act.15
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#1
「ちょっとごめんねー、早瀬さん」
『ふぇ...?にゃに?きょ、きょころ読み君』
地獄は何処まで行っても地獄でした。
ようやっと今年も、アリス祭の終わりを迎えられたのですが。あれだけ盛大に行われた日には、後片付けという大仕事も残っておりまして。
それも何とかこなしてやっと自由だー!と、両手を上げて喜ぼうとしたその矢先の出来事は...。
「み、皆さーん。課題が完成した班は先生の所まで伝えに来て下さいねー。あっ、そ、そこっ。火元でふざけないでっ、危ないです~っ」
「うっせーよ」
「バーカバーカ」
前期試験。そう笑顔で宣告した初等部担任は、もう私達の嘆きを喜びとするただの悪魔にしか見えませんでした。
早いもので、今日は試験二日目(ぶっちゃけ目まぐるしすぎて、アリス祭大片付け辺りから、記憶ないです。はい)
家庭科の調理実習真っ最中です。
相も変わらず、我が初等部の副担任は幸薄そうだなぁと横目で見ていたら。
同じ班の心読みくんが、ぬっと顔を出してきまして。
次の瞬間には、おもむろに私のでこにペタリと手をくっ付けて来ました。何故。
因みにほっしゃんさんも同じ班でございます。
慣れない手付きで野菜を切る姿が大変可愛かったなんて。心の中でしか言えませ...。
『あたっ』
「何でこんな状態になっても気がつかないかなぁ...あ、そっか。アホの子だっけね。早瀬さんは」
『にゃ、にゃぜにでこを叩くのれすか...っ。こ、こ...きょころ読み君』
「(由香ちゃん...呂律回ってないよ)」
『ほっしゃんしゃん何ゆって...言ってりゅのさ。そんなことないのらー』
「(...由香ちゃん...)」
「ごめんね、ほっしゃん。早瀬さんがこんな状態だからちょっと抜けるよー。あと任せちゃうけど...」
「(大丈夫だよ。早く連れてってあげてね)」
「ありがとねー」
あのほっしゃんさんに...。あのほっしゃんさんに何だか呆れられた顔されました。
重要かつ極めてショックな出来事です。
しかも何だか私、会話から置いてきぼりくらってません?思うことはそれなりにある筈なのに、何故か上手く頭が回らなくて口出しできません。
あれか。ついにショートしたか。私の思考回路。ボーッとする上に体もダルいですし...。
『おわっ?ら、にゃに...きょころ読み君、いきなし引っ張りゃらいで...っ』
「せんせー、早瀬さんが高熱でラリッちゃってるんでちょっと保健室連れてきま...」
「...俺が連れてく」
心読み君...。
ラリるの使い方に語弊ありだわそれ。
というか、熱?熱あったんですか私?
軽く混乱してる今の私の状態なんか、つゆ知らずだなんて。心読み君にとっては通常運転です。
このままぶいぶいと保健室へ連行されそうな所、誰かに呼び止められました。誰でしょうか...。
何だか頭を上げるのすらダルくなってきました。どんだけ面倒くさがりなのですか、私。
「...別に大丈夫だよー」
「お前の班、まだ課題出来てないだろ。俺の班は後は味見採点だけだし」
「...」
「それに、もしコイツが途中で倒れても、俺の遠隔操作のアリスで何とか出来るだろうし。...なぁ、先生!」
「はっ、はいっ!じゃぁ、そうですね...お願いしていいですか?持ち上げ君...」
和気あいあいとしてした雰囲気は一辺。うって変わってざわめく声が耳に入ります。
物凄く今更ですけど...。この状況、注目の的になってやしませんか。
でも...。でも。今は、それよりも。
「...大丈夫か。早瀬。行くぞ」
『ぅ...っ、あ』
「歩けそうもないな。...悪い。ちょっと我慢しろ」
耳元で謝った声は、持ち上げ君だったんでしょうか。
次の瞬間には、周りの声が黄色い悲鳴のようなものに変わったせいでよく分からなかったです。
その声から隠されるようにして、誰かに抱きかかえられた気がしたんですが
。もう何もかもよく分かりません。
寄ってたかって私を病人扱いするものだから、そんな気がして来ちゃったじゃないですか。
ダルかった体はそれを通り越して、最早言う事を聞きません。動かない上に、声を出す事すらままなりやしませんでした。
そして正直今は、目立っていようがなんだろうがどうでもいいです。
誰か、誰か私に一つだけ教えて下さい。
さっきまで私の隣にいた、心読み君は?
