act.15
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#2
『虫殺せ大化の改新...』
「!?」
『富士山麓にオウム鳴く...』
「蛍ーっ!!由香ちゃんが壊れてしもたーっっ!」
「どうせならアンタも早瀬さんと逝って来たら?このテスト最下位が」
「!!」
「赤点馬鹿阿呆」
「ほ...っ、蛍のおたんこナスーっ!もう知らへんーっ!!」
もう嫌だ。と愚痴をこぼす暇すらありやしません。
退院してからは、私こと早瀬。とにかく勉強浸けの日々であります。猶予を与えられたとはいえ、再試験が迫ってるんですよ。
私だけ特別扱いされて羨ましがるクラスメイトをいっそどうにかしてやりたい。
こちとら満点とれたとしても6割評価なんですよ...!現実は甘くないんですってば!
「殺気立つ気持ちは分かるけど、少し落ち着いたら?早瀬さん。...テスト範囲も何だかおかしなことになってるし」
『今井さん...』
とにかく勉強で頭いっぱいにしていたら、いつの間にか今井さんが隣に座っていました。
というかアナタ、殺気立つって。
いや、合ってるけども...。
『...あれ。さっきまで佐倉さんの声もキャンキャン聞こえた気がしたんですけど。居ないですね?』
「あの子なら教室飛び出してどっか行ったわよ。お腹空いたら帰ってくるでしょ」
『正しく犬...ごほんっ!あ、いえ...っ』
「あなたのそういう性格、私は割と気に入ってるわ」
『あー...はは...』
これって誉められてるんですかね。
そうだとしても、微妙な心持ちになるのは何故でしょうか。
苦笑いしか出てきませんでした。
「ねぇ、早瀬さん」
『ははっ、はいっ?』
「好意的に思ってるからこそ、一つお節介するのだけど...。
心読み君と、何かあったの?」
『...っ!』
「いつもならこの席に座って貴方にちょっかい出してるじゃない。再試験っていう美味しいネタ、彼なら見逃さないと思うのだけど」
『それ、は...』
...結局。あれから心読み君とは距離を置かれてます。気のせいではなく、絶対に。
でも、具体的な理由も分からないまま今に至ってしまっていて。
その上、再試験を口実に逃げてしまっているのが現状です。
どれ程自己嫌悪になっても、心読み君と話す勇気はどうしても持てない。
...怖い。
問い詰めたその時は、きっと私もずっと隠してきた秘密をさらけ出さなきゃいけない確信があるから。
友達だって言ってくれた心読み君に、ずっと隠し続けて騙してきた秘密。
しかも心読み君はそれに気付いていて、敢えて言わないでいてくれてると感じる節が、今まで何回もありました。
...本当、何処まで人として最悪なんでしょうか。私。
「これは私の勘だけど...。心読み君、待っているんじゃないかしら。貴方を」
『正直、全くそんな風には...』
「だから勘って言ったでしょ。...まぁ、どうしても困った時は手を貸してあげてもいいわ。有料で」
『はい。ありがとうございま...有料!?』
「叫ぶ元気があるならまだ大丈夫かしらね?色々息抜きしながらやらないと、また倒れるわよ。程々にね」
してやったりと言った顔でニヤリと笑った今井さんは...姉御肌だと思わせる男前さがありました。
こういう所に、佐倉さんも惚れ込んだんでしょうか。
...うわ。心の中でも噂するもんじゃないです。きっと。
もうお腹が空いたのか、バタバタと廊下を走る音が近づいてきました。
しかも、私の名前を呼んでる気がするんですけど...激しく気のせいだと思い込みたい。
「由香ちゃーん!超ビッグニュースやーっ!!」
『気のせいだと...思い込みたかったのですが...』
「こうまでもうるさいと幻聴扱いも出来やしないわね」
「何二人ともブツブツ言ってるん?そんな事よりも、はよ来てな!こっち!」
『ほぁっ!?ちょっ、佐倉さんそんなに腕引っ張らないで...っ』
本当に佐倉さんって、嵐のような方です。
あっ、と思った瞬間にはさーっと目の前に現れて、そして連れ去られ...って、おい。
『待っ...!?』
「早瀬さん。この子がこうなったら、諦めるしかないわよ」
『......』
佐倉さんの幼なじみをやっているだけあって、その言葉は何よりも説得力があったのですが。
今井さんなら、その有無を言わせない説得力で、この状況何とか出来ないんですか。ちょっと面白がってませんか、こんちきしょー。
そして今井さんの...女の勘?は、侮れないようで。
慌ただしく教室を去って、姿が見えなくなるまで心読み君がずっと私の背中を見つめていたそうなんですが。
今の私では、気付ける余地すら無かったのです。
『虫殺せ大化の改新...』
「!?」
『富士山麓にオウム鳴く...』
「蛍ーっ!!由香ちゃんが壊れてしもたーっっ!」
「どうせならアンタも早瀬さんと逝って来たら?このテスト最下位が」
「!!」
「赤点馬鹿阿呆」
「ほ...っ、蛍のおたんこナスーっ!もう知らへんーっ!!」
もう嫌だ。と愚痴をこぼす暇すらありやしません。
退院してからは、私こと早瀬。とにかく勉強浸けの日々であります。猶予を与えられたとはいえ、再試験が迫ってるんですよ。
私だけ特別扱いされて羨ましがるクラスメイトをいっそどうにかしてやりたい。
こちとら満点とれたとしても6割評価なんですよ...!現実は甘くないんですってば!
