走れバイト戦士よ
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面接を終えた次の日、ユウは早速出勤をすることになった
エース、デュースにモストロ・ラウンジでバイトすると伝えたら頭を抱えてため息をつかれた
何かあったら言えよ?とか暇な日は毎日行くからな?と言われてしまい、そんなに心配なのだろうか…
『…んぁ〜やっと授業終わったぁ!』
鞄に教科書や筆箱を入れて、教室を出る準備をしていた
そしたらクラスメイトが何やらざわついていて視線の先を見てみると、教室の入り口に見たことある長身の人が見えた
準備を済ませてその人の元へと向かった
「お疲れ様です、ユウさん」
『ジェイドさん!どうしたんですか?』
「近くの教室で移動授業だったので、ついでにお迎えに来ました」
さぁ、行きましょうかと言われて私も隣を歩き始めた
道中に今日の授業の話や、仕事の話、キノコの話などをしていたらすぐにモストロ・ラウンジについた
店についてジェイドさんにそのままついて行き、VIPルームに一度向かった
「ユウさん、こんにちは」
『こんにちは!アズールさん』
「早速ですが、こちらに着替えてください。営業中の仕事着です。サイズが合わなかったらおっしゃってください」
『はい、ありがとうございます』
仕事着を受け取り、ジェイドさんに更衣室に案内された
私の更衣室は空いていた倉庫を使って良いとのことで、営業中は鍵を閉めて使っていいとの事で遠慮なく使わせて貰うことにした
仕事着はオクタヴィネル寮の寮服と同じ紫色のシャツに白いボウタイと黒いパンツ
皆と違うところは黒いベストに黒いロングサロンをつける所だ。サイズ感は丁度良い
着替えが終わり、倉庫を出るとジェイドさんも着替えて待っていた
「お似合いですよ」
『ありがとうございます!サイズも丁度良いです!」
「それは良かったです。アズールとフロイドがホールで待ってます。行きましょう」
後ろをちょこちょことついて行き、客席ホールについたらフロイドさんもアズールさんも着替えて待っていた
「小エビちゃん似合ってんじゃん」
「お似合いですよ。僕の見立て通りサイズもピッタリだ!」
『はい、問題ないです』
「では、一応ですが仕事の流れを説明しますね」
アズールさんから仕事の流れの説明を受けた
お客様が来たら席に案内して、メニューとお冷やとおしぼりを持ってお客様のもとに向かう
お客様がメニューが決まったらオーダーを取りに行き、取り終えたら厨房に伝票を持っていく
そして、料理が出たらカトラリーと一緒に料理を持っていく
お会計はまだやらなくて良いが、いずれはやって貰うだろうとの事だ
この流れならバイトをしていた時となんら変わりがないので問題はないだろう
そして、そうこうしてる内にオープン時間となったので、店を開けて早速仕事をする事になった
………
……
…
『いらっしゃいませ!お客様何名様でしょか?』
「3名です」
『かしこまりました、こちらへご案内いたします!』
………
……
…
『ご注文お決まりですか?』
「俺、スペシャルドリンクのセット一つ!」
「俺はシーフードピザと、このドリンク!」
『かしこまりました!お料理ができ次第お持ち致します!』
………
……
…
「小エビちゃん、ちゃんと仕事できてるね」
「僕が見込んだだけありましたね!これならサービス向上となり顧客が増えていく筈!」
バーカウンターの中でフロイドとアズールはユウの仕事っぷりをしっかりと見ていた
中途半端な接客もしないし、テキパキとした対応をしておりアズールは大変満足をしていた
この調子なら顧客も増えて売り上げも上がるだろうと、考えた
『いらっしゃいませ』
「あぁん?お前、オンボロ寮の監督生じゃねえか?とうとう学園から見放されてここでバイトかぁ?」
「それとも、魔法が使えなくてアズールに媚びでも売って魔法が使える様にでもして貰う気か?ぎゃははははっ!」
『2名ですねーお席にご案内しますねー』
仕事をしている内に絶対あるであろうと思っていた事が早々にきた
柄の悪い客(サバナクロー生)に絡まれる事だ
こう言うことは無視することが一番だから、話を聞かずに席へと案内した
『ただ今メニューお持ちしますねー』
「早く水持ってこいよー!ぎゃはははは!」
ガタッ
面倒だからさっさと席を離れようとしたら、サバナクロー生に足を引っ掛けられて体が傾いた。
転ばないようにと体勢を取ろうとしたが、不意の事で反応ができなかった。倒れて地面に顔面をぶつけるであろうと構えていたが、その衝撃は来なかった。
むしろ温かくて柔らかい物が顔にあたり倒れる事は無かった
「お客様、スタッフのサービス妨害と他のお客様にご迷惑となっております」
『……ジ、ジェイドさん…!』
「あんまり騒ぐと、絞めちゃうよ?」
顔をあげるとジェイドさんが倒れそうになった私の体を受け止めてくれた
難癖をつけてきたサバナクロー生達に向かってジェイドさんとフロイドさんは睨み付けて、悪い笑顔をしてみせた
睨み付けられたサバナクロー生達はひっ!と声を上げて、怯えるような目をして席を立ち上がり蜘蛛の子散らすように店へと出て行った。
「お怪我はありませんか?」
『おかげさまで…』
「さっきみたいな客が来たら、すぐに俺たちに言うんだよ?絞めちゃうからさ」
『予想していた範囲内だったので大丈夫ですよ』
受け止めてくれたジェイドさんから離れてお礼を言った
この先もバイトをしていく間、私がバイトをしている事が学生に知れ渡るまではこのような事は起きるだろう
その度にいちいち報告していたらキリが無いのは分かるが、お店の事を考えたら嫌な客は退店してもらう為に二人にちゃんと話したほうがいいのかもしれない
『お二人とも、ありがとうございます。仕事に戻りますね!』
そう言って、ユウは仕事へと戻っていったのだった