何も見えないんです。彼が近くにいてくれてるのか。そうでないのかすら。
何故なんでしょう。その事実が私にとって、泣きたくなる程に恐かったんです。...壊れてしまう。そう、感じました。
「ちょっとごめんねー、早瀬さん」
『ふぇ...?にゃに?きょ、きょころ読み君』
地獄は何処まで行っても地獄でした。
ようやっと今年も、アリス祭の終わりを迎えられたのですが。あれだけ盛大に行われた日には、後片付けという大仕事も残っておりまして。
それも何とかこなしてやっと自由だー!と、両手を上げて喜ぼうとしたその矢先の出来事は...。
「み、皆さーん。課題が完成した班は先生の所まで伝えに来て下さいねー。あっ、そ、そこっ。火元でふざけないでっ、危ないです~っ」
「うっせーよ」
「バーカバーカ」
前期試験。そう笑顔で宣告した初等部担任は、もう私達の嘆きを喜びとするただの悪魔にしか見えませんでした。
早いもので、今日は試験二日目(ぶっちゃけ目まぐるしすぎて、アリス祭大片付け辺りから、記憶ないです。はい)
家庭科の調理実習真っ最中です。
相も変わらず、我が初等部の副担任は幸薄そうだなぁと横目で見ていたら。
同じ班の心読みくんが、ぬっと顔を出してきまして。
次の瞬間には、おもむろに私のでこにペタリと手をくっ付けて来ました。何故。
因みにほっしゃんさんも同じ班でございます。
慣れない手付きで野菜を切る姿が大変可愛かったなんて。心の中でしか言えませ...。
『あたっ』
「何でこんな状態になっても気がつかないかなぁ...あ、そっか。アホの子だっけね。早瀬さんは」
『にゃ、にゃぜにでこを叩くのれすか...っ。こ、こ...きょころ読み君』
「(由香ちゃん...呂律回ってないよ)」
『ほっしゃんしゃん何ゆって...言ってりゅのさ。そんなことないのらー』
「(...由香ちゃん...)」
「ごめんね、ほっしゃん。早瀬さんがこんな状態だからちょっと抜けるよー。あと任せちゃうけど...」
「(大丈夫だよ。早く連れてってあげてね)」
「ありがとねー」
あのほっしゃんさんに...。あのほっしゃんさんに何だか呆れられた顔されました。
重要かつ極めてショックな出来事です。
しかも何だか私、会話から置いてきぼりくらってません?思うことはそれなりにある筈なのに、何故か上手く頭が回らなくて口出しできません。
あれか。ついにショートしたか。私の思考回路。ボーッとする上に体もダルいですし...。
『おわっ?ら、にゃに...きょころ読み君、いきなし引っ張りゃらいで...っ』
「せんせー、早瀬さんが高熱でラリッちゃってるんでちょっと保健室連れてきま...」
「...俺が連れてく」
心読み君...。
ラリるの使い方に語弊ありだわそれ。
というか、熱?熱あったんですか私?
軽く混乱してる今の私の状態なんか、つゆ知らずだなんて。心読み君にとっては通常運転です。
このままぶいぶいと保健室へ連行されそうな所、誰かに呼び止められました。誰でしょうか...。
何だか頭を上げるのすらダルくなってきました。どんだけ面倒くさがりなのですか、私。
「...別に大丈夫だよー」
「お前の班、まだ課題出来てないだろ。俺の班は後は味見採点だけだし」
「...」
「それに、もしコイツが途中で倒れても、俺の遠隔操作のアリスで何とか出来るだろうし。...なぁ、先生!」
「はっ、はいっ!じゃぁ、そうですね...お願いしていいですか?持ち上げ君...」
和気あいあいとしてした雰囲気は一辺。うって変わってざわめく声が耳に入ります。
物凄く今更ですけど...。この状況、注目の的になってやしませんか。
でも...。でも。今は、それよりも。
「...大丈夫か。早瀬。行くぞ」
『ぅ...っ、あ』
「歩けそうもないな。...悪い。ちょっと我慢しろ」
耳元で謝った声は、持ち上げ君だったんでしょうか。
次の瞬間には、周りの声が黄色い悲鳴のようなものに変わったせいでよく分からなかったです。
その声から隠されるようにして、誰かに抱きかかえられた気がしたんですが
。もう何もかもよく分かりません。
寄ってたかって私を病人扱いするものだから、そんな気がして来ちゃったじゃないですか。
ダルかった体はそれを通り越して、最早言う事を聞きません。動かない上に、声を出す事すらままなりやしませんでした。
そして正直今は、目立っていようがなんだろうがどうでもいいです。
誰か、誰か私に一つだけ教えて下さい。
さっきまで私の隣にいた、心読み君は?
何も見えないんです。彼が近くにいてくれてるのか。そうでないのかすら。
何故なんでしょう。その事実が私にとって、泣きたくなる程に恐かったんです。...壊れてしまう。そう、感じました。