走れバイト戦士よ
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あの後ジェイドさんの部屋で固まっていたらフロイドさんが呼びに来て、寮に送って貰っているが先程の事が何度も頭の中をよぎって脳内会議をしながら歩く
「……小エビちゃん、さっきからなんなの?水槽にぶつかるマグロみてぇなんだけど」
『へっ!?い、いや…!なにがですか…!?』
「いや、さっきから柱にぶつかったり躓いて転んだり階段から落ちかけたり…怪しいんだけど」
『………。』
動揺が行動に出てしまい凄い怪しまれている…
フロイドさんが見つめてきて顔を逸らすが、屈んで顔を覗かれてしまう
ここまで動揺させてしまう原因の方にそっくりな顔が見てきて、顔が真っ赤になってしまう
「………もしかして、ジェイド…?」
『…………違います』
「絶対そうじゃん」
違うと否定したが直ぐにバレる
そりゃ顔真っ赤にして目を逸らしながら否定したらそうなるよな…
「なになに?ジェイドにチューでもされそうになった?」
『な…な…何言って…!違いますよ…!!』
ゴンッ
「…小エビちゃんってわかりやすいね」
またもや動揺をして柱に足をぶつける
それが面白いらしくニヤニヤしながらフロイドさんは肩を組んでくる
「……で?したの?」
『………して…ません…』
「えぇ〜してねぇの?じゃあなんで動揺してんのさ」
『だ、だって………好きとか…なにもいわれてない…し…』
「あ〜〜〜…」
つまらなそうに溜息をついて肩に組まれていた腕が離れて、また寮へと歩き出す
『私、明日からどんな顔してジェイドさんに会えば良いですかね…』
「いつも通りでいんじゃね?」
『くそ……他人事みたいに…』
「他人事じゃん」
そんな事を話していたら寮にまで着いてしまった
大きな溜息をつきながら寮の門を開けると、フロイドさんは大きなあくびをして「おやすみ、小エビちゃ〜ん」と言って後ろを向きながら手を振って歩いて行ってしまった
………
……
…
……次の日
普段は学年が違うこともあり全く会うことも無いのに、今日に限って廊下や大食堂でよく会う…
エース達とご飯を大食堂で食べてる時なんか、ジェイドさんが見えて動揺をしてパンを喉に詰まらせた
慌てたエースに背中をバシバシ叩かれてるのをフロイドさんは大爆笑しながら見ていた
次にシフトが被ったら賄いのご飯にタバスコを沢山かけてやろうと今決めた
そして、放課後
昨日冷蔵庫に閉じ込められたからアズールさんが気を利かせてくれて今日はバイトは休みになった
周りを警戒しながら寮へ帰ろうとキョロキョロと中庭に出る入り口から周りを見回して、気まずい相手がいない事を確認して外に出ようとしたが
ガッ
『……うわっ!?』
急に後ろから腕を引かれてバランスを崩して後ろに倒れ込む
倒れると思い反射で目を閉じて衝撃を待とうとした
しかし待っていた痛く、倒れそうになった体は支えられていた
『………ジェ…ジェイドさん…!』
支えてくれた物を確認しようと後ろを向いたらブレザーの第一ボタンが見えて、上を見上げていくとジェイドさんの顔が見えた
恥ずかしくなり直ぐに離れようとしたが、後ろから肩と腕を掴まれていて離れられない
「……今日一日避けられていて、結構傷つきましたよ」
『そ、その…』
逃げられないように腕を掴まれながら体を正面に向けられて両肩に手を添えられる
顔を見られて顔がさらに赤くなっていき体が暑くなる
「昨日は申し訳ありませんでした…」
『い、いえ…私…気にしてませんよ!』
「それは無理があります…今日1日でよく分かりました」
『え…?』
そう言って、両肩に添えられていた手は離れていく
「…今日、ユウさんを見て嫌がっているのが分かりました。昨日は軽率な行動をして申し訳ありませんでした」
ジェイドさんは微笑みながらも眉毛は下がり視線を外して顔を俯かせる
そうだ……
今日の私はジェイドさんに会うと気まずいから避けていたが、ジェイドさんは私と昨日の事を話そうとして会いに来ていたかもしれないのに
『……すいません…!ジェイドさん…』
「………いえ…いいんです…」
『そうじゃなくて!
私…今日一日自分の事しか考えてませんでした…ジェイドさんは向き合おうとしたのに、私は逃げてばかりで…!』
そう言ってジェイドさんの手を握り、俯いていた顔を覗いて瞳を見つめる
悲しそうな顔をしていたが、驚いて目を見開く
『冷蔵庫から助けてくれたジェイドさんが嫌な訳ないじゃないですか!私を心配して抱きしめてくれたジェイドさんが嫌いなわけないじゃないですか!』
「………。」
『今日…ジェイドさんに会うたびに恥ずかしくなって…昨日助けてくれて抱きしめてくれて…キ、キスしようとしたジェイドさんの顔を見ると顔が赤くなっちゃって…お恥ずかしいんです…!』
………。
ハッとなって気づく
勢いに任せて感情のまま色々言ってしまった
慌てて手を離して顔を逸らしたら腕を掴まれてまた体が倒れそうになった
だが、ジェイドさんの大きな体が支えてくれた
胸板にダイブしてしまい、そのまま背中に手を回されて抱きしめられる
間近にジェイドさんの匂いや早い鼓動が聞こえて顔が赤くなる
「……… ユウさん… ユウさんの事が好きです…」
『………え…』
「今、答えを出さなくて大丈夫です…。ただ…僕の気持ちを知ってほしいです…」
そう言ってジェイドさんは体を離して顔を見せずに「では、また明日…」と言って去って行ってしまった
抱きしめられて支えられていた体は力が抜けてその場に座り込んで真っ赤になった顔を膝に埋めて大きな溜息をつく
『えぇ〜〜〜…どうすれば良いの……』
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