「殺気立つ気持ちは分かるけど、少し落ち着いたら?早瀬さん。...テスト範囲も何だかおかしなことになってるし」
『今井さん...』
とにかく勉強で頭いっぱいにしていたら、いつの間にか今井さんが隣に座っていました。
というかアナタ、殺気立つって。
いや、合ってるけども...。
『...あれ。さっきまで佐倉さんの声もキャンキャン聞こえた気がしたんですけど。居ないですね?』
「あの子なら教室飛び出してどっか行ったわよ。お腹空いたら帰ってくるでしょ」
『正しく犬...ごほんっ!あ、いえ...っ』
「あなたのそういう性格、私は割と気に入ってるわ」
『あー...はは...』
これって誉められてるんですかね。
そうだとしても、微妙な心持ちになるのは何故でしょうか。
苦笑いしか出てきませんでした。
「ねぇ、早瀬さん」
『ははっ、はいっ?』
「好意的に思ってるからこそ、一つお節介するのだけど...。
心読み君と、何かあったの?」
『...っ!』
「いつもならこの席に座って貴方にちょっかい出してるじゃない。再試験っていう美味しいネタ、彼なら見逃さないと思うのだけど」
『それ、は...』
...結局。あれから心読み君とは距離を置かれてます。気のせいではなく、絶対に。
でも、具体的な理由も分からないまま今に至ってしまっていて。
その上、再試験を口実に逃げてしまっているのが現状です。
どれ程自己嫌悪になっても、心読み君と話す勇気はどうしても持てない。
...怖い。
問い詰めたその時は、きっと私もずっと隠してきた秘密をさらけ出さなきゃいけない確信があるから。
友達だって言ってくれた心読み君に、ずっと隠し続けて騙してきた秘密。
しかも心読み君はそれに気付いていて、敢えて言わないでいてくれてると感じる節が、今まで何回もありました。
...本当、何処まで人として最悪なんでしょうか。私。
「これは私の勘だけど...。心読み君、待っているんじゃないかしら。貴方を」
『正直、全くそんな風には...』
「だから勘って言ったでしょ。...まぁ、どうしても困った時は手を貸してあげてもいいわ。有料で」
『はい。ありがとうございま...有料!?』
「叫ぶ元気があるならまだ大丈夫かしらね?色々息抜きしながらやらないと、また倒れるわよ。程々にね」
してやったりと言った顔でニヤリと笑った今井さんは...姉御肌だと思わせる男前さがありました。
こういう所に、佐倉さんも惚れ込んだんでしょうか。
...うわ。心の中でも噂するもんじゃないです。きっと。
もうお腹が空いたのか、バタバタと廊下を走る音が近づいてきました。
しかも、私の名前を呼んでる気がするんですけど...激しく気のせいだと思い込みたい。
「由香ちゃーん!超ビッグニュースやーっ!!」
『気のせいだと...思い込みたかったのですが...』
「こうまでもうるさいと幻聴扱いも出来やしないわね」
「何二人ともブツブツ言ってるん?そんな事よりも、はよ来てな!こっち!」
『ほぁっ!?ちょっ、佐倉さんそんなに腕引っ張らないで...っ』
本当に佐倉さんって、嵐のような方です。
あっ、と思った瞬間にはさーっと目の前に現れて、そして連れ去られ...って、おい。
『待っ...!?』
「早瀬さん。この子がこうなったら、諦めるしかないわよ」
『......』
佐倉さんの幼なじみをやっているだけあって、その言葉は何よりも説得力があったのですが。
今井さんなら、その有無を言わせない説得力で、この状況何とか出来ないんですか。ちょっと面白がってませんか、こんちきしょー。
そして今井さんの...女の勘?は、侮れないようで。
慌ただしく教室を去って、姿が見えなくなるまで心読み君がずっと私の背中を見つめていたそうなんですが。
今の私では、気付ける余地すら無かったのです。