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「あるけど、なんじゃ」

お皿に盛り付けておいた生姜焼きを出すと

「そう言うことか。平気じゃ」

「本当?」

「あぁ」

まーくんにご飯もよそって、食べてもらうタイミングで

「ただいまー」

「ママだ!」

ママ?
お母さん!?

「あら。いい匂い」

そんなことを言いながら入ってきてしまったお母さん

「ママ、おかえりなさい」

「ただいま」

「初めまして。越智乃愛と言います。
先日は、すみません。お世話になりました」

「いいのよ?あれから平気?」

「はい。なんともありませんので」

「そう」

キッチンを覗いたお母さんは

「これは?」

「雅治君が休んでいたので心配で」

「そう。ありがとう」

「母さん、一応言っておくけぇ」

「何よ?」

「乃愛は、俺の彼女じゃ」

「!?」

まーくんの発言に驚いているお母さん

「こんないい子、手放しちゃダメよ?」

「当り前じゃ」

そう言ってくれたまーくん

「あら、雅樹と麻衣の分まで作ってくれたの?」

「はい。具合が悪いって聞いたので」

「助かったわ。私しか出来るのがいなくてね」

「良かったです。まだ、余っているので食べてくださいね?」

「ありがたくいただくわ」

そう言ってくれたお母さん

「おねーちゃん・・・」

クイクイと洋服を引っ張って来た妹ちゃん

「どうしたの?」

また、きてくれる・・・?

「雅治君が、来てもいいよって言ってくれたらね?」

「うん」

「随分と乃愛も懐かれた様じゃの」

そうなのかな?

「雅治、明日は?」

「母さん次第じゃ。休めるんじゃったら
俺は学校に行くけぇ。無理じゃったら
休むしかないじゃろ」

そう言ったまーくんの言葉に
手帳を見始めたお母さん

「午前中はいいけど、午後はねぇ」

「なら、もう1日休むぜよ」

「いいの?」

「構わん」

「雅治君、あたしはそろそろ帰るね?」

「もう遅いけぇ。泊って行きんしゃい」

は・・・?

「む、無理無理!」

「無理じゃなか」

「そうねぇ。もう遅いし泊って行って頂戴な。
旭の部屋でも使ってちょうだい」

アサヒ・・・?
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