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「様子を見るということで
今日1日だけ入院させるということだ」

入院だなんて・・・

「乃愛、行ってこい」

「でも」

「そうだな。修二の前でそんな顔をしていたら
修二にどやされてしまいますからね」

「・・・ぅ」

「ありがとう」

合宿所を出て、まーくんにも連絡を入れる

「なんじゃ?」

「今日、行くの遅くなるかも」

「構わんが、お前さん合宿所に」

「今出たの。修ちゃんの顔一目だけ見てから行く」

「ほうか。気を付けて来んしゃい」

「うん」

それだけ言うと、切れた電話

後ろではマイちゃんの声が響いてたけど
電話に出さなかったのは得策かもしれない

スマホに、お兄ちゃんから
○○病院。306と書かれてきた

病院の前までタクシーで行くと
すぐにその病室に行く

「修ちゃん・・・?」

「乃愛?」

「修ちゃん・・・っ」

怖かった・・・
修ちゃんがいなくなっちゃう気がして

「大丈夫や。俺は平気やで?」

「うん」


「だから、そない泣くんじゃないよ?」

「そうですね」

「ですが、不安の方が大きかったのでしょう
乃愛は、修二に一番懐いていますしね」

「暫くは安静やけどな。
それでも、無事なんは変わりないやろ?」

「うん」

「そない不安なら、毎日合宿所に来ぃ?
ちゃんとおるから」

「いいの?」

「種ヶ島君がいいのならいいでしょう。
越智君にも確認を取ります」

「コーチ・・・」

「修ちゃん、また、後で来てもいい?」

「ええよ」

そう言ってくれた修ちゃん

病院を出てまーくんの家に行くと

「随分と早かったのぉ」

「うん・・・」

「?何かあったんか?」

「な、何で・・・?」

「浮かない顔をしてるからの」

浮かない顔・・・?

「そんな顔をさせるんは、忍足か跡部か?」

「違うよ」
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