鬼ごっこ
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「あはははははぁ♡」
「いやぁぁぁ!こないでぇぇぇくださいぃぃぃ!!」
後ろから全速力で追いかけてくるフロイド先輩
遡る事10分程前…
授業が終わり中庭を通って帰ろうとしている時、5m程先にいたフロイド先輩が私の存在に気づいたと思ったら何故か笑顔でこちらに走って向かってきたのだ。
フロイド先輩が笑顔でこちらに走ってきたら誰でも逃げるでしょ?
私なら全速力で逃げる
「小エビちゃぁぁあん♡なんで逃げるのさぁぁ!」
「フロイド先輩が笑顔で追いかけてくるからですよぉぉぉ!!ひぃぃぃぃい!」
前の世界では帰宅部でバイトに明け暮れていた人間が、この足の長くてバスケ部にも入ってる男から逃げれるだろうか…!
前にいる生徒たちは驚いて道を開けてくれて、去り際の同情する目がチラリと見える
これじゃサメに追いかけられる小魚の気持ちだ。彼はウツボだけど
頼むから助けてくれ
「はぁ…!もう…!無理ぃぃ!!」
全速力で走ってきたが流石に限界を迎えようとしていた所、目の前に見えたのは植物園だった
も、もしかしたら…!
………
……
…
バァン!
「小エビちゃあん?何処に逃げたの?」
「おや、フロイドじゃないですか」
「あー?ジェイドじゃん。まーたその気持ち悪いキノコ育ててんの?」
「気持ち悪いとは失礼ですね。それよりも勢いよく入ってきてどうしたんですか?」
「小エビちゃんと鬼ごっこしてたんだけど、見てない?」
「いいえ、ここには僕1人だけですよ?」
そう聞いてフロイドは辺りを見回した
「……ふーん。まぁ、いいや、飽きたし」
じゃあね〜と言って、フロイドは植物園から気怠そうに出て行ってしまった。
「……フロイドは帰りましたよ」
「……はぁぁあ…危なかった…」
キノコが栽培してある机の下からユウは顔を出して確認をした
机の下に隠れている際、私の前で壁になってジェイド先輩が匿ってくれたのだ
おかげで見つからずに助かった
「助かりました…ありがとうございます…」
「いえいえ、フロイドがご迷惑をお掛けしました。」
「いえ…なんで追いかけてきたのか分からないですが…」
机の下から出てきて近くにあった椅子に腰掛けて休憩をする
未だに膝が震えている…あんだけ走ったのだから仕方がない
「よく、フロイドから逃げ切れましたね。ユウさんは何か部活でもやってたのですか?」
「いいえ、部活は手をつけてません…アルバイトを少しやってました」
「ほぅ…アルバイトですか…?」
ジェイド先輩から冷たい水の入ったコップを渡された。
汗を沢山かいて、喉が乾いていたので大変ありがたい
冷えた水が喉を潤していく
「はい、喫茶店で働いていました。だからそこまでは体力はないですよ」
あははっと笑ってジェイド先輩の顔をチラッと見ると顎に手を当てて、何かを考える仕草をした後に悪い笑顔を見せた
…嫌な予感がする……。
「そうですか、喫茶店ですか!ユウさんは接客経験があると言う事ですよね?」
「いや、そこまでの事は…「でも、部活をやらないでアルバイトをしていたのなら、それなりでは?」ぐぬぬっ…」
「ユウさん。フロイドの鬼ごっこから助けてあげましたよね?」
座っている私にどんどん近づいてくるジェイド先輩。椅子に座っていて、後ろには机があり逃げ道がない。
「今、ちょうどラウンジのスタッフの人数が足りていないのですよね」
「へ、へぇ〜!大変ですね〜!」
「ユウさん、フロイドから助けてあげたので、報酬を頂かないと!それとも、他に払える報酬があるのですか?」
あ、やばい
私の目の前に立ち、私の足の間にジェイド先輩の足が割って入ってきて私の顔を見下ろしてくる。
先程追いかけてきたフロイド先輩とはまた違う怖さの笑顔を向けて、私の頬にかかった髪をそっと指で撫で払い、髪を耳にかけて私の耳に近づき呟いた
「鬼は1人だけじゃなかったみたいですね」
(このあと無茶苦茶バイトした)
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