お泊まり会
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「小エビちゃんお泊まり会とかした事ないの?」
「意外ですね、ユウさんなら友達を家に連れて夜までゲームとかしたことありそうですが」
「んー…友達に誘われたりとかあるんですけど、毎回予定があったりとかして、なんやかんややった事ないですね」
大食堂でお昼を食べる時に席を探していたら、リーチ兄弟に会いビュッフェ形式の料理を取りながら他愛もない話をして、流れでそのまま一緒に昼食を取ることにした。
話は子供の頃にアズール先輩の家に遊びに行って、そのままお泊まり会をしたと言う話だ。
寝ている時にフロイド先輩が間違えてアズール先輩を噛もうとしたなんて話をされて、同情をする。
その流れでふと思い出すと、自分は前の世界でお泊まり会に参加した事がない事を思い出した。
お泊まり会を開催する日に限って風邪をひいたり、家族で旅行に行ったりしていけなかったような気がする
「少しだけ、憧れますね〜お泊り会。夜遅くまで映画みたりとか、雑魚寝したりとか」
「「………。」」
そんな話をしていたら授業開始まで残り15分程しかなくて、急いで残っていたご飯を食べて三人とも次の教室へと戻っていた。
………
……
…
ピンポーン…
時計があと少しで日付が変わりそうな時間
もう寝てしまったグリムを撫でながら、そろそろ寝ようと思っていたら玄関のチャイムが鳴った
こんな夜遅くにこのオンボロ寮に訪ねてくるなんて誰だろう?
少し肌寒く、スウェットズボンにシャツとカーディガンという人に見せられるような格好ではないが、着替えてくる時間などないので急いで出た
ガチャ…
「小エビちゃん。こんばんわー泊りに来たよ」
「夜遅くなってすみません…モストロ・ラウンジの閉店作業があったもので」
「…え?」
扉を開けると、そこにはピザの箱とお菓子を入れた袋を下げたフロイド先輩と、着替えなどを入れてるであろう鞄を下げたジェイド先輩が立っていた
こんな唐突にどうしたのだ?
そう思っていると、私と扉の間を抜けてリーチ兄弟はスタスタと入っていった
「昼間言ってたじゃん。小エビちゃんお泊まり会した事ないって」
「明日は学校も休みなので夜更かしをしても問題ないので、来てしまいました。本当はアズールも呼んだのですが、夜更かしをしたくないとのことで…」
「…確かに昼間お泊まり会した事ないって話しましたけど、ずいぶんと急ですね……」
「だって、楽しそうじゃん?」
そう言いながら、談話室に入り俺シャワー浴びるねーと言いながらタオルなどを持ってシャワールームに消えていくフロイド先輩
持ってきたピザやお菓子を出して夜食の準備をするジェイド先輩
どこまで自由なんだこの2人は
「善は急げと言うじゃないですか」
「確かにそうですけど、前から知ってれば他の部屋掃除しましたよ?」
「大丈夫ですよ、今日は三人で雑魚寝するんですから」
キラキラという効果音がついてそうな程の満面の笑みで、こちらをみてくるジェイド先輩
意外にこの人が一番楽しんでいるのではないか?
そうこうしているうちにフロイド先輩がシャワールームから出てきて入れ替わりでジェイド先輩がシャワールームに消えていく
「ねぇねぇ小エビちゃんはどの映画みたい?俺のおすすめはこれだよ」
カバンから何本かの映画を取り出して、おすすめを指差した
海沿いの研究所から流れていった化学薬品でサメが大きくなり海で人を襲い暴れる映画だ
「…一応聞きますけど、なんでこの映画なんですか…」
「だってサメがデカくてかっこいいし?人間が馬鹿みたいに食べられていって、面白れぇじゃん?」
そう言いながらこちらを見てきて危機感を覚えた
2人が来たので何か出さなくては失礼だ。
キッチンに向かいシンクの上の戸棚や冷蔵庫を漁ってみた。ピザとお菓子を持ってきているので何か飲み物はないかと漁っていたら、隣にお風呂から出たジェイド先輩が横に来た
「急に来て迷惑でしたか?」
「いや、すごく嬉しいですよ。友達と夜遅くに映画を見て夜更かし出来るなんて楽しみですよ」
「…それは良かった」
「その…ありがとうございます…!僕のためにわざわざ来て頂いて…!」
「ユウさんの為だけじゃないですよ?僕たちもユウさんとお泊まり会をしたかったんですよ」
そう言ってジェイド先輩はお皿やコップを出しながら、こちらの顔をみて笑った
「ジェイドー、小エビちゃん!ピザ冷めちゃうし、映画も始まっちまうよー!」
フロイド先輩に催促され、ふふふっと2人で笑いながら飲み物とコップと取り分けるお皿を持ってソファに向かっていった
フロイド先輩がソファの隣をポンポンと叩き、私がそこに座りその隣にジェイド先輩が座る。
「フロイド先輩、ジェイド先輩」
「なぁに?小エビちゃん」
「今度は…僕がお二人の部屋にお泊りに行きますね!」
「…是非とも来てくださいね」
「その時は俺と一緒に寝ようね?」
三人とも満面の笑みで見つめ合い、始まった映画を見始めた
夜はまだこれからです。