔の私は、今よりもずっと泣き虫だったけれど。でも、
「う…っ、ひっく」
『いじめっ子は河川敷の下に蹴り転がしておいたから!ね、だからもう大丈夫』
「ぅ…っ」
『こわかった?でもアイツら、覚えてろーって元気に走っていなくなったから!』
「うえぇん…っ!」
ある日突然、そんな日常は鮮烈に殴り飛ばされたり蹴り飛ばされたりして。まるで雨雲が急にはけてお日さまが見えたみたいな感覚だった。
そんな風に、知らない誰かから手を差し伸べてくれるだなんて思ってもいなくて。
嬉しかったのか、安心したのか。
泣き虫だった私は、また泣いてしまった。
『…笑ってるのが、いい』
「…?」
『何もかも笑い飛ばすくらいに明るくしてれば、自然に良いことがこっちに寄ってくる』
「………」
『…私も』
「…?」
『何もかも、悲しくて泣いてばかりだった時があって。でもそんな時にね。助けてくれたヤンキーがいて』
「やんきーって、なに…?」
『喧嘩が強い人!その人は嫌な事吹き飛ばしてくれて、笑おうって言われて。元気が貰えた。今度は私が誰かにそうしたかったの』
「………」
『えぇっと、ごめんね。突然。やっぱりゆき兄みたいに上手くいかないや…』
全く知らない、お兄ちゃんと同い年ぐらいであろうお姉ちゃんは本当に突然目の前に現れて。
知らない私の為に、一生懸命言葉を重ねてくれて。助けてくれたから。
どんな時でも笑っていられる、今の私があるの。
友達というものは。今より小さかった頃の私にとっては、つくるのがとても難しかった。
打ち解けたと思えば、引っ越しの繰り返し。
お兄ちゃんは何も言わなかったけど。険しい顔をしていたのを何度も見たことがある。
転々と場所を変えて生活するのが大変だったのは、きっと私だけじゃなかった。だってお父さんも疲れた顔をしていたから。
二人とも上手く隠していたけれど、分かってしまうんだ。辛い時、人はうつ向くものだから。家族の中で、一番小さかった私は。
その顔が、見えてしまったから。
それらが悲しくて、苦しくて。昔の私は、今よりもずっと泣き虫だったけれど。でも、
「う…っ、ひっく」
『いじめっ子は河川敷の下に蹴り転がしておいたから!ね、だからもう大丈夫』
「ぅ…っ」
『こわかった?でもアイツら、覚えてろーって元気に走っていなくなったから!』
「うえぇん…っ!」
ある日突然、そんな日常は鮮烈に殴り飛ばされたり蹴り飛ばされたりして。まるで雨雲が急にはけてお日さまが見えたみたいな感覚だった。
そんな風に、知らない誰かから手を差し伸べてくれるだなんて思ってもいなくて。
嬉しかったのか、安心したのか。
泣き虫だった私は、また泣いてしまった。
『…笑ってるのが、いい』
「…?」
『何もかも笑い飛ばすくらいに明るくしてれば、自然に良いことがこっちに寄ってくる』
「………」
『…私も』
「…?」
『何もかも、悲しくて泣いてばかりだった時があって。でもそんな時にね。助けてくれたヤンキーがいて』
「やんきーって、なに…?」
『喧嘩が強い人!その人は嫌な事吹き飛ばしてくれて、笑おうって言われて。元気が貰えた。今度は私が誰かにそうしたかったの』
「………」
『えぇっと、ごめんね。突然。やっぱりゆき兄みたいに上手くいかないや…』
全く知らない、お兄ちゃんと同い年ぐらいであろうお姉ちゃんは本当に突然目の前に現れて。
知らない私の為に、一生懸命言葉を重ねてくれて。助けてくれたから。
どんな時でも笑っていられる、今の私があるの。