大人びた彼
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授業が終わり、帰宅途中にジェイド先輩に会い、試作のドリンクを飲みに来ないかと誘われてやってきたモストロ・ラウンジ
大きな水槽があり、ほのかに暗いこの大人びた店のバーカウンターに座り寮服をぴっちりと着こなしたジェイド先輩が目の前でドリンクを作ってくれる
無駄のない動きで、メジャーカップにベースとなるドリンクと氷を入れてシェイカーを振っている
本当に高校生なのか?
「本当、ジェイド先輩って大人っぽいと言うか…高校生っぽくないと言うか…」
「ふふっそんなことありませんよ。これでもちゃんと学生ですよ」
そう言いながらカクテルグラスにドリンクを注いでいく
注がれた水色のドリンクのグラスの淵にスライスされたオレンジとデンファレを添えて、私の目の前にコースターを敷いてドリンクを置いてくれた。
お洒落で大人の女性になった気分だ
そっとドリンクを持ち、グラスを傾け飲んでみる
「……ん、美味しい…!」
「それは良かった、少しレモンを入れているのですが酸っぱくないですか?」
「いえ!全然!さっぱりしていて美味しいです!」
本物のカクテルではなくジュースなのだが、大人の女性なら出されたカクテルを美味しくてグビグビと飲む事はないだろう
だが、それほど美味しかったのだ
「はぁー…ここが共学だったらジェイド先輩って凄いモテそうですよね」
「そうでしょうか?」
「だって、勉強もできて料理もできて副寮長で、さらにこんな美味しい飲み物も作れるならモテモテですよ!」
そう言ってまじまじとジェイド先輩を見ながら凄い所を語っていると、言われてる本人は少し恥ずかしそうに、でも嬉しそうに笑った
「ユウさんにそこまで褒められると少し照れ臭いですね…」
「だって本当の事だし、女の子なら甘い言葉を囁かれたらイチコロですよ!」
「…ほう…?」
私が満足そうにジェイド先輩を見つめていると、グラスの横にあった私の手の上にジェイド先輩の手が重なり、指を絡めてくる
どうしたのかと思い、目の前のジェイド先輩を見ると熱い鋭い視線がぶつかった
まるで獲物を見つけた時の獣のような目だ
狙った獲物は必ず仕留めると言わんばかりの
「ユウさん…それはあなたにも有効と言う事ですかね?」
「えっ…?」
「あなたも周りからあまり周知されてはおりませんが、女性ですよね?」
「…か、からかってます?」
「いいえ、本気ですよ」
そう言ってバーカウンターの横から出てきたジェイド先輩が私の横にたった。
先程はカウンター越しで距離があったが今は目の前に来て私を見下ろし、頬に手を添えた
金色の輝くオッドアイに見つめられて目を逸らせないでいた。
「ジェイドー、アズールが呼んでるよー」
厨房から顔を出したフロイド先輩のジェイド先輩を呼ぶ声で緊張が解けた
ジェイド先輩が後ろを向き小さな声でチッ…と舌打ちが聞こえた気がしたが気のせいだろう
そして、また私の前に向き合い今度は耳元まで顔を近づけて囁いた
「ユウさん、お返事待ってますよ」
「っ…!」
そう言って頬にキスを落とされてフロイド先輩の元へと歩いて行ってしまった。
一瞬の出来事に情報処理が追いつかない
な、なにが起こったんだと顔を赤くして頭を抱えた