走れバイト戦士よ
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あの日は、あの後三人に入念に怪我がないかチェックされて大丈夫ですから!と言って少し強引にフロアに戻って仕事をした
エース達もバイト先がホワイト企業だと認めてくれたらしく、大人しくドリンクを飲んで帰っていった
そして今日はバイトはお休みの日
3日ぶりに何もない日だ!と気分は最高潮だ
放課後、授業が終わり今日は寮でゴロゴロすると決めていたからお菓子を購買で買って寮に戻ろうとしていた
グリムは木で昼寝をしていたルチウスが気になってちょっかいを出して追いかけっこを始めて何処かに行ってしまった
最高のコンディションで迎えるお休みだ…
そんな事を考えて歩いていたら、実験服を来たジェイドさんが植物園に入っていくのが見えた
家に帰ってゴロゴロしたいのは山々だけど、前にキノコの話を聞かせてもらって気になって、話しかけて邪魔をするのは悪いから植物園の外から窓越しに中を覗いてみた
中でジェイドさんは危ない色をしたり、凄い変な形をしたキノコに囲まれながらウキウキとお世話をしていて、とても楽しそうだ
霧吹きを持って、一個一個に水を吹きかけて、間引きをしたりと丁寧に育てていた
楽しそうにしていて、これは邪魔になったりしては行けないと思いその場を去ろうとしたら立ち上がってこちらを見たジェイドさんと目があってしまった
ニッコリと笑顔を向けて、こちらに手招きをしていたので植物園の中に入っていった
『わぁ…凄い量のキノコですね…』
「結構育てるの大変なんですよ」
中に入ると毒々しい色をした物から、手のひら位の大きさの物とたくさんの種類があった
ちょっと怖くて触ることなどできなかった
奥へと進むと、ジェイドさんが調達したのか元々あったのか分からないが研究用と思わしきデスクと椅子が二つあった
デスクの上には試験管やシャーレなどの器具や、デスクの隣には原木などもあって何処から持ち出したのだろう…
椅子に座らせてもらい、ビーカーにお茶を入れて貰った
「……で…どうかされましたか…?」
『あ…いや、ジェイドさんが植物園に入っていくのが見えて気になって外から覗いていました…』
「中に入ってくれば良かったじゃないですか」
『お邪魔しちゃ悪いかなって思って』
ビーカーに入れられたお茶はいい匂いがするが、少し熱くフーフーと息を吹きかけて冷ます
「ユウさんなら邪魔だなんて思いませんよ」
『いえいえ…。このキノコ達ジェイドさんが全部集めたんですか?』
「はい。校内にあった物や、山で見つけた物だとか…色々とありますよ」
『山に登ったりするんですね』
「海とは違う植物があって楽しいんですよ」
ビーカーのお茶を飲みながら、楽しそうに山の話やキノコの話をする
ジェイドさんが育てたキノコを食堂に提供して、そのキノコが入ったリゾットを食べたシルバーさんが凄く美味しいと話しているのを見たとか、嬉しそうに話をする
『ジェイドさん、楽しそうですね』
「えぇ、陸に上がったら知らない事が沢山あって、毎日飽きないです。ユウさんは趣味とかはあるのですか?」
『私ですか?……うーーん…』
そう思うと、趣味と言える物がない気がする
お化粧とかアクセサリーとか好きだけど、趣味にまでは行かないし…
バイトをしていたから、部活もやっていないしな
あ、そういえば……
『趣味と言えるか分からないですけど……星を見るのが好きです…』
「星ですか…また何故?」
『うーん…特に星に詳しい訳じゃないんですけど、宝石をちりばめたみたいな星空が好きなんです…ずっと眺めていられますね』
「なるほど…いい趣味ですね」
『ありがとうございます』
そう言って、今は見えない植物園の天井を見上げて瞳を閉じて星を想像する
前の世界にいた時もバイトの帰り道とかに星を見ながら自転車漕いで帰ったり、今もたまに寮の外に出て星を眺める
「…今度、星を見に行きませんか?」
『星…?』
「僕がいつも行く山で見る星は寮から見る星空よりも星の数が多く見れて綺麗なんですよ…。いかがでしょうか?」
『いきたいです…!』
寮から見るよりも星が沢山綺麗に見えるのは凄く気になる
夜に学校を抜け出して出かけるなんて楽しそうだ
それに、ジェイドさんとお出かけ出来るのは少し嬉しい
「次に僕が山に行く時のタイミングでいいですか?」
『構いません!また近くなったら教えてください』
そう言って、私は小指をジェイドさんに差し出した
「……小指…がどうかしました…?」
『私の世界で、小指と小指を繋いで約束をするおまじないがあるんですよ!』
「面白いおまじないですね」
そう言って、ジェイドさんは私の小指に自分の小指を繋いで絡めた
約束ですよ!とジェイドさんに言ったら、微笑んで「はい」と返事をしてくれた