Ⅰ 白の教会
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二人は手を繋いだまま、偽物の空に背を向けた。
本物の空を見るために。
そのときだった。
──ドォン!!
遠くで爆発が起きた。
床が大きく揺れ、024の身体が傾く。
「きゃっ……!」
『024!』
045が咄嗟にその身体を抱き止めた。
『大丈夫!?』
「う、うん……」
けれど、二人が顔を上げた、その直後。
──ガァン!!
凄まじい轟音とともに、廊下の壁が吹き飛んだ。
白い煙が辺りを覆う。
その向こう。
崩れた壁を踏み越えながら、何かがゆっくりと姿を現した。
丸い、機械のような身体。
そこに浮かぶ、歪んだ人間の顔。
「なに……あれ……」
024が呟く。
それが何なのか、024には分からなかった。
白の教会の研究員たちも、その怪物の正体を知らない。
けれど。
隣にいた045だけが、息を呑んだ。
『…………』
握られていた手に、急に力が入る。
「045……?」
返事がない。
045の顔から血の気が引いていた。
「どうしたの……?」
『……見たこと、ある』
「え?」
045自身にも、はっきりとは分からなかった。
いつ。
どこで。
誰と一緒にいたときだったのか。
記憶のほとんどは、もう失われている。
それなのに。
目の前のその姿だけは──知っていた。
頭の奥で、何かが弾ける。
誰かの悲鳴。
自分を抱きしめる母親の腕。
何かを叫んでいた父親。
赤。
泣きながら伸ばした、小さな手。
そして──
あの、笑い声。
《みーつけたぁ》
甲高い声が響く。
笑っている。
人間のような顔をしているのに。
人間ではない。
024の身体が硬直した。
「……っ」
逃げなきゃ。
頭では分かっている。
なのに、足が動かなかった。
『……同じ……』
「045?」
『こいつ……』
息がうまくできない。
忘れたはずの恐怖だけが、身体の奥から蘇ってくる。
『お父さんと……お母さんを……』
そこから先の言葉が出なかった。
024が目を見開く。
「え……?」
怪物の身体から突き出た砲口が、ゆっくりと動く。
045の身体が震えた。
その先にいるのは──024。
その瞬間。
045の中で、何かが重なった。
あの日。
何もできなかった自分。
目の前で奪われた、大切な人たち。
そして今。
自分の隣にいる、たった一人の家族。
『──024!!』
考えるより先に身体が動いた。
045は024を突き飛ばした。
次の瞬間。
轟音が響いた。
本物の空を見るために。
そのときだった。
──ドォン!!
遠くで爆発が起きた。
床が大きく揺れ、024の身体が傾く。
「きゃっ……!」
『024!』
045が咄嗟にその身体を抱き止めた。
『大丈夫!?』
「う、うん……」
けれど、二人が顔を上げた、その直後。
──ガァン!!
凄まじい轟音とともに、廊下の壁が吹き飛んだ。
白い煙が辺りを覆う。
その向こう。
崩れた壁を踏み越えながら、何かがゆっくりと姿を現した。
丸い、機械のような身体。
そこに浮かぶ、歪んだ人間の顔。
「なに……あれ……」
024が呟く。
それが何なのか、024には分からなかった。
白の教会の研究員たちも、その怪物の正体を知らない。
けれど。
隣にいた045だけが、息を呑んだ。
『…………』
握られていた手に、急に力が入る。
「045……?」
返事がない。
045の顔から血の気が引いていた。
「どうしたの……?」
『……見たこと、ある』
「え?」
045自身にも、はっきりとは分からなかった。
いつ。
どこで。
誰と一緒にいたときだったのか。
記憶のほとんどは、もう失われている。
それなのに。
目の前のその姿だけは──知っていた。
頭の奥で、何かが弾ける。
誰かの悲鳴。
自分を抱きしめる母親の腕。
何かを叫んでいた父親。
赤。
泣きながら伸ばした、小さな手。
そして──
あの、笑い声。
《みーつけたぁ》
甲高い声が響く。
笑っている。
人間のような顔をしているのに。
人間ではない。
024の身体が硬直した。
「……っ」
逃げなきゃ。
頭では分かっている。
なのに、足が動かなかった。
『……同じ……』
「045?」
『こいつ……』
息がうまくできない。
忘れたはずの恐怖だけが、身体の奥から蘇ってくる。
『お父さんと……お母さんを……』
そこから先の言葉が出なかった。
024が目を見開く。
「え……?」
怪物の身体から突き出た砲口が、ゆっくりと動く。
045の身体が震えた。
その先にいるのは──024。
その瞬間。
045の中で、何かが重なった。
あの日。
何もできなかった自分。
目の前で奪われた、大切な人たち。
そして今。
自分の隣にいる、たった一人の家族。
『──024!!』
考えるより先に身体が動いた。
045は024を突き飛ばした。
次の瞬間。
轟音が響いた。