act.22
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*
挨拶もそこそこな感じで、早々に追い払われ。佐倉さんご一行の今後が不安しかないとの安藤先輩のご希望で。
原田先輩がそれとなく様子を見に行ってくれました。お正月は、花姫殿の広間?が一般公開されているらしく。中等部生徒なら、誰でも出入り可能らしいです。えぇ。勿論、女子のみですが何か。
現在私こと早瀬は、今だ安藤先輩と離れないので外で一緒に待機中なうです。
おもむろにゲームやり出しましたよ、この先輩。何となく、安藤先輩の日常を垣間見たような気がします。
「俺さー、由香」
『何ですか?』
「この一件が片付いたら、もう絶対ゆっくりだらだら寝るって決めてるんだ」
『安藤先輩、それ立ちましたよ…!?』
「へ、何が」
「一種の死亡フラグじゃないですかそれ!」
「それって、今回の事件が無事解決したら結婚するだとか、田舎に帰るだとかってやつ?びみょーに違うし、考えすぎだろー」
『フラグを馬鹿にしたら、絶対痛い目見ますよ先輩…!?』
この時の何気ない会話が後々実現してしまうとは、本当に思いもしなかったです。
学園が段々と不穏な方向へ流れて行き、やがて大きな事件が起こるまでの最初の布石は。もう間もなく。
*
『あ。危力系の超絶美少女さん…えーと、そういえば名前聞いてませんでした。氷姫さん?』
「え…っ!?あ、あのぅ、えっと…!」
「凄いな由香ちゃん。さっきからストーキングされて、どうしたらいいか考えあぐねてたら。まさかのそのまま声かけるとか」
「諦めろ、美咲。どこで学んできたか知らんが、空気を読まなかったり破壊しにかかってくる術を身に付けてるぞ。由香は」
そういえば、危力系にそんな先輩いましたね。全ては彼の責任だと罪をなすりつけておきましょう。
そういえばKY先輩の名字って、何て言うんでしょうね。どうでもいいですけど。
原田先輩の偵察で安全確認がされた後。先輩方が微妙なお顔をされているので、何事なのかと思ったら。
後方で隠れているつもりの氷姫さんと目が合ったのは、つい先ほどの事でした。
「あなたは…えっと。クリスマスの時、蜜柑ちゃんとゴミ拾いしてた子…っ」
『あ、はい。そうです。(ほぼやらなかったけど)よく知ってますね?』
「私…ずっと、見てたから。蜜柑ちゃんの事。ゴミ拾いしてる時も、ダンスをしている時も、ずっと」
「「『………』」」
『…えっと』
つまりストーカーですねという総意になりましたが。大丈夫そ?
しかもこの人、多分クリスマスの時危力系の人達と二階にいましたよね。隅っこの方で、永遠に双眼鏡で何かを観察していた人がいたのを思い出しました。ガチやんこの人…。
『…とりあえず。佐倉さんは、あれです。花園会へ行っている最中なので、私達とは一緒に今居ないですよ』
「それは、うん。知ってるの…」
『言うまでも無かったとは。流石です』
「棗君が、危なくて…!」
『え?それってどういう…あ。女装してそれを周りにさらす羽目になったから、社会的に?』
真面目に応答したつもりが、背後の先輩方は大爆笑でした。何故。
新年早々、女装姿の公開プレイとか。今後の学園生活に多大な影響与えそうじゃないですか。もし私がその立場だったら社会的に死ぬ自信があります。
まぁ兎に角。氷姫先輩のたどたどしい説明と先輩方の通訳の結果。
『つまり花姫殿に日向君がいるっていう状況が良くないっていうことですかね…?』
「そう…っ、そうなのっ」
『でもそれって、流架君も同じなのでは?』
「確かに男子禁制だもんなー」
「でもそれは中等部校長から許可貰ってる訳だし」
「違うの…!そうじゃ、なくて…!」
『それじゃぁ、どういう…?』
「時間がないの…っ。急がなくちゃいけない…っ。お願いです。協力、してもらえませんか…っ!」
「…美咲。万が一って事もあるかもしれねーから。一応殿に伝えて貰ってもいいか?」
「翼…アンタまさか」
「ま、ササッと入ってサササーッと出てくればバレないだろーきっと!」
要は招かれざる客として、花姫殿へお邪魔して様子を見てくると。もちもち粉の効力が切れそうもないから、私も芋づる式に招かれざる客その二になると。
『そういう事ですよね…?安藤先輩』
「いざという時は、ちゃんと由香の事守るから心配するなって!」
「あんまり行かせたくはないけど…。言うからには、絶対気を付けて行ってよ。翼」
「おー」
「あの…ありがとう…っ。それじゃぁ、こっちに…!」
理解の範疇を越えてくるスケールである中等部校長相手に、バレないようお邪魔してお暇するとか。流石にそれ舐めてかかりすぎじゃありませんか…?
その上、日向君が危ないという情報だけで状況がはっきりしないせいなのでしょうか。
不安は勿論、物凄く嫌な予感がします。今までの経験上、その予感は外れたことがないので…。和やかお正月ムードは、ここまでにした方が良さそうです。何事もないことを願いますが、そうは問屋が卸さないでしょうね。きっと。