act.22
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*
案内されてついていった先は、どうやら地下室のようでした。階段降りましたし。まだ日が高いのに、辺りは薄暗いので。おそらくは。広すぎて本当に合ってるのか何か不安です。
そして変な(失敬)美少女サロンが、こんな場所でやってる…訳ないですよね。流石に。
最初から嫌な予感しかしませんでしたけど。益々嫌な予感しかないです。
『というか、佐倉さんももれなくセットでここでウロついてるんですか?』
「行ってみねーと分かんねーな。もっちもち粉の効果切れてたら別行動してるかもしれねぇし」
「あの…っ。次は、こっちの方へ」
『こちらとは。こっち?』
「違う。こっち!真逆じゃねーか、由香」
『何だかんだと言われなくとも答えあげるが何とやら。実は私、鳥目なんです。安藤先輩』
「……あー……」
見えないけど分かりますよ。猛烈に呆れている空気を、そこはかとなく感じます。
でも花園会へ行った日向君を追いかけて地下へ降りるとか、誰が想像できたでしょうか。俺は悪くねぇ!
『慣れてくれば、姿の輪郭くらいならワンチャン見えるかと』
「……まぁ、あれだ。もっちもち粉の効果は切れてないわけだし。下手にはぐれるよりはいいだろ」
「ご、ごめんなさい、由香ちゃん…大変な時に、巻き込んでしまって」
『お二方の気遣いありあり感が全面に押し出されて涙が出ます。ありがとうございます』
「正直謝罪を要求したい」
『確かに謝罪案件ですけど…っ!気遣いからのまさかそんなにありのまま言いますか普通!?』
「あ、あの、落ち着いて…っ」
無駄口は叩いてますが、ちゃんと一応進んでますよ。多分。歩いてますから。
このまま何事もなく、無事目的地までナビゲーションをくれぐれも宜しくお願いしますね。先輩方。
*
「翼くーん!やだやだ久しぶりーっ!こんな所で会えるなんて、ルイ感激~っ!らびゅーんっ」
『自分でフラグ立てた感は後から思いました。思うだけでも駄目ですか生きててすみませんでした』
「立ち尽くしてないで少しは避けろよ由香~…っ!」
「え、由香ちゃん?どうしてここに…というか、何であたしの翼にくっついてるわけ…?そこ詳しく教えてくれないかしらぁぁあ…!」
「そもそもお前のじゃねぇし!っていうか由香!いつの間にルイと面識持ってんだよ…っこの!近付くんじゃねぇぇ…っ!」
『安藤先輩の影踏みアリスと、るいおねーさんの愛憎の二つせめぎあい…そう。私、もう間も無く死ぬのだわ…』
「…お前この状況楽しんでないか!?」
まさか、そんな事あるわけが。安藤先輩。
突如現れたラブ全開が隠せないるいおねーさんと、全力集中で回避したい安藤先輩に挟まれる数分前。
虫の知らせ的な何かを察知した、茨木先輩が先に行ってしまった時点でヤバい気はしていました。
こんなエンカウントがあるだなんて。詰んだ。逃げるという選択肢は不可っぽそうです。これ。ボス戦あるある的な。
実は遭遇したのはこの方達だけではなく。
「…由香。あなた一体何しにきたわけ…?」
「クールブルースカイとキューティキュアパープル夢の共演が、今この場でついに…!」
「ところでコイツはさっきから何言ってんの。空気使いの…あー。名前なんだっけ」
「翼ぁ…!お前だけはっ、絶対許さないんだからなぁ!クールブルースカイに馴れ馴れしくしやがって!あと俺の名前颯だから!しかも同クラだぞ俺達!?どうなってんだよお前の脳みそ!」
「うぅ…何か色々不憫や…っ颯先輩って人」
『…何かヤバそうだから、助けに行こうぜという流れに拐われただけ、なんですけど…。タイミング最悪な上、更にカオスになってしまいましたね。安藤先輩に代わって謝罪します。今井さん』
「俺のせいなの!?」
「翼きゅん、いい度胸じゃない?この期に及んで、まだ別の子とベタベタするなんて…ねぇ?」
『これはあの、違うんです!るいおねーさん…っ。これには理由が、』
何この混沌とした空間。
なんと花園会へ参加している筈の初等部メンバーも、この場にいらっしゃったようです。…日向君を除いて。
益々不穏な空気を感じるのですが。取り敢えず、るいおねーさんへの弁解が先です。冗談抜きで、命が危ぶまれる。
『私と安藤先輩がこんな状態なのは、中等部で流行ってるとかの粉のせいでっ。離れたくとも離れられない現状でして、』
「由香ねーちゃ、」
『ちょっと待って下さいよ?どなたかは存じませんが、安藤先輩の恋人への誤解を解くのが今最優先でして』
「お前何言ってくれちゃってんの!?」
『女の子の嫉妬は怖いんですよ!?安藤先輩は、嫉妬心強すぎて私がお亡くなりになってもいいって言うんですか!』
「その流れだと、俺の恋人だかのくだりが誤解されたままなんだが!?」
「えーっ、やだもう由香ったら。そんな、皆がいる前で翼きゅんの恋人とかぁ~っ、きゃっ!」
「…お前どうしてくれんの!?」
何がですか。ここに来る前、守ってやる宣言したのは安藤先輩なんですから。これで一人の後輩の心の平和が守られたのなら、安いものでしょうが。
「んーっ、由香ねーちゃ!」
『だから私、年上の方にお姉さん呼ばわりされるような知り合いいませんて。というか、まだ取り込み中…っ』
「ぼく、蛍ねーちゃと、ルカにーちゃとくっつくのとれたよ?由香ねーちゃは?」
『………んっ?』
何か今非常に重要な伝達事項がいくつかあったような気が。
今井さんと流架の方へ視線を巡らせると、二人は適度な距離を保ってるのが確認できました。窮屈そうに引っ付いてる感じは…ないです。
ついでに言うのであれば、あと一人くっついてた幼児がおりません。
『ま、まさか…もう、効力切れてます…?』
「あ…ほんとだ。ルイのやつが急にぐいぐい来るもんだから、つい由香の事抱き込んでたけど…もう離れられるわな、これ」
『え、え。あと、さっきから肩を引っ張ってくるこの少年って、まさか』
「あたしもそこら辺の事情はよく知らないけど、陽一でしょ?その子」
『…えっ?』
「というか、離れたくとも離れられないとか…つまり嘘だったって事かしらぁぁー?」
『ひぃ…っ!!』
そりゃあなた、安藤先輩を発見次第、猪突猛進な勢いで全力で突っ込んでくるからじゃないですか!!
…とは、やはり皆までは言えぬ!ちくしょうが!!
あと情報量多ぎてさばききれないわ!