act.12
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
*
「ここって…主に委員長の幻覚とかで、人を怖がらしてんのよな…?」
「…飛田ってああみえて、結構奥行きある奴かも…」
「どんな奥行きだ」
只今私こと早瀬由香は、仲良し三人組の中でたちまち広まる疑惑を少し遠巻きに眺めています。
同じ事を考えているせいですかね。
後ろから見る三人組は、普通に仲良しさんに見えます。
…というか。
『よりによって、潜在系のお化け屋敷ですか…』
「そういえば…早瀬ってここの衣装作りもやったんだよね?」
「え…そーなんか?由香ちゃん」
『そうですよ?』
「「「………」」」
乃木君の素朴な疑問に答えると、トリオに再び微妙な空気が生まれました。
大方、侮れない(?)奴疑惑その2とでも考えているのでしょう。
ところで皆さん。
私こと早瀬の能力は、何系統が覚えておいででしょうか。
はい。
潜在系なんですよ。私。
このお化け屋敷、一番デカい仕事でした。内装も嫌という程知り尽くしています。
その他のいくつかのアトラクションやお店も同様です。
『なのに潜在系って…』
思わず同じ台詞を二度も言ってしまいました。
だって何が悲しくて、知り尽くしたアトラクションで遊ばなきゃならんのですか。
あぁ奴隷だからでしたっけねー。
はいはいすみませんでしたー。文句言いませんー。
若干やさぐれていると、疑惑のあの人…飛田君がやって来ました。
「あ!いいんちょーやっ」
「蜜柑ちゃんっ。早瀬さんも!わざわざ来てくれたんだーっ」
『…あはは』
飛田君が感謝してくれる中、大変申し訳無いのですが。
これ、陣中見舞いじゃないです。
強制的に連行されただけなんですよ。
曖昧な笑みで適当に流しましたが、本人は特に気に留めていないようです。
「入って入って!優先的に入れるように、エントランスに言って…え?早瀬、さん?」
『…あ。ぃ、いえ、そ、そのっ。これは…』
「んー?何や委員長、顔色悪そうやけど…」
佐倉さんの言う通り、飛田君の表情はお疲れのご様子。
にも関わらず、テンションは高くて何だかちぐはぐです。
ちょっと大丈夫かこの人?と思ったら。
気が付けば私は、飛田君の袖を引っ張っていました。
…とっさの行動に、自分が一番驚きです。