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「お邪魔します」

「お帰り」

「ただいま・・・?」

たったそれだけなのに

「おねーちゃん、にーちゃんの」

「まぁの」

さっきよりは若干赤みが引いているであろう男の子

「ふふ」

「なんじゃ」

「ううん。まーくんも
お兄ちゃんなんだなぁって思っただけ」

「ほうか?まぁ、年が離れてるっつーんもあるんかもしれんがの」

そうかもね

「そうだ。これ、飲めそう?」

あたしが買った飲み物は、スポーツ飲料で

「おー。お前さんもこんなん
買うんじゃな。意外じゃ」

「そんなことないよ?」

「のむ・・・」

そう言って来た弟君は
両手を出してきて

「待ってんしゃい。今コップに入れてやるけぇ」

「うん」

コップに飲み物を入れて行くまーくん

「今、何か作るね」

「すまんの」

野菜を細かく切って小さいお鍋に
ご飯と一緒に入れて行く。

「おにーちゃ・・・」

「起きたんか。雅衣」

う…ん…

目をこすりながら起きて来た女の子

「おねぇちゃん、だぁれ・・・?」

「雅衣。コイツはの俺の女じゃ」

そう言ったまーくんの言葉に泣きそうな顔をしてしまった妹ちゃん

「泣くんじゃなか。雅衣は俺の妹には変わりないんじゃ」

「おにいちゃ・・・」

「熱で参っとるんじゃろ」

コップにさっきのドリンクを入れて渡しているまーくんの膝に座っている妹ちゃん

「ご飯できたよ?」

「すまんの」

「大丈夫だけど…」

随分と

「お兄ちゃんっこ何だね?」

「あぁ。雅衣。飯、食べちまいんしゃい。雅樹も」

「「はーい」」

小さい器に入れて行くと

おいしそう…

ふーふーしながら小さいテーブルで食べて行く子供たち

「随分と可愛いね」

「そうじゃろ」

お兄ちゃんもあたしが来た時こんな風に思ってくれてたのかな?

「まーくんも食べる?」

「あるんか?」

「作ってはあるけど」
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