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マイちゃんが食べ終わったのを確認して

「片付けは俺がやっとくけ」

「ありがとう。じゃあまた明日ね?」

「おん」

「おねえちゃん、かえっちゃうの・・・?」

「そうじゃ」

ヤダ!と言って来たマイちゃん

「雅衣。乃愛は他に用事があるんじゃ。我慢しんしゃい」

それでも、ヤダヤダと駄々をこねているマイちゃん

「じゃあ、マイちゃん。こうしようか」

「え?」

「風邪が治ったら、教えて貰うから
その時に、どっか一緒に出掛けようか」

「いいの!?」

「乃愛」

「大丈夫だよ」

やったぁ。と喜んでいるマイちゃん

「じゃあ、今度こそ帰るね」

「あぁ。気を付けんしゃい」

「うん」

まーくんの家を出て、病院へ向かうと
修ちゃんの部屋の電気はまだついていて
カーテン越しにに誰かがいるのが分かった

病院に入ると、コーチもまだいてくれて

「お帰りなさい」

「ただいま」

306まで付くと

「乃愛、来たんか」

「うん。だって後で来るってちゃんと言ったもん」

「せやなぁ」

「まだ、痛む・・・?」

「乃愛が来たから平気や」

修ちゃん・・・

「そんな顔せえへんのが俺との約束とちゃう?」

「そう、だけど・・・」

「俺は大丈夫や。何処にも行かへんよ」

「うん・・・」

「乃愛」

「修ちゃん・・・?」

「入院は今日だけや。何処が如何と言うわけやない。明日には合宿所に戻るし。乃愛も来るんやろ?」

「うん」

「それに、赤福もあの合宿所にはおるんや」

赤福・・・?

「切原君の事ですね」

「赤也君?そうだね。合宿所から通ってるもんね」

「心配するんとちゃう?そんな顔してたら」

!?

「せやから、そんな顔するんやない」

「うん」

「ほんま、そんな顔するんはあん時いらいやな」

あの時?
中学の時かもしれない

「そう、だね」

「でも、今そんな顔するんはちゃうよ?」

「俺のベッド使ってもええから
もう、今日は帰り」

「で・・・」

「乃愛。明日合宿所で同じ顔してたら許さへんよ」

「!?」

「だから、今日はもう帰り」

「分かった」

コーチも一緒に帰るということになり
明日はあたしが学校もあるということで
午前中には合宿所に戻ることになった
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