A tesoro mio
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脳裏に思い描くはスリップドレスの薄絹のみを纏ったルイ。服は既に剥ぎ取られその辺に散乱している。他でもない己の手によって。
後ろから抱き竦めて何度も何度もキスを繰り返す。薄ら涙を浮かべ眦を紅潮させる彼女の柔らかな二つの膨らみをゆっくり堪能しながら。
「仕事中よその男と馬鹿な真似しなかっただろうね?」
「してないよ。する訳無い」
「どうかな。君は平気で六道なんかとホテルに行って酔い潰れる女だし」
「だからあれはー…」
嫉妬丸出しの情けない言葉でネチネチいたぶりながら、小さく勃ち上がって来た乳首を薄い絹越しに虐めるのだ。指の腹を使って、わざと緩慢な力で。堪らず零れる啜り泣き混じりの吐息に、下半身がまた熱く質量を持つ。それをルイの尻に擦り付けて。
「声出して良いよ」
囁けどルイは恥ずかしがってイヤイヤと首を振る。真っ赤に染まる耳。裏腹に、もっとして、ちゃんと触ってとせがむが如く硬くなる突起。無視してずっと僅かな刺激を与え続けていると、ハーッハーッ…か細い息が微かに引き攣れ掠れて来た。零れ落ちそうに涙を溜めた瞳が振り返り見上げて来る。そろそろ可哀想か。スリップを肩から引き降ろすと露わになった白い白い胸。その頂きで存在を主張する可愛らしい桜色の先端を直接きゅ、と摘んでやれば「あッ…!」小さく悲鳴が上がり全身がビクリと震える。
クチッグチュ、グチュッ。猛る性器を扱く手が強くなって行く。「ハッ…」己の息遣いも粘着質な音も心底不快でしかないのに漏れてしまうものは仕方がない。全力で聴覚を閉ざし妄想の世界に没頭する。
限界まで敏感にしてやった両の乳首を親指と中指で摘んで優しく転がし、殺せども殺し切れぬ喘ぎを楽しむ。
「〜ふぅ…ーッんっ、ー…っ」
あの潔癖な女が洩らしてるとは思えぬ濡れた声。もぞもぞ擦り付け始めた太腿の内側を撫で摩り「もう我慢出来ないの?スケベ」意地悪く言えば恥辱を滲ませた瞳で「あなたの、せいなのに、」いつか聴いたような台詞が力無く返って来て、それが余計に雲雀を煽る。
もう此方も我慢の限界。
後ろから抱いたままだったルイを、ようやく柔らかな褥へ横たえ覆い被さる。下着を抜き取りながら丸い膨らみにむしゃぶりついて乳首を愛撫してやると、もう声にもならぬ甘やかな戦慄きが上がる。ねとりと優しく舌先で吸って転がして、甘噛みして。もう片方の乳首は指でクリクリと捏ねくり回す。
「あー…や、やぁ…ンッぅ、〜〜〜っ、」
逃げたいのかもっとと言いたいのか雲雀の頭をぎゅうぎゅう抱え込み胸に押し付けるルイが瞼を固く瞑った時、溜まっていた涙が赤く染まった眦からついに零れ落ちた。
絶え間なく快楽を与えながら空いている方の手で秘められた場所に触れると、つぷりと温かな愛液に呑み込まれる指。信じられないくらいに感じている。ルイのそこはもう雲雀を求めてヒクヒクと脈打ち熟れ切っていた。花弁を膨張させ男を誘う秘蜜を滴らせて。それをしっかり指に絡ませ、隠された小さな突起を円を描くように刺激してやると、ビクッ!大きく波打つ下半身。
「やっひばりさ、だめ、だめ、ァッ…」
「駄目って反応じゃないな」
耳元での囁きに、また涙が伝ってシーツを濡らす。男の指にやんわり蹂躙され次第に肥大して行くそこを、僅かな力を込めて尚も可愛がってやる。絶頂が近いようだ。背に絡む腕が縋るように強くしがみ付き白い喉が仰け反り掛けた所で無情にも手を止めて、ポロポロ泣く真っ赤な顔のルイを見降ろし辛辣に投げ掛けた。醜い本音を。
「これだから君は信用出来ない。男嫌いなんて言いながら体はえらく素直だ。本当はあの日六道の前でよがり狂ってたんじゃないの?もしかしたら仕事相手の男とも」
涙でぐちゃぐちゃなルイの顔がはっきりと歪む。怒りを宿した赤い瞳がギッと雲雀を睨み付けて。
「そんな訳ないじゃない!仕事相手なんて揃いも揃って変人の爺さんばかり!骸の事だって今はもう動いて喋るパイナップルの房にしか見えないのに!」
「酷い事言うね。今は?」
「だから、今は…前は、ちょっとは良いなって思ってたけど…でも、潤さんの事で気付いたの。私…」
見詰めて来るルイの目にまた新たな涙の膜が張り、震える唇が小さく紡ぐは愛の言葉。
「…あなたが、好き…今の私には、あなただけなの…」
信じて。お願い。大好きなの。骸も他の人もいらない。切なく鼻を啜るルイに愛しさが込み上げ強く搔き抱いて深く口付ける。ずっとその言葉が欲しかった。己の願望が作り出した虚しい幻想だと分かっていても。
緩く開いた唇、その奥へ侵入し舌を絡め取ると、下手くそながらも応えて来る。くちゅ、ちゅぷ、唾液を交換しながら腕を伸ばして自分を受け入れる為だけにトロトロに潤んだそこを手のひら全部で愛撫する。クプリと中指を沈め「痛い?」聞けばふるふると横に振られる首。酷くぬかるんでいても尚狭く温かいルイの小さな海、そこで指をくの字に折りとんとん、ノックする様にある部分を静かに叩いてやれば「ひぃん」腰を震わせ可愛い声が上がる。
ああ、可愛い、愛しい、堪らない。このまま一度イかせてあげて——…
思うのにルイは下半身をまさぐる雲雀の手首を抑えて、ぎゅうと首に縋り付いては訴えるのだ。「指は嫌、あなたが良い」と。「痛いよ?」言っても返って来るのは無言の抵抗だけ。そうして足を絡めて、未だスラックスを履いたままの雲雀を急かして来る。
堪らずスラックスも下着も放り投げて大きく股を広げさせれば、全てが暴かれた羞恥に両の手で顔を覆うルイ。唇の色と同じ淡い桜色の花弁が透明な蜜を溢れさせるそこは、愛しい男を呑み込もうとヒクンヒクン妖しく蠢いて。「見ないで…」半泣きの哀願なんて知った事か。凄まじく淫靡で魅惑的なルイの秘められた女の部分は、昂る雲雀のそこを尚も荒ぶらせて。パンパンに張り詰め痛いくらいに反り返った己の雄を蜜口に押し付けるとグチリと半ば強引に押し開いて行く。「っ!痛いー…」ぐすぐす泣くルイの唇を唇で塞いで、狭い狭い中を突き進む。
ハーッハーッ!肥大する妄想の中、荒い息を吐きながら自身を強く握り擦る手は止まらない。グチグチグチュグチュヌチヌチ、雑音など最早気になりもしない。今の雲雀はただのケモノ。雄の本能に全てを支配されて、愛しい女、あの高潔な女を脳内で酷く凌辱する。
パンッパンッ!大きく引いて最奥まで穿つ。腰を打ち付ける乾いた音とは裏腹にルイの中は雲雀を呑み込む度ジュンと愛液を溢れさせて、濡れて行くシーツ。
「あ、ン…ッくぅ、ん、ふぅ、ぅ〜〜…っ」
必死に押し殺す喘ぎが、眉根を寄せて堪える顔が、とんでもなく可愛くて気が狂いそうだ。否、もう狂っている。この女に狂わされている。亀頭が侵入する瞬間こそ痛みに泣いたルイ、全てを咥え込んだ今となっては雲雀の背に爪を立てて逃がしようの無い官能に悶えていた。
「ひぅん、ーーーっあっんッ…」
ひばりさん、ひばりさん、きょーやさん…熱に浮かされ幼子の様に舌足らずに呼んで来る。大事に大事に抱いてあげたいのにガツガツ子宮口を突き上げる腰は止まろうとしてくれない。壊してしまいそうだ。けれど早く出したい。初めて惚れた女の中に、一刻も早く自分の雄を放ってしまいたい。せめて涙に濡れる滑らかな頬を撫ぜてキスをして、片手で先程まで弄んでいた陰核を再び刺激してやる。ルイも良くなれるように。
「ーーーッッツ!あっやぁっ!きゃあんっ…やだ、やだっ!きょーやさんっやだぁ、こわいぃ」
長い髪を振り乱しカッカと熱を上げる肢体。みるみる内に甲高く変わり行く嬌声。痛い程にしがみついて来たと思えばボロボロ泣きながら今度こそ背が大きく仰け反る。やぁ、こわい、きょーやさん!未だ知らないエクスタシーの予感に慄くルイの脳に直接送り込むように、低く甘く囁く。
「怖くないよ、ルイ。一緒に良くなろうね」
揺れる瞳が雲雀だけを映して震える細顎がこくりと小さく頷いたのを確認して、絶頂へ導くべく膨れ上がったクリトリスを指の腹でヌルリと擦り上げながら突き上げてやると、程なくしてしなる上体。大きく痙攣する。
「ッアッはああーーーーーんーーー…!ッ———!!」
訪れた性感の爆発に、離さないと言わんばかりにきゅうきゅう締め付けて来る膣の圧力。堪らず獰猛なまでに硬化した己の雄を最奥の最奥まで押し込みながら、ルイを見る。イッた顔が見たい、どうしても。
めくるめく悦楽の渦の中、固く目を瞑り眉間に皺を寄せていたルイの全身からくたりと力が抜け、瞳が薄ら開かれた。雲雀を捉えると、ゆるりと微笑む。それはそれは幸せそうに、ぽろり、また一筋の涙を零して。
「きょうやさん、だいすき。きすして…」
ビュルッビュクッ!
瞬間腰を突き抜ける情欲の解放に、愛しいルイを抱き締め低く呻いた。
どろり、手を汚す生温い白濁。はぁっはぁっ…呼吸を整えながらソファに凭れる。
恍惚の余韻がもたらすのは最低な気分。今ルイにこの現場を目撃されたら一体何と思われる事だろう。自分をオカズに欲望を吐き出し荒い息で全身を弛緩させる男。精液を拭き取りもせず、今やふにゃりと項垂れる性器をしまいもせずに。
何が孤高の浮雲だ。夜毎逞しい妄想力を発揮するただの変態じゃないか。自嘲の中、それでもきっとまたやってしまう確信があるのが虚しい。
いつだって妄想上の女は潤む瞳で自分を見つめ「好き、好き」と繰り返す。自分の手によって蕾を花開かせながら他の男なんて要らない、あなただけが好きだと。決して肉欲に溺れはせず、ただ雲雀の心を欲しがって慎ましく乱れ咲く。驚くべき独占欲と征服欲、彼女へ抱く理想に満たされた願望。頭の中は素晴らしく自由だ。
「はぁ…」
あの日ルイは何故口付けを拒否しなかったのだろう、まるで雲雀に妻子が出来て自棄になっていたかのような事まで言って。
本当にその通りなのか、ただあの場の雰囲気に呑まれていただけなのか、或いは少し調子の狂っていた自分を慮っただけなのかも。どうにも判別が付き難い。
相手ありきの恋愛というややこしい感情は雲雀から自信という自信を消し去る。決して目には見えぬルイの心の中を正確に見極める、それはとても困難な事だ。けれど。
何だかんだと見ないふりをして来た恋心、あの夜その先に求めるものが明確になった。ルイが欲しい。ずっと傍に居て欲しい。唯一人の恋人として。
ではどうすれば良いのだろう。飽和していた頭がぼんやり算段を弾き始める。振られては元も子も無いだろう、慎重に行かなければ。取り敢えずは様子見、嫌がられない程度にスキンシップを図りながら心の距離を計測だ。間違ってもあの忌々しい六道骸を初め他所の男になど取られてしまわぬようにそれとなく注意を払いながら。
「……」
ああくそ。あの男の顔を思い出したらより不快指数が増す。脳内でルイにあの男をあしざまに言わせ自分と比較させて溜飲を下げた己のみみっちさに腹の中で唾を吐きながら、気分を変えるべくシャワーへ立ち上がった。シュンと情けなく萎れた男の象徴を見ないようにそそくさ下着の中に押し込めつつ。
時計の針が時を刻む。遠くても同じ空の下、互いを想って夜が更けまた朝が来る。
そうしてルイが帰還し10日ぶりに顔を合わせた二人は、何事も無かったかのようにまた口付けを繰り返す。互いの胸を渦巻く思惑など知りもせずに。