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病院を出て
コーチと一緒に歩いていると

「乃愛」

「サブちゃん、お兄ちゃん
みんな・・・」

「大丈夫か?」

「怖かった。修ちゃんが
合宿所からいなくなっちゃいそうで」

「!?」

きっと誰もが思っていたのかもしれない
だけど

「もう、ここには帰ってきてくれないような気がして」

「そう、ですか」

「乃愛。明日彼の迎えを頼んでも?」

「明日?学校なんだけど」

「大丈夫。午前中だけです」

「え?」

「乃愛が決めればいい。俺達は
誰も乃愛の決めた事に反対はしない」

そう言ってくれたお兄ちゃん

「一応、俺も行くから大丈夫だろうけどよ」

竜君が行ってくれるの・・・?

「あたしは・・・」

翌日、赤也君と一緒に学校に向かう

「乃愛先輩、昨日種ヶ島さんの部屋で寝てませんでした?」

「うん。修ちゃん今日帰って来るけど
あたしの不安なんてすぐに分かっちゃうもん」

「そうなんっすね。だけど、いいんっすか?学校なんて行ってる場合じゃ」

「修ちゃんと約束してるの」

「マジ、っすか」

「うん」

今日は竜君が行ってくれるから安心して任せて行ける

「そう言えば、今日。乃愛先輩部活でないんっすよね?」

「うん。でも、氷帝に行くわけじゃないから」

「そうなんっすね。安心しました」

「月曜日には帰ってくるからね?」

「学校にはちゃんと来てくれるんっすね」

「もちろん。今日は、ドリンクだけ作って帰るから」

「流石だね。乃愛は」

!?

学校に着く直前で後ろから声がかかったと思ったら

「幸村ブチョー」

「精市君。おはよう」

「あぁ。柳から聞いているよ。
ご両親が帰ってくるんだってね」

「うん。だから、お兄ちゃんと一緒に
帰省してくるね?とはいっても東京だから
そう、遠くもないけど」

「月曜日には、帰ってきてくれるんだったら、俺達は待つしかないからね」

「ありがとう」

「仁王だけだろうね。やる気をなくすのは」

「頑張ってもらわないとね」